異能者からのお誘い
久しぶりの更新です
よかったら読んでください
「結局、何の用事なんだ?俺にはわざわざお前たちが訪ねてくる理由が見つからない」
「そんなこと決まってるじゃない…スカウトよ、スカウト」
「なんだよその東京で未来のアイドルを探してるプロデューサーみたいな言い方は…」
「人が足りないから仕方ないじゃない。戦闘こなせるのが私と海を含めて十五人しかいないから」
「全国の怪事件を秘密裏に処理するのに十五人は少ないよね~…あと十人くらいは欲しいね~」
「ブラック企業並みの労働環境だな。全国を飛び回るのに十五人は少なすぎるだろ」
予想以上の過酷な労働条件に苦笑いを浮かべながら限は肉を食べていた。
限はその話を聞いて、「有給休暇はきちんと取れるのだろうか…急な休みは許されるのだろうか」と平凡な考え事をしてしまった。
「そうだろおっさん!私なんて中学生だけど中学校行ったこと今年はまだ三回なんだよ!しかも、友達まだできて無いし…」
「お前卒業できるのか?でも中学は誰でも卒業できるな…もしかして高校は行かないのか?」
「は?行くに決まってるだろ?今の時代に中卒の仕事なんてほとんどないし、私は高校で青春を満喫したいから行くよ」
「意外だな、実家の家業継いだりしなくていいのか?式神使うってことは陰陽師か何かの家系だろ?」
限が何気なく発した言葉に、うん?こいつ何言っているんだと言いたげな表情を浮かべていた。
「おっさん冗談はよしてくれよ。私の家の家業は酒屋だ、私じゃなくて兄さんが継いでるよ」
「へ?お前の家業陰陽師じゃないのか?てっきり生まれながらのエリートコースかと思ってた」
「雅ちゃんは特殊なケースでね~、雅ちゃんはたまたま陰陽師としての高い素質を持っていたからね~。それを見込んだ雅ちゃんのお師匠さんが鍛え上げたらこうなったんだよ~」
「へぇー…お前みたいな生意気なガキに教える物好きがいるんだな」
「生意気なガキって私のことか?私そんなに生意気なのか?」
「生意気だな。どのくらい生意気かと聞かれたら近所に住む五歳の子供くらい生意気だ」
限の微妙な例えにどういった反応をすればいいのか雅は顔を歪ませていた。
「さて、俺は食後のデザートでも食べようかな。昨日買っておいたアイスが残ってたは…」
微妙な空気を気にせずに食後のアイスを取ろうと冷凍庫を開けるなり限は黙ってしまった。
本来ならばそこにあるはずの冷たいアイスが無かったのである。
だが、犯人は分かっているのか一直線にある人物の方へと進み…
「おいペンタ…俺のアイス食べただろ?」
「た、タベテナナドナイ…我が勝手に人の物を食べると思うのか?これでも元王族だぞ」
「ほう…じゃあアリアに聞いてみてもいいのか?それでもし食べていたらどうなるか分かってるよな?」
「ふ…我は誇り高き王族!お前になぞ頭は下げぬ!」
「いや、頭どころか土下座してるじゃねぇか!」
もう、隠し通せないと悟ったのか日本人でもするのが中々難しい高難易度の謝罪、土下座を何のためらいもなく平然とした態度でしていたのだ。
その姿を見て限は、はぁーとかなり大きく長めのため息をたっぷりとついてからペンタに向き直り…
「まぁ、いいよ。その代わり次からはこんなことするなよ!」
「うむ、分かった。アイスの代わりにこんど我がウサギの丸焼きを奢ってやろう」
「残念ながら日本にはウサギを食べる文化は一般的じゃないんだよ。だから、アリアの夕飯の手伝いしてくれ」
「そうか…残念だ。ではいつの日かウサギが手に入ったらウサギの丸焼きを作ってやろう」
「いやいや!ウサギなんて食いたくねぇよ!あのウサギ小屋にいるようなのを食うって想像しただけでなんか複雑な気持ちになるわ!」
「限さんウサギ食べたこと無いのですか?美味しいのでいつかは食べましょうよ!」
「そうなのか…アリアが美味しいって言うならいつか食べてみるか」
「限さんってアリアちゃんには甘いんですね~」
「うわ…おっさんロリコンかよ、今すぐ警察に行って来いよ」
雅の放ったキツイ一言が限の心の奥底にグサッ!と深くねじ込まれた。
証拠に虚ろな表情を浮かべながらブツブツと自己暗示を始めていた。
「地味に凹むから止めてくれ…俺はロリコンじゃないし恋人なんて作る資格の無い男だから」
「すまん…そこまで落ち込むとは思って無かった」
「もう、嫌になってくるよこの人生…とりあえずアイス食べたいからコンビニ行ってくる」
「あ、私も行きます!待ってください!」
「コンビニ行くなら我にもアイス買ってきてくれ」
「誰が買うか!お前は食べただろうが!少しは食べ物以外に興味もてよ!」
バタン!
若干、苛立ちながら力任せにドアを閉めた。
それを見ていた三人は何だか申し訳ない気持ちになっていたことであろう…
「ケチ臭い奴だな…我にアイスの一つや二つくれてもいいではないか」
申し訳ない気持ちになっていただろう!
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切れかけた街灯がパチパチと音を立てながら夜道を細々と照らしていた…
その夜の薄暗い道を二人の男女がゆっくりと歩いていた。
「はぁー…疲れた。なんでこうも俺は厄介なことに巻き込まれるのかね」
「ごめんなさい限さん…やっぱり私がこの世界にいるからダメなんですよ」
「だからな…何でも自分のせいにするの止めろ!俺はアリアと出会ったおかげで楽しく暮らせている。もし、アリアと出会ったら不幸になるとしても俺はアリアとまたこの生活を送ってると思うよ」
「限さん…何でそんなに優しくしてくださるんですか?前から不思議に思っていました」
「そりゃ…年下の少女に意地悪するバカはいないだろ?それだけだ」
「でも、雅さんにはちっとも優しくしていなかったじゃないですか」
「それはあれだ!なんかあのタイプの女の子は優しくすると調子のりそうだからだ!」
「うー…まぁいいです!一応納得しておきます」
「そうか、それは助かるよ」
「それより…どうした方がいいですか?」
「どうだろうな…アリア達が異世界から来たって話さない方がいいかもな。あいつらの組織がどんなものか分からない内はな」
「そうですよね~、もしかしたら地球を侵略しに来たのだろう!って言われて捕まってしまいますかもしれないですしね~」
「あぁ…どうせあいつらはアリア達を勧誘するために一週間くらいは訪ねてきそうだな」
「悪い人達では無さそうなんですけど…いまいち信用出来ませんね」
「アリアがそう言うなら悪い奴らでは無さそうだな。だけど、無意識の悪意ってものが存在する世の中だから難しいよな」
今後のことをお互い話し合っていると…
後ろから突然誰かに話しかけられた。
暗くてよく見えないのだが、黒っぽい鎧を着込み白い髭を生やした、熟練の老兵士と言い表すのが相応しい人物がいた。
その人物はアリアの顔をまじまじと見つめて…
「(お前は…アリア・アルトリアか?)」
渋い声で異世界の言語を使ってアリアに話しかけていた。
「うわー…また面倒ごとにあう予感がするな~!」
「(いえ、人違いです…私はアリア・藤井です)」
「おい!勝手に俺の名字を使うな!いくら異世界の言語話しても分かるからな!」
「え、ダメでしたか?」
「ダメに決まってるだろ…知らない人に聞かれたら俺が通報されて捕まる」
「(なんだ…人違いか、娘よ教えてくれて助かったぞ!では、さらばだ!)」
「誰だったんだあの爺さん?」
「さ、さぁー?少なくとも私の知っている方では無かったですね」
どうでしたか?
もしかしたら、全体的な修正を入れるかもしれません
最後まで読んでくださった方は本当にありがとうございます
これからもよろしくお願いします




