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FC ガーディック外伝

FCのマイナーRPGをやってみた感想文です。

暇つぶしには面白いです。

一言で言えば、ディスクシステムのゼルダの伝説と、質の良い縦スクロールシューティングゲームを同胞したようなゲームです。

ゲームの流れは、主人公が平面のステージをゼルダのようなARPGのスタイルで探索して行き、マップ上にあるコリドールと呼ばれるポッド(穴)に飛び込むとシューティングゲームが始まり、その一番奥にいるボスを撃破していくという流れになります。ARPGとしての出来も良いのですが、シューティングステージの出来の良さはFCの中でもトップクラスだと思います。ドット絵の書き込みも敵のスムースな動きも、かの傑作『ヘクター'87』に迫るものがあります。

以下、大まかなストーリーです。

地球防衛軍みたいな『ガーディック』という組織に緊急の連絡が入ります。

かつてガーディックが基地として使っていた、とある小さな星にエイリアンが巣くい、勝手に巡行システムをいじって星ごと地球にぶつけて地球を破壊しようとしているとのこと。

そこでガーディックの隊員である一人のアンドロイド少女が、その基地の自爆装置を起動させ、星ごと爆破して地球を救う任務に向かう事になりました。

ストーリーはSFCのスーパーメトロイドと酷似しています。

主人公がアンドロイドの精鋭隊員という事で、宇宙空間でも自在に飛び回る戦闘機に変形出来る設定なので、シューティングステージに飛び降りると変形のアクションを見るところから始まります。

メインのARPGマップは、かつてガーディックの基地だった廃墟で、これも結構広い。そこからゲートのロックを解除しながら10個のエリアがあり、(スタートボタンで全体マップは見ることが出来ます)、それぞれのエリアの奥にコリドールと呼ばれる蓋みたいなのがあって、そこに入るとシューティングステージになって、その一番奥にそれぞれ起爆スイッチがあるといった感じです。それぞれの起爆スイッチにはボスが巣くっていて、それぞれボスを倒して押していきます。起爆スイッチは間違って押して大爆発しないよう10個全て押してから基地中央のメインスイッチを押さないと起動しないよう安全対策が成されているそうです。まあ、ゲームのストーリーとしては有りがちな設定でしょう。

また、現行エリアのスイッチを押さないと次のエリアへのゲートロックが解除されないという設定もゲームでは有りがち。この辺りはゲームですから。

FC時代のゲームには矛盾が付き物です。このゲームでも、各エリアが解除されると、それぞれ先のエリア内にショップがあって、強いサブウェポンなどが買えるのですが、エイリアンに占拠された廃基地の中で、どうやってここまでショップ店員が生き延びてきたのか?とか、なぜ武器屋を続けてきたのか?とか、いろいろツッコミどころは満載ですが、そこはFC時代のゲームですから大目に見ましょう。

10個全てのエリアに行き来出来るようになると、ARPGのマップはかなり広大です。その上、各シューティングステージ、その辺のFCの縦スクロールシューティングゲームだけのゲームよりも凝った作りと言えます。一本にこれだけ詰め込んだ、このソフトはやっぱり凄いと思います。

ARPGのパートもシューティングのパートも、結構難易度の高い本格派なゲームなのですが、少し問題点を上げるとすれば、このゲーム内では12個ものサブウェポンが用意されていますが、これほど使い分ける必要は無いし、全く必要の無い武器というのも何個かあります。贅沢な悩みと言えば贅沢な悩みなんですが、ゼルダだって雷電だって12個もの武器を切り替えないでしょう。ノーマルの武器でも敵にダメージは通るのに、わざわざ12個も使い分けるなんて面倒なだけです。

あと、RPGを意識してなのかHPを数値で表示しているので、微妙に分かりづらかったりします。シューティングステージでも一撃死ではなくHPが減っていくシステムなので、敵の猛攻がハンパないです。敵の弾を回避するのは不可能で、被弾して徐々にHPを削られてゆくスタイルなので、HPMAXでボス戦というのはほぼあり得ません。ただ、疲弊した状態でボス戦になるのを想定して作られているので、ボスはそれほど強くないです。

それら全てを踏まえても、このゲームはかなり良い作品と云えますが、エンディングだけはクソです。なぜここまで最高の出来で作ってきて、エンディングまで辿り着いたプレイヤーを失望させるのか。

まず、カセット本体に張られているパッケージシールの絵、3DCGに迫るような、手描きのサイバーメタルなアンドロイド主人公のイメージ画。オープニングのドット絵もFCでは限界値な程の描き込み。シューティングステージの背景もボスキャラの描き込みもSFC並の立体感。そして、やっと辿り着いたエンディングはなんと、『オホーツクに消ゆ』みたいな構図の漫画チックな女の一枚画で映し出されて「ありがとう。またね。」という一言で終わり。最悪ですよ。全てのイメージがぶち壊しです。

本編の内容に容量を使い過ぎて、エンディング作成に容量が綿埃くらいしか残ってなかったのでしょうけど、あんまりです。却って、真っ暗な画面に『see you next』だけとかの方がよっぽど良かったと思います。

そんな、時代を感じる一作。内容は非常に面白いですし、(ゲーム中の)ドット絵も凄くキレイなので、この作品はお薦め出来ます。

暇つぶしには良いゲームだと思いました。

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