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如月教授

如月教授


そんな日が何日か過ぎて夏旅行2週間前、すでに宿泊するホテルは決まり集合時間も帰る時間まで決まって、参加者全員に旅行計画をメールした。


【三簾香君三簾香君、如月教授がお呼びです、至急如月教授のラボへおいでください】


コウはこの1か月ほぼサークル棟の部室が主な活動拠点、すでに10種の特許を申請済み。

論文も6つ書き上げ、順次見直し精査しながら出している。

近く大学の上層部から関連する論文の発表を行うように打診が来ている、コウの論文だけでなく二子川教授の物も含めて、まるで学会の発表と同じ扱いを受けており。

大学の講堂を使いお披露目をしてほしいとのこと。


「学内放送ひさびさだな~」

「なんでしょうかね」


サークルの部室には現在4人が詰めている。


三簾 香   20歳  理工学部AI情報科卒業予定 来期大学院生

木下 勇次  20歳  理工学部AI工業科2年  

吉平 徹   20歳  理工学部AI工業科2年 

町田 海人  24歳  理工学部AI工業科4年


「そりゃ、あれだよあれ」

「あれって?」

「コウ旅行のメール教授にした?」

「あ・まだかも」

「あの教授のことだから場所も時間も全部知っていて、そのうえで催促の話じゃね」

「なんで知らせてくれないのよ~って?」

「ああありそうだね」

「いてらっしゃ~い」

「どうせなら、部費を多めにもらう交渉もしてくれば」


「分かった来期は勇次に部長頼むよう進言してくるよ」

「いやっそれっ ちょ マジ無理、コウ様勘弁してくださいよ~」


昨年勇次のせいでBIS解散という話が表ざたになり、少し部員が険悪な状態になったことがある。

そのせいで新入部員も1名のみになり、解散するからという話だけが先走り。

部員全員がコウに直談判、コウはそれほど重要視していなかったのと特にサークルを無くそうとも思っていないことが発覚。

勇次の早とちりが事件の発端だったという落ち。


「でも来期コウは院生になるし、誰か後釜いねーとまずいんじゃね?」

「そうなるとなおさら勇次に覚悟してもらわないと」

「俺はそんな責任、無理だって~~」

「まあ、それは冗談だとして、3人は抜けるからその後釜は決めないとだろ」

「夏旅行で決めたら良いんじゃね?」


「それも一つの手だね」


「あ いけね、教授のとこに行かないと、じゃあ又な」

「おう!」

「またね~」


コウはサークル棟を出ると如月教授のいるラボへと歩き出した。


「失礼します」

「おそい!」

「はい、すいません」

「放送してから10分、歩いて5分の距離だというのにどうしてそんなに時間がかかるの?」

「はい、論文作成の途中でしたので」

「言い訳はよろしい、言い訳が聞きたくて呼んだわけじゃないのは解っているでしょ!」

「いえ、ご用件は?」


「白々しい・・・・・夏の旅行の話よ、もう2週間しかないんでしょ」

「はあ」

「日程が決まったら知らせるようにと言ったはずよ」

「そう言えば、そうでしたっけ」

「私を仲間はずれにするつもり?」

「滅相も無い、まさか教授が我々の旅行に同行するなんて思いもしなかったので・・」

「確かに昨年は教授連中と海外へ行ったわ、だけど外見だけ若い年寄りと旅行をしても退屈なだけよ、話し出せば論文や社会情勢そして時期教授の椅子を誰が手にするかと言う下世話な話ばかり。もっとピュアで生の若い進歩性の有る話が聞きたいのよ」


「勿論それなりに見返りは用意してあるわ」

「え!」

「外見はこんなだけど年増の教授を相手してくれる若者に無理強いするのだから、無料でとは言わないわ、最低部費の増量もしくは次期教授への推薦」

「教授への推薦?」


「コウ君、君はすでに解っているはずよ、今度の二子川教授との共同発表、彼はその発表を期にあなたを教授へ推薦する気なのよ」

「そんなの初耳です」

「勿論私もそのつもり」

「他の教授が反対するでしょ」

「あなた、事の重要性を認識していないのね、あれだけの論文それに特許さらに各分野への共同論文、すでに20以上論文を出していてどれも画期的な研究なのよ、何処にそんな人間を平の研究生として置いておく大学があるというの?」


「すぐにではなくても数年後は東大の教授として最年少で迎えられるのは決定事項だわ」

「僕はもう少し学生でいたいのですが・・」

「だからすぐではないと言ったでしょう、私と二子ちゃんそれに後3名の教授はあなたを次期教授に推薦すると思うわ」

「そうなんですか・・」

「まあその話は置いておいて、私を連れて行ってねお願い」


そういいながらコウの手を取り自分の胸へ持っていく。

柔らかなふくらみにコウの手は少し埋もれるが、如月教授の手をやんわりと両手で取りゆっくりと戻していく。


「解りましたよ、まったく」

「・・・ご ごめんなさい、こんなおばちゃんじゃだめよね」

「教授!」

「はい!」

「言っておきますが教授はまだまだいけると僕は思います、ですが僕にはすでに2人彼女がいます、2人共にかなり手間隙のかかる女性達なのでそこにさらに大変な女性を加えようなどと言う無謀な考えを持つ事は到底出来ません」


「やっぱりだめなのね」

「教授!諦めるのは他にも色々試してみてからでも遅くは無いのでは?勿論僕はすでに無理だと申し上げますが、他にも異性は沢山いるのですから、それと一つ進言ですが衣装をもう少しおとなしいものになさったら、教授はかなりもてると思いますよ」

「え?」

「確かにそのゴージャスな外見は見ているだけなら男心をくすぐりますが、手を出す気を起こすまでにはなかなか勇気がいると思います。もっと優しく肌の露出を少し控えめになされば教授の下へ集る男子生徒はかなり増えると思いますよ」


66歳、独身未婚、外見はボディコン、胸は半分近く露出しておりウエストは細めで。

まるでホステスのような外見だが、洋服を変えれば優しいお姉さんの外見にするのは難しいことではない。

顔も厚化粧を控えめにすれば元々美形なので今より良くなるはず、そこは誰もが思っていることだ。

昔聞いたことだが、男性経験の少ない人は無邪気か強気の2択が多いと聞いたことがある。

教授はどう見ても後者の強気、このタイプの女性は足りない経験地を自分が強気に出ることで優位性を図る傾向にある。


要するに経験の無さを感づかれないようにマウントを取るのだ、そのための衣装であり振る舞い。

たぶん、もし今抱きしめてキスでもしようものなら、確実に落とせるしメロメロにできるだろう。

コウとしては教授をモノにしようなどと恐れ多いことなので、やんわりとご遠慮しておきたいが。

もし自分が万年彼女がいない童貞だったなら、目の前の女性を放って置く等それこそ生涯の恥じといえるだろう。


この時代66歳などと言う年齢は20代の真ん中といっても通るぐらい年齢の差がわからなくなっているのだから。

勿論、200歳での妊娠出産も当たり前のようにありえる、最高出産年齢358歳、それが西暦2800年。


「とりあえず旅行の日程はメールしておきますので、ちゃんと目を通して置いてください」

「解ったわ、有難う当日までに服装も少し考えておくわ、この歳になってなんか説教された気分。でも病み付きになりそう・・・うふふふ」


コウは言いたい事を言ってしまったが、それでよかったのか後悔した。

まあせっかくその気になった、心だけうぶな女性に、幸せになって欲しいと思うのは本音なので、今更撤回することなど無いのだが。

この後の如月教授の変化をコウは少し後悔することとなる。


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