異能者団体④
久しぶり過ぎる更新
「おーい、終わったぞアリア~……ってこんなに広かったら聞こえないか」
扉を開けた先にはだだっ広い廊下が広がっていた。
もう、日が沈んでしまったのか薄暗く、ほんのりとした灯りが限の頬を照らしていた。
「なんでこんなに広いんだよ。迷子になりそうだな……まぁ、そんなことよりアリア探さねぇとな」
「あれ……限さん?」
廊下に出て少しして限はアリアと無事に合流出来たようだ。
「お、丁度良かったアリア、今すぐ俺と……」
「大丈夫でしたか!?ケガはしませんでしたか!?疲れてませんか!?」
「疲れはあるがケガはしてないから大丈夫だ。安心してくれ」
慌てた様子で矢継ぎ早に質問をしているアリアに限はたじろぎながらも答える。
「よかったです……もし、ケガでもしていたらどうしようかと思ってました」
「傷は男の勲章って言うから大丈夫だろ」
限が適当なことをヘラヘラと笑いながら答えると、
「私は本当に心配してるんですからね!」
「すまんなアリア。いらない心配かけさせて」
「本当ですよ!今日なんて限さんのことを考えててたら観光楽しめませんでしたよ……」
「あ、観光は行ったんだな。それで、京都はどうだった?あ、やべぇ……お小遣い渡して無かったな」
「お小遣いは普段貰ってるの物を持ってきたので大丈夫でした……ってそうじゃありません!」
「うん?どうしたアリア?」
「限さんは私に何か用事があったのではないのですか?」
「おー!そう言えばそうだったな!ちょっと一緒に来てほしい所がるんだ。付いて来てもらっていいか?」
「分かりました~」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お~、ようやく来たね。てっきり二人でどこかに遊びに行ってるのかと思ったよ」
「そんなことするわけないじゃないですか……俺をなんだと思ってるんですか?」
「少女を誑かす悪い男」
「酷ぇ!俺そんな悪い人に見えるんですか?」
あんまりな物言いに思わず食い掛る。
「まぁ、冗談はさておき……」
「言っていい冗談ってのがありますよ……」
「あのー、私が呼ばれた理由って何ですか?」
二人がふざけ合っているのを見てアリアは疑問に思ったのか訊ねると、
「あぁ、ごめんねアリアちゃん。二つ話したいことがあったから呼んだんだ。もちろん、限君と一緒に聞いて貰いたくてね」
「そう言うことだったんですね……分かりました、お話聞かせてください」
「ありがとうね。話が早くて助かるよ」
ふぅー……っと深いため息を一つ吐いて会長は限とアリアの方を向いて話し始めた。
「まず、一つ目がアリアちゃんは今まで通り限君と暮らして構わないよ」
「いいんですか!?ありがとうございます会長さん!」
嬉しいのか満面の笑みを浮かべながら礼を言うと、
「それと、もう一つが……アリアちゃんの戸籍を作ってあげようと思うんだ」
その言葉を聞いた限は、
「マジかよ……戸籍登録するとか映画や漫画だけの世界かと思ってたぜ」
「もちろん、正当な手続きでは作らないからね?いわゆる、裏の取引だよ」
「ヤバイ匂いがプンプンするんだが……本当に大丈夫なのか?」
「アハハ!心配性だね限君は。安心してくれ、こう見えて裏のつながりは結構あるからね」
「そ、そうなんですか……」
本気で言っているのか判断できない限は曖昧な返事をすることしか出来なかった。
最も、会長はそんな限の反応を見て楽しんでいるのだが限は知る由も無い。
「そうだ!言うことは三つあるんだった!ごめんね!もう少しだけ話を聞いて」
「私は大丈夫ですよ。むしろ、私達のためを思って話してくださっていますので」
「ありがとうアリアちゃ~ん!お姉さん嬉しい~!雅だったら不機嫌そうな顔するのに~!」
アリアの反応が嬉しかったのかニコニコと笑みを浮かべながらぎゅー!っと抱き寄せていた。
「えー……それで最後の一つは?」
「あ、ごめんね。最後は、限君を私達の組織にスカウトしたいと思うんだ。もちろん、今すぐに決めてもらわなくても構わないよ?」
机に置いてあった饅頭を手に取りながら特に急かす様子を見せずに呑気にしていた。
「ふむ。甘いものを食べるとお茶が欲しくなってくるな……お茶を淹れてこようか」
そう言い席を立つと部屋の奥にへとお茶を取りに向かった。
「呑気だなあんた……」
「いくら私急いでも事はうまく運ばないだろ?だから、私はゆっくり待つことにしてる」
そんなことを言いながら奥からお茶を運んできた会長が現れた。
「やっぱり、あんたは上に立つべき人なのかもな。俺の勤め先の社長も同じようなこと言ってたしな」
「へぇ~、君の勤め先の社長さんとは気が合いそうだね。今度そっちに行くことがあったら飲みに誘ってよ」
「機会があったら聞いてみますね。あんまり期待はしないでくださいよ?結構、変わってる人ですから」
「アハハ。限君がそう言うくらいだからきっと面白い人だね」
「俺の話を聞いてどうしてそうなるんですかね……」
「いや~、君をからかうのは確かに面白いね。雅が嬉しそうに話すわけだ」
「あいつそんなしょうもないこと上司に報告してんのかよ……」
茶を飲みながら渋い顔をしながら言うと、
「そんなこと言わないでくれ。あの子が私に楽しそうに話すなんて滅多に無いのだからな」
「それなら仕方ないな……ってなるわけないだろ?あいつは俺を同年代と間違えてるんじゃないだろうか……」
「あの子は同年代に遊び相手がいないからな……君が良かったらたまには遊んでやってくれ」
「そこは俺じゃ無くてアリアに頼めよ。俺はあいつに遊ばれてるだけだしよ」
「それもそうだね。じゃあ、アリアちゃん。雅とこれからも仲良くしてくれないかい?」
「はい!私で良ければ!」
「ありがとうねアリアちゃん!よし、私から話は以上だよ。もし、帰るのなら駅まで送ろう」
「迷惑かけるわけにいかないんで歩いて行きますよ」
「そうか……じゃあ、次に来る時はもっとゆっくりして行ってくれ」
「次に来る時は観光を楽しみたいですね」
限がそう言うと少し寂しそうな表情を浮かべながら会長は限達を部屋の外まで見送った。
「ふぅー……彼はこの組織に入ってくれるかな~」
彼らが出て行った静かな部屋でポツリと小さく微笑んだ。
「お、終わったのかおっさん?」
「お前なぁ~!お前の上司にしょうもないこと話してんだよ!おかげでめんどくさそうなことになりそうじゃねぇか!」
「いや~、おっさんをからかうのが楽しかったからつい話しちゃった……ごめんね!」
舌をペロっと出しながら全く申し訳なさそうに適当に謝っていた。
その態度に怒る気が薄れたのか限ははぁー……と大きなため息をついた。
「もういいや。俺らはもう帰るからな……じゃあな雅、海」
「いや、僕たちも帰りますからね!?」
「お前らホテル暮らしでも続けるのか?」
「いや、しばらく限さん達の近くで暮らすので家を借りましたよ」
「そうか。じゃあ、帰ろうか。俺は疲れた……」
手を口に当てながらフラフラと歩くと、
「私も疲れた~!おっさんアイス奢って~」
「分かったよ。奢ってやるから帰りの車内では寝かせてくれ」
「雅さんだけズルいです!私にもアイスを奢ってください!」
「じゃあ、僕も奢ってもらおうかな~」
「まとめて奢るから寝かせろ……」
「「「やった~!」」」
限はもうめんどくさいのかそのまま三人にアイスを奢っていた。
感想くれたら泣いて喜んで更新頻度が上がるかもしれません




