素晴らしき水着たち
素晴らしき水着たち
この日は用事を終えてまたサークル棟へ戻ると、女性陣が全員集っており。
何故か、お買い物の荷物持ちを若干名がおおせ使い、そのお役を賜った数人が鼻の下を伸ばしていた。
「水着?」
「海で泳ぐんでしょ?」
「一応その予定だけど、泳ぐか焼くかは自由だからね」
「それじゃどう転んでも水着が必要よね」
「海なんか何年も行ってないから買わないと水着なんて無いわよ」
「じゃあみんなで買いに行かない?」
「そうね」
「皆で行けば色とかデザインとか、かぶらないで済むし」
「そうね、そうしましょう」
そして女子がこちらを向くので、自分を指差すと。
「コウちゃん付き添いお願い」
「え 何で俺?」
「一番慣れてそうなコウちゃんに似合うかどうか見てもらいたいの」
「いやいやそれは恥ずかしいというか・・・」
「じゃあもう2人!」
「まっち~~どうする?」
「おれ?まじ行っちゃう?」
「もう一人」
「じゃあ俺も行くよ」
妹の護衛をする山根も手を上げた。
「妹さんも水着買ってあげないとじゃない?」
「うんついでだから連れてくるよ、そうしないと単独で連れまわされそうだから」
その日のうちに翠とも連絡を取り、美女8人男3人と言う夏旅行の前哨戦が週末の土曜日、決行することとなった。
だが当日思いも寄らないというか、少し予想していたというか、さらに2名の参加を余儀なくされた。
土曜日
ここは新宿のロミネ、ショッピングアーケード。
待ち合わせ場所にはすでにマーサ、翠、そしてサークルの女子達。
さらにコウの母と如月教授まで参加していた。
「家の息子がお世話になっております」
「いえいえ優秀なお子様のおかげでうちの学部も来期は志願者が増えそうなのでありがたい限りですの」
外見は30代前半にしか見えない2人、しかも今日の教授の服装はまるで夏のお嬢さんといういでたち。
露出抑え目、カラーは薄いベージュと水色、さらには大きな鍔の帽子をかぶったお嬢様然としたいでたち。
最初誰?と言う感じで判らなかったが、どうやらアプリで今日この日、水着を買いに来る情報を手に入れサークルの女子学生から聞き出し参加してきたらしい。
「どう?コウ君に言われて、着てきたわよ」
「お嬢様、素敵です」
何故か教授を見て町田が擦り寄っていく、まあ見た目が180度変わった教授はどこかのお嬢様にしか見えない。
「あのひとだれ?」
「如月教授だよ」
「え~~~~~~うそ~~」
「どうして教授が来てるの?」
「アプリじゃないかな」
「マッチ~に任せよう」
「それじゃあ行きましょうか?」
ショッピングアーケードを美女軍団が通ると、さすがの迫力が。
特にマーサと翠は当然といえるが、なぜか如月教授のいでたちは彼女らと比べても引けを取らなかった。
「ねえコウちゃん、本当は2人で来たかったんだけど・・」
「私もよ」
「ごめん、そうしたかったのだけど・・」
(どうやら如月教授に監視されているらしいから)
小声で2人に理由を話すと、それでも納得いかない様子。
「せっかくデートの時水着選んでもらおうと思ったのに」
「そうするともし水着の色や柄がダブったときに気にしちゃうかなと思ったんだよ」
「もしかして今日集まった女子は全員旅行参加なの?」
「その通り、もちろん男性も同じぐらいの人数参加するんだけどね」
一方山根兄弟は。
「お兄ちゃんこの人たち全員サークルの仲間なの?」
「そうだよ」
「誰がお兄ちゃんの彼女?」
「え~まだ彼女はいないよ」
「ふ~ん、頑張らないとね~」
「お前に言われたかないよ」
「でも好きな人はいるんでしょ。どの人?」
「あかりには話せないな」
「え~、いいわよ見つけてやるんだから」
「ちょと お前やめてくれよな、変なこと言うと連れて行かないぞ」
「けち」
少し歩いていくとサマーフェスティバルという横断幕と夏の飾りつけがまぶしいゾーンへと一行は進んでいく。
「わーすごいわね、ここから全部水着や夏用の服ばかりだわ」
「どうするの?」
「とりあえず僕らはここにいるからそれぞれに気に入った水着があったら呼んでくれれば付き会うよ」
「町田先輩は?」
「そうすると全員、いや俺だけ呼ばれずボッチになりそうなんだが」
「じゃあお姉様方の付き添いを頼んだ方がいいかな?」
「マジ!俺任された!」
「町田君行くわよ~」
なぜか町田は如月教授の下僕のように付き従って行ってしまった。
「それにしても如月教授何かあった?」
「あ~もしかしたら俺のせいかも・・」
「何?コウちゃん如月ちゃん目覚めさせちゃったの?」
「あの教授が見事に変身しちゃったみたいね」
「うん、あれが大人の雰囲気か・・」




