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地獄耳

地獄耳


『もしもしコウちゃん』

『どうしたの?』

『私も次はブティックで服を選ぶの付き合って欲しいの』


どうやらこっそり後を付けられていたようだ、翠といいマーサといいどちらもよく似ているといっていい。

特に性格は間違いなく同じ方向性を向いていることは確かだ。


『わかった今度のデートはそうしよう』

『ありがとう、日程が決まったらまた連絡するわ』


電話を切り家に入ると母親がすでに帰宅していた。


「どうだったの?デート」

「何とかうまくいったよ」

「あまり女の子泣かすんじゃないわよ~」

「母さんは泣かされたの?」

「そんなことはないけど~・・・」

「僕は母さんたちほど強くはないけど、人が悲しむようなことは絶対しないよ」

「うっ・・いい子だね~こんなに良い子に育つなんて」

「母さん」


香に抱き着き背中に手をまわす。

かなり感動しやすい性格だが、間違ったことは嫌いでさらに姉御肌ときている。

父とは気功術協会の海外派遣で出会い、恋に落ちたらしい。

父は現在EURの気功術協会へ、講師として派遣されている。

母親も背は高い方だが、今のコウは182センチ爺さんの余計な手心で5センチも背が伸びたが、そのせいで母の豊満な体が変な刺激を与える、脳内では先ほど別れたマーサの体がリフレインされるので、早く部屋へ戻りたいが。

母はなかなか離れてくれそうもない。


「母さんそろそろ離れてほしいんだけど」

「あらごめんなさいお父さんを思い出しちゃったわ」


コウの父も身長180を超える優男だ、性格も今のコウと同じ感じで完ぺきに遺伝子をもらっていると言って良い。


「ねえ朝は食べなかったの?」

「うん起きたら10時過ぎててあわててデートに行ったから」

「ふ~ん、珍しい」

「でもちゃんと埋め合わせできたから」

「じゃあどうする一応作ったけど」

「もったいないから朝の食事と一緒に食べようと思う」

「わかった、じゃあ温めておくね、その間に風呂浴びちゃいな」

「さんきゅ」


自分の部屋に戻り替えの下着を持って風呂場へ、家はやや古めだが中身は最近取り替えたので、最新式の風呂が付いている。

泡風呂に打たせ湯にサウナまで付く。

この風呂もコウが稼いだお金から出ている。

家は三簾家からの相続、なんでも曾祖母ちゃんの父の物だったそうで、その家を建て直し何回か改築してある。

曾祖母ちゃんは気功術協会の理事をしていたが現在は引退し新潟で隠居生活を送っている。

曾じいちゃんの話だと最近田舎から出てきて祖母ちゃんの仕事ぶりや俺の近況を教えてもらいに来たそうだ。


うっすらと記憶の中に曾祖母ちゃんと話したことも覚えてはいるが、その時対応したのは憑依した曾じいちゃんなので何を話したのかは少ししかわからない。

風呂場で服を脱ぎタッチパネルを押すと、気功術式の温水システムは音もなくスイッチが入る。

軽くお湯で体を洗い、ボディソープをスポンジにつけ泡立てる。

シャワーで今日一日の疲れと共に、泡を流す。


それにしても初日だけでかなり内容の濃い一日だった。

確かにデートの予定がダブルで入っていたのは想定外だったし。

湯船につかりふっと弛緩する、そういえば2人共に体育会系だったな、やはりそうしないとあのプロポーションは維持できないだろう。

先ほどのことなのに、まるで夢のように感じる。

翠の柔らかな唇、マーサの弾力あるふくらみは、18年間感じたことがない俺にとっては少し刺激が強すぎた。

風呂のポジションをバブルジェットに変更する。

勢い良く出だした泡が体のツボを刺激する。


「ふ~」


「コウちゃんご飯できたよ~」

「は~い」


あと5分、今日はサウナに入るのはやめておこう、そうしないと母は文句を言ってくるだろう。

まあ冷めた飯よりは暖かい方が良いので数分したら出ることにした。


「ふい~~やっぱジェットバスはいいね~」

「ほんとあなたのおかげよ、こんな息子を持って母さん鼻が高いわ~」

「そんなことたいして思ってないくせに」

「ばれた?」


「いただきま~す」


「でも感謝してる、今幸せだもの」

「そう言ってくれるなら稼いだ甲斐があったというものかな」

「でもどうするのこれから」

「基本的にはもう少し学生を続けるよ、まだやりたいことが少しあるから」

「そう コウの好きにすればいいわ、まさか収入が逆転するとは思わなかったもの」

「それは僕もだよ」


「学費は自分で払うし、家賃も入れるから母さんも好きにしてていいからね」

「そういわれてもね~、仕事好きだし今はパートだからそんなにきつくないし」

「そうだ今度旅行でも行こうか?」

「そうね どうせなら彼女達も誘ってみんなで行かない?」

「いいの?」

「だって未来のお嫁さんなんでしょ」

「そうだけど・・・」


2人の彼女はすでに母には紹介済みで、2人共に気持ちよく挨拶しているらしい。

記憶の奥底にそのシーンがおぼろげに思い出される。

特にマーサは向こうの親が一度我が家に来ており、その際にひと悶着あったことが記憶には残されている。

彼女の父はコロラド州の知事であり、T&トライソン・オースティン製薬会社の会長もしている。

さらに元W〇Cボクシングスーパーヘビー級チャンピオンで3度防衛している巨漢だ。


(思い出した、その時マーサの親父さんと戦ったのだった。)


気功術協会吉城寺支部のリングに上がり、憑依した爺さんは魔法でバフ掛けした状態で戦った。

もちろん相手も気功術13級、さらに体格は身長203センチ106k。

全身筋肉という見た目で年齢は110歳、彼には子供が10人いるがマーサは現在末娘ということで。

蝶よ花よと育てられ、わがままに育てられたというが、これは父親の贔屓目だろう。

どう考えても優しくていい子にしか映らない、これは遺伝なのかもしれないが外見は全くその通りで筋肉マッチョの親父さんを見た時、曾爺さんは一時死を覚悟したという。


相手が一般人だとは言っても、マーサの親父さんは聞き入れず。


「まずは俺を倒してみろ」とばかりにリングの上で挑発したそう。

そこで調子に乗った曾爺さんは右ストレート一閃、さすがに気功防御でガードはしていたが気功術等級は2倍以上。

その1発で元チャンピオンはリング脇まで吹き飛んだ。

それからはお互いに遠慮せずやりあったという話。

おかげで内臓をちょっとやられて・・・・


(ああそれで再生魔法丙なのか)


ちなみにスーパーヘビー級1発くらうと気功術で防御していなければ、内臓破裂で命が助からないことは確実だ。

たぶん1発どころか調子に乗って手加減しながら何発も受けたのだろう、人の体で何かあったらどうすんの?

まあ今こうして生きているのだから、結果オーライなのかもしれないが。

確かそのあと連れて行かれそうになったんだった、そりゃ自分を負かすような若者向こうに行って練習すればスーパースターの出来上がりだ。

まあそこはマーサが泣きながら拒否して事なきを得たが、その代わり婚約の確約を迫られしぶしぶOKしたという。


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