気功術師の曾孫
気功術師の曾孫
俺の名前は三簾香、名前はかおると書くが読みはコウで一応男だ、この時代の男の中ではイケメンに入るかもしれないそして高校3年18歳、来年受験で大学へ進む予定だった・・・
だったというのは大学に行く予定がなくなったわけでは無い、その逆だ俺が行く大学は3流の大学だったはずなのだが・・・今通っている大学はなんとあの有名な東京大学だ、しかもその理工学部でありとてもじゃないが俺の頭では入学が無理なはずだった。
しかも現在の学年は大学2年、そう俺には受験から大学2年までの記憶が全く無い。
記憶が全く無いのだがなぜか受験勉強した内容は覚えている、それは何故か・・・
話すと長くなるが聞いてもらうしか解ってもらう方法がないので、少しばかり俺の話に付き合ってもらおう。
ある日、目覚めた俺は自室のベッドから起き上がると少し違和感を覚えていた、部屋の中の様子が微妙に違っていたからだ。
部屋の大きさや机などの固定位置には変化がないが、本棚には見慣れないものがいくつかあった。
俺はかけ布団を剥ぎ取り起き上がると本棚の前へ行きそこにある見慣れないものを見ることにした。
そこには盾とトロフィーそして数々のメダル、あり得ない・・俺にはそんな才能は無かったはず。
トロフィーにはAI開発協会、全日本コンピューター技術開発局主催人工AI記憶競技優勝と書かれていた。そして他にも医療AI技術協会からのメダルがいくつかと、そして賞状が2つ。
一つは日本医療技術開発局からBIWと言う脳内のデータを気功を使った脳内データ双方向記憶術に関する論文による感謝状だった。
もちろん数々の華々しいメダルやトロフィーに俺はこれっぽっちも覚えはない。
だがその内容をうっすら覚えているのが不思議だった。
「なんだ?これ?」
とりあえず今日は日曜で休みの日らしく、この状況を調べることにした。
(机の上にあるタブレットに今日の日付けが表示されていた日曜日だと、このタブレットにも覚えがないのだが・・)
タブレットの表面をタッチしてメインスイッチをONにする、まずは初期画面を表示させるとポーンと言う音と同時にメールの着信を知らせてきた。
メールボックスをタップし内容を確認すると10通のメールが着信していた、その内4通がお金持ちになるという嘘メールでこれは即削除、後のメールのうち4通は日本脳科学協会からと気功術協会と東京大学理工学部教授である如月卯月教授からそして所属するサークルBIS(通称ビス:ブレーンイメージサークル・・まんまじゃん)から。
そして最後の2通は自分からメールをしたことになっているが、俺にはそんな覚えは無い。
当然のことだがこの各種協会や教授であるが、俺が本来知っているのは気功術協会だけである。
気功術協会、それは俺の曽ばあちゃんが昔理事をしていた、俺の父も現在EUで気功術協会の上級講師をしているので定期的に所属協会支部からメールが送られてくる。そういう俺も近所にある気功術協会の所属会員になっている。
俺自身は気功術の教えは受けているし気功術の部分はしっかり記憶している。
現在俺の気功術師としての等級は6級だったはずだが、自分で気功を練ってみるとどう考えても6級とは思えないぐらい大きくなっていると感じる、後で協会支部に行って調べてもらおう。
気になるのは最後のメール2通、まずは1通目
【拝啓 三簾香様
このメールを読むころには自分の今の状況に驚いているころだろう
このメールは君の知らない2年間に何があったかを書き記すとともに、これから先をどう生きるかの指針として活用できればと言う思いから書き残す事にした。
ちなみに君は現在東京大学理工学部AI情報科2年、すでに飛び級で卒業が決定しているが君の意思でさらに2年勉強することも、先に進み大学院で研究を続けることも可能だ。
他にも日本脳科学協会やら日本AI化学技術研究所からだとかいろんな協会からオファーが来ているはずだが、どれを選んでも君の自由だ。】
【どうしてこうなったかを知りたいだろう?だよな・・
はっきり言うと俺のせいだ、じゃあ俺の名前を知らせておく俺の名前は多賀秀樹、今の名前は三簾秀樹だったかな。そう君の祖父かもしくは曽祖父ぐらいになるのかもしれない、そして気功術協会の初代理事になっているかもしれない。
問題はこうなった理由だが、少し長くなるが大事なことなのでしっかり読んでおいてくれ。
おれは60歳になってからある能力に目覚めた、信じるか信じないかは香に任せる。
その能力と言うのは夢憑依と言う能力だ、そしてその能力には一定の条件があるそれは未来の自分の子孫にしか憑依できないと言うこと、その能力を未来系遺伝子型夢憑依と名付けることにした。(長いので夢憑依と呼んでくれ)】
【夢で未来の子孫に憑依してその時代を神(精霊)の都合が良いように時代を変えることがこの能力が俺に与えられた理由らしい。
らしいというのは別に神から直接そう教えられたわけではなく、現実に戻る時にはある一定の事件を解決しないと夢が覚めないことから、そう俺が感じているからだ。ちなみに神に会ったことは無いし言葉も聞いたことは無い、だが夢が覚めるたびに神がいると信じ込まされているような気もする、一種の刷り込みみたいなものかもしれないな。
まあそれは置いといて俺が手に入れた能力でコウに2年間憑依して俺(神)の目的を果たしたということだ。】
【もう分かってきていると思うがうっすらと2年間何をしてきたか思い出せて来ているはず、目が覚めた時はすぐに記憶と同調できないと思うが時間が経つと自分に無かった記憶まで思い出すことができるはずだ。
それで、2年が経った現在この家は変わっていないし母親も生きている。ついでに曾ばあちゃんもな、曾ばあちゃんってあんな怖かったのか?・・まあそれは話さなくていいか・・未来の俺の妻のはずなんだが、そこは本人に言っていないから会っても余計なことは言わないでほしい。
そしてじゃじゃ~んいい知らせだ、コウに彼女を作っておいたぞそれも2人だ。
一人は昔からの幼馴染だった翠ちゃん(早坂翠)そしてもう一人はなんと金髪碧眼のマーサちゃん(マーサ・オースティン)】
【日本美人のミドリちゃんとUSA美女のマーサちゃん、70歳の爺さんから見るとうらやましい限りだ。
彼女らをどうするかはコウ次第だが2人ともすでに知り合いで何やら共闘しているという話だ。ああそうそうほかにも何人か寄ってくる女子はいるので要注意だぞ。
ちなみにスリーサイズも知りたいか?知りたいだろう・・・でも教えない、後でわかることだからな。
驚くこと請け合いだ、と言うより驚きすぎて腰抜かすかもな。
ああそれから細かい事だが2年で身長が5センチ伸びて今の身長は182センチになっている、着るものも前の大きさだと短かったり小さかったりしているから買い足しておいた。
それからここからが肝心だ喜べ!・・コウの銀行通帳に今2億ほど入金してある、驚いたか?わっはっは~】
【この金はBIWと言う脳内記憶装置の開発で得たパテント料と各種販権の印税だが、無駄使いするなよ。そういうことだから毎年確定申告が必要だ気を付けろ、しくじるとがっぽり税金持っていかれるからな。今年の分はすでに申告済みだから安心しておけ。
じゃあモテモテのコウくんどこかで俺が生きていたらよろしくと言っておいてくれ。アディオス!】
なんだこれ!すげーおちょくられた気分だが、翠ちゃんって俺の初恋じゃん!
てまだあるのか、何々・・
【追伸 言っておくがまだ彼女らとHはしてないが注意してくれ二人とも気功術は上級でそれぞれに武道の心得があるし身体能力は・・・・スゴいとだけ言っておく。2年前には2人ともにコウの彼女圏内にはいなかったはずだから、舞い上がって粗相でもしようものなら鉄拳が舞い降りるかもしれないからな。
一応その攻撃をかいくぐりファーストアタックは成功している、ゴチになりました。もうジューシーでしたやわらかくて最高です。(ハアハア)
ちなみにその先は荊の道なので現在ストップしている、開拓は任せたぞ元気な子孫をはぐくんでくれ、今もどこかにいるじぃじより。】