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BIS(ブレーンイメージサークル)

BISブレーンイメージサークル


研究棟を離れサークルのある学生棟へとやってきた、ここの3階に割り当てられた部屋があり。

そこをBISブレーンイメージサークルで使用している。

部屋に入るとすでに数名がモニターの前でお互いの研究内容を話しあっている。


横山 恵美  22歳  理工学部AI情報科4年

琴平 聖音  21歳  理工学部AI情報科3年 

町田 海人  24歳  理工学部AI工業科4年


「だからこの数値は違うって、この部分数式が逆なんだよ」

「うそ~どこよ!」


横山さんと町田が論文に載せるグラフの数式について議論している。

俺もわきからそのモニターを覗いてみる。


「いやここの部分が一つ足りないから逆に見えるんだよ」


と言いながらキーボードをちょこっと叩く。


「あ!  マジそこか?」

「コウちゃんありがと」

「どういたしまして」


今の一瞬で俺がどうしてわかったのかも実はわからないのは自分自身。

琴ちゃん(琴平聖音)は別なモニターを見ながら自分の論文を仕上げている、実はこのサークル少人数ながら有名で。

この時点で一人2つ以上の特許を取得している、俺自身は16個の特許を取得済。

そして彼ら3人だけでも年間5千万円のパテント料を受け取っている。

この時代では珍しくもないのだが、一人1千万を超えるパテント料を頂く学生、そんな学生が13人も所属しているサークルとはいったい何?


はっきり言えば研究を特許に特化したサークルだと思えばよいが、それだけでは即収入に結びつかない。

そこにコウと気功術協会そしてTFCという企業が結びついて初めて全員が特許持ちとなり利益を得ることが可能になっている。

もちろんそれぞれに得意な分野があるので、お互いに論文の手助けをするわけだ。

特許の申請書にもお互いがかかわる、ただし申請者は1名になるので持ちつ持たれつで今までやってきた。

この方式の発案がコウ(曾爺さん)というわけだ。


「あれコウちゃん来てたの?」

「ああ邪魔しちゃった?」

「全然 今最後の見直しだから」

「とうとうできたんだ」

「うん脳内情報の細分化AIコア立体記憶方式」

「やったね!」

「ありがと、これでまた特許とれるよ」


内容は脳内細胞をストレージ化した後の記憶方式、これまではある程度まとめてから記憶していたが、そこを1kナノ単位で立体的に記憶させる方式。

ふつうそれだと横のつながりがなくなり接触している隣の記憶を読み込まなければ認識しなかったがコア一つをそのまま一つの記憶と認識する方式を開発、わざわざ隣接するコアの助けを借りずとも単独で書き込み書き出しをできるようにした。

これにより今までの記憶チップがダブルで必要な装置がシングルチップで完結できる。

要するにBIWを小型化するための論文であり特許申請書となる。


「おはよ~コウ」


そこにマーサと明実・ジョンソンがやってきた、明実とはマーサのBG(護衛)で一緒に留学してきた女の子、彼女も医学部に所属する。

明実は一応獣人(猫系10%)だが見た目は日本美人にしか見えない、彼女もメイドアサシン。


「・・・やぁ」(明実は昼間シャイな子)


「どう?はかどってる?」(マーサ)

「いらっしゃ~いマーサちゃ~ん!」


町田の鼻の下が伸びる。

このサークルで唯一の汚点とでも言おうか町田は2年留年している、その理由は遊びすぎ。

俺がこのサークルを作る前は遊びまくっていたらしい、歳も一番上の24歳なのだが。

コウのサークルのおかげでやっと4年に上がれたのだ、その理由がマーサや明実という美女達が所属しているサークル。

美女とみれば片っ端から声をかけナンパしていた学生がマーサに惚れてそのままサークルに入り美女の気を引くため猛勉強。

約1年をかけ2学年分の論文を完成させ今に至る、彼も今期で卒業予定。

すでにマーサがコウの許嫁だというのも知っているはずなのだが、彼の頭の中では許嫁は恋愛以前という考え方、要するに自分の恋の妨げにはならないという話。

町田も一度マーサのパパさんに会ってもらいたいものだ。


「コウはこれから何をするの?」

「俺はこれから次の研究のネタ探しだ」

「コウちゃんまだ稼ぐつもり?」

「いやいや稼ぐって言っても今までの延長線上にまだ必要な発明があるんだよね」

「さすがサークル主、お手本を見せ続けなきゃね」


個々の特許は別にここのPCを使う必要はないのだが、ここのPCにはあるAIが組み込まれている。

論文を特許申請書に自動的に変換してくれるAI、実はこのAIもコウの特許だったりする。

今書いている論文もしくは書いている途中の論文をAIが自動で特許に変換してくれるのだ、そしてもう一つの使い方ができる、それはAI自動論文作成!

そう作成途中でなかなか進まない論文を、定義や内容の書き込みをAIが自動検出して論文を補填しながら書き加えてくれる。

このソフトがあったおかげで、皆ほかの誰よりも早く論文を書き終えることができた。

町田もその恩恵を十分に受けている、なんせ3留するはずが1年で回避できたのだから。


しかも町田でさえ特許のおかげで年収600万、彼も3つ特許を取得しウハウハな状態。

だが美女のお尻を追っかけるのは現在お休み、ここにいれば追いかける必要がないのだという。

考え方は不埒なようだがまあマーサは特にいやがっていないし、ほかの女子も町田のことをただのスケベおやじぐらいにしか考えていないらしい。


サーバーは2つありモニターは3つそれぞれがすべてリンクしているため3つ目のモニターを使いメモリーチップをPCにセットする。

立ち上げてすぐにメモリーを読み込みAI自動特許を起動メモリー内の論文を特許に変換。

論文は150ページにもなるので少々時間がかかる。

ここで作成した特許請願書をそのままデータで特許庁へ送ると、すぐに登録の可否が送られてくる。

微妙な案件以外は直ぐわかるし、その後の申請料や登録料も自動で振込みされる設定にしてある。

約10分で変換は完了、一応全文を見直してみる。


「大丈夫そうだね、送信っと」

「コウちゃんもう送信しちゃったの?」

「うん 見直しはもう済んでるからね」

「はや~い」


実は曾爺さんの残したファイルはこれだけじゃなくて後10個はある、当然のことながら全部出すつもりだがそれをイッペンに出すわけではなく一応精査しながら月1もしくは月2ぐらいのペースで出す予定だ。

ほとんどがBIWビーアイに関する論文と特許だが中にはコールドスリープという宇宙航行用の機械に関する論文も含まれる。

曾爺さんの記憶の残滓には、2千年後地球は消滅するという記憶があり、それを回避するには瞬間移動という魔法を機械化する技術が必須だという、今の化学では難しい理論の論文があったりする。

魔法自体は科学によって解析されつつあるので、遅かれ早かれこの論文は発表することになるが、特許化については少し先の話となるだろう。

入れ物がないのに中身を先に進めてもなかなか理解されないという理由だ。


それに曾爺さんから託されたもの以外にも、自分のオリジナルの理論も出したいと思う、それは光化学擬態・光学迷彩に関する理論、この部分は曾爺さんの記憶に有ってもまだ論文化されていなかった。

瞬間移動やコールドスリープよりも光学迷彩の方が現実的には機械化するのが簡単なような気がするからだ。

360度方向の映像を180度反対側に表示させる投影装置または投影魔法、その確立ができれば、透明人間の出来上がりとなる。

人間のような凸凹した形にどうやって景色を投影するかが少し難しいが、うまくいけば200年いや500年先には確実に可能となるだろう。

当然悪用は禁止の品物となるのだが、現在この装置は使わなくてもコウが後5級ほどランクを上げれば魔法によるハイディングや光学迷彩は可能になる。


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