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カラオケ

カラオケ


ラウンドテン吉城寺店には別棟があり隣の建物がそのままカラオケ専門棟になっている。

このまま3階まで降り隣の連絡通路を通りカラオケ専門フロアへ。

ボウリングと同じように会員データを読み込み予約すると、こちらも今日はまだ空いてる部屋があるので選択するとすぐに店員が案内してくれた。

カラオケ棟は1階から3階が歌上手フロアで、ようするにステージのある歌の対戦ゲームだ。

対戦方式も色々あるので各階で様式が違う。

4階から7階が通常のカラオケルームになって入る。


「いらっしゃいませー、20号室ですね、エレベータで6階の直ぐ脇の部屋になります」


言われたとおり進むと、その部屋はミラーボールのあるミニステージルームだった。


「アハ とってもキレイね」

「そうだね、この店はフリードリンクだからのどが渇いたら出て右の通路をトイレ方面に進むとドリンクバーがあるから、好きなときに取りに行くと良いよ」

「解ったわ」


彼女との取り決めで英語は極力話さないように言われている、勿論和製英語に関してはその限りではない。

彼女いわく生の使える日本語を勉強したいとのこと。

でも彼女の言葉を聞いていると、完璧な日本語に聞こえるのは不思議だ。

たぶん日本人の殆どが彼女に声をかけるとき英語で話しかけることだろう。

いくら東暦500年西暦2800年になっても、この国が英語圏になったわけじゃない。

逆に日本語の方がいまは各国で広く勉強されていると言う。


気功術師が全世界に及ぼした影響がこれだ。

部屋に入りタブレットを使い知っている曲をオーダーする。


「マーサは歌える曲ある?」

「ディ○ニーの曲は全部歌えるわよ」

「じゃあ○ユキお願いしようかな?」

「オーケー」


俺が歌えるのはポップスだけなので最近は英語の歌も少し歌うことはあるが、歌唱力は普通といっていい。

曲が始まるとマイクを持った金髪美女が息を吸い込みゆっくりと歌いだす。

圧巻だった、ここまで歌が上手いとは思っていなかった、抑揚どころか音程まできっちり。

そしてフィニッシュすると、得点は99点。

おれの耳でもプロと同じ声にしか聞こえなかった。


「マーサは歌がすごい上手いんだね」

「うふふ すごいでしょ」

「歌手にはならないの?」

「歌うのは良いけど作曲と作詞は私には向かないのよ」


それはよくわかる、彼女は行動的でしかも縛られるのはだいっ嫌いだ。

シンガーソングライターは歌に魂を注ぎ込めなければ難しい、いくらうたがうまくても作詞作曲は別物だ、世の中の歌手にも2タイプいるし、そして歌手のみの場合かなり自由を拘束される。

俺の事は縛っているとは思わないのかな?

ああそれで翠からは奪わないで共闘するってことになるのか・・


「次はコウが歌って」

「ああ」


俺が入れたのは普通のポップスだ少し昔のバラード。

この曲もリバイバルソングらしい、俺の声に良く似た歌手が歌っていたので覚えることにした。

何曲か交代で歌うとドリンクを取りに外へ出た。


「コウも歌が上手なのね」

「マーサほどじゃないよ」

「歌は声だけじゃなくてフィーリングよ」

「そうか そうかもね」


(マーサに言われても気休めにしかならない、まあ英語の歌なので言うほど落ち込まないが)


ドリンクバーでウーロン茶を選びカップに注ぐとまた部屋へと戻ってきた。


「それじゃ私も今日の約束を進めることにするわ」


コップをテーブルの上に置くと2人で椅子に座り公園で翠ちゃんとしていたことと全く同じようにマーサが体を預けてくる。


「抱きしめて」


そう言うとマーサは目を瞑り首に腕を回す俺は腕を彼女の腰に回すと、ゆっくり唇を重ね合わせた。


(くちゅ)


しばらくすると彼女の柔らかい唇から舌先が俺の舌先へと進み、絡みつくように動き出す。

そして彼女の鼻から漏れる息使い、少し目を開くと頬はうっすらピンク色に染まり、さらに片手がもう片方のおれの手を取ると自分の胸へと押付ける。

初めてで最高の感触、やわらかいだけじゃなく大きくてしかも弾力がすごい。

さらに彼女の手が俺の手の上から握るように促してくる、俺はこれ以上されると収まりが付かなくなりそうな下半身を出来るだけ収めようと努力した。


「マーサ これ以上はまだ、もう少し待って」


唇を離し手をはずすと両腕を背中に回しぎゅっと抱きしめる、彼女の胸が俺の胸に挟まれ形を変えるが。

その感触を堪能するよりもマーサの危ない進み方を静止することで頭がいっぱいだった。


「コウ愛してるわ」

「僕もそれは同じだけど、これ以上はまだ出来ないよ」

「解ってるわ、でも会うたびにどんどんあなたの全てが欲しくなるの」

「それは僕も同じだ、だけど・・・」

「コウ私はあなたを独り占めしたいとは思わないわ、グリーいえ翠もとってもチャーミングですもの、だから彼女のことも私は好き。でも見ているとどうしても我慢できなくなるの」


この時代は一夫多妻制が認められている、かなりの制約はあるが昔と比べればそのあたりはかなり自由になった。

特に国際結婚にはかなり高い率で重婚が認められる。

問題なのは殆ど日本の国内にいるパートナーの許しが出るかどうかだ。

ウィルスによる危機から数百年が経ち生活は安定してきたが、それは一時にしか過ぎない。

気功術の習得率も50%を越えかなり犯罪も減ってはいるが、それでもまだまだと言える。

日本の法律も婚姻についてはかなり自由になり、出産件数も増えてきたが教育は逆に横這いに近い。


BIWビーアイはまだ始まったばかり、これからが正念場と言うところ。

そのためのノウハウも曾爺さんは書き残して行ったが、結局のところ俺に丸投げして行ったということだ。

平凡な学生生活がこんな風になるとは思いも寄らないだろう、まだ一日もたたないのにこの状況、平凡が良いのかそれとも毎日ドキドキが良いのか。

まあ高校3年までは平凡だったから、この状況は楽しむ以外方法は浮かばないが。

出来れば恋愛のノウハウを一筆書いておいて欲しかった。


彼女の柔らかくボリューミーな体から腕を解き、何故か俺は今彼女の頭を撫でながら話している。


「君の思いは解っているし、君とはずっと一緒にいたいとも思う、でも」

「いいの解っている、ごめんね無理言って、もし我慢できなくなったら私はいつでもあなたを受け入れる用意があるって覚えておいてね」

「うん解ったよ」


そしてラウンドテンを出ると時間は午後6時、まだ空は明るいが徐々に繁華街は照明の明かりが燈り始める。


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