異能者からのお誘い
少しはファンタジー要素入ってます
ちなみに割合は、3:7くらいです
もちろん日常が7です
それでもいい方は読んでください
とりあえず、限を訊ねて来たお客なので部屋に上げて寛いでもらっている。
ペンタは急に訪ねてきた二人を怪しんでいるのか、妙な素振りを見せたらいつでも斬れるように準備していた。
「どうぞ…粗茶ですが」
「いきなり訪ねてすいません。こちらとしてはどうしても確認しておきたいのことがあったもので」
「ですが限さんは今仕事にいるのでどうしましょうか?」
「まぁ、ご一緒に住まれてる方に聞いても分かる事なのでちょっと質問させてもらいますね~」
アリアに入れてもらったお茶を海はズズ…と一口飲んでフゥー…とため息をついた。
「一緒に暮らしてて不思議なことを見たこと無いかな?超能力みたいな感じの力とかさ~」
「超能力とは魔法みたいな物ですか?それなら限さんが使ってるところは見たこと無いです」
「あれぇ~?おかしいな…もしかして僕たちの検討違いかな?」
「だから言ったでしょ?あいつが私たちと同じ力を持ってるわけが無い。あれはどう見てもただの一般人」
「そうかな~?僕の能力で少し調べたけど彼には少し違う所があった気がしたんだけどな~」
「君の力なんて半々くらいの成功率じゃない。そんな力じゃ当てにならないわよ」
二人が訳の分からない話をしているので、アリアとペンタは話に付いていけずに適当に理解してる振りをしていた。
「あ、ごめんね。えーっと…アリアちゃんとペンタさんで合ってますか?」
「はい、合ってますよ。ところで…何で限さんが魔法みたいな物を使えると思ったのですか?」
「うーん…言っても大丈夫かな雅ちゃん?」
「大丈夫じゃない?もし騒がれてもちょっと寝てもらえばいいし」
物騒なことを言いながらもアリア達に話すことを決めたらしい。
「信じてもらえるか分からないけど、僕と雅ちゃんは異能者なんだ」
異能者…それは漫画や小説などで出てくる空想上の人間。彼らは人でありながら科学では説明のつかない能力を操る人のこと。
そんな異能者が二人も目の前にいると言われたら普通の人は驚くかバカにして信じようとしないであろう。
だが、アリアが思ったのはそのどちらでもなかった。
「異能者…何ですかそれ?私日本に来てから一か月程なので分からないことも多いのです」
「そうか~、それなら仕方ないね。異能者は簡単に言うと魔法使いみたいな人だよ、でも魔法使いと違って魔法と言う概念じゃなくて元々持っている能力で何かする人だよ」
「へぇ~!日本にはそんな凄い方がいるのですね!」
アリアの純粋な尊敬の眼差しにいい気分になったのか雅が立ち上がり…
「特別に私の能力を見せてあげるわ!」
スカートのポケットから何か筆で文字が書かれた紙を取り出し、雑にポイッ!っと地面に投げ出した。
すると、その紙から少し煙のような物がモクモクと湧き出て紙で出来た烏のような生き物が現れた。
「何ですかこれは?鳥のように見えますが生き物では無いですよね?」
「フフフ!これは式神と言ってね、陰陽師が操る武器みたいな物よ」
「ほう…面白いものを操るな娘よ、それは我にも出来るのか?」
「たぶん無理ですね。私もこれを習得するのに三年はかかりましたから」
「そんなにかかる物なのかこれは?見た感じ特に難しそうには見えないのだがな」
「これだから素人は困ります…私は師匠に追いつくために必死に努力したのです!普通の三年間とは格が違うのですよ!」
ペンタの軽々しい物言いに少しイライラしたのか雅はバッサリと切り捨てた。
「何だと?お前のような小娘に出来て我に出来ないわけが無いであろう!それに我はお前よりも凄いことが出来るのだからな!」
「ほほぅ!それは楽しみですね!ぜひ私の式神より凄いものを見せてくださいよ!」
「フン!泣いて許しを請うお前の姿が目に浮かぶわ!」
お互いプライドが高いので口喧嘩がヒートアップしてしまった。
険悪な雰囲気に耐えきれなくなったアリアが止めようとするが…
「あ、あの…喧嘩は良くないと思いますよ?仲良くしませんか?」
「「こいつがどうしても仲良くしてほしいならしてやる!」」
「雅ちゃんはどうしていつもそんなに喧嘩腰になるの~?もうちょっと笑って生きようよ~」
「あいつがムカつくんだよ!私の式神を簡単に出来そうとか言うから!」
「何を言うか!お前が我に向かって出来ないなど言うからだろ!我は努力さえすればほとんどのことは出来る!」
「ペンタ様もいい大人なのですから謝ることを覚えてくださいよ!」
どちらにも非があるのだが、どちらとも完全に相手が悪いと思っているので全く話にならない。
それどころか、関係が悪化してきている気さえするのだった。
そんな仲の悪い二人を見ながらアリアと海は思わず口に出してしまった…
「「早く限さん帰って来ないかな…」」
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空は夕焼け色に染まっており、街も影に覆われてきていた。
さらに、空からはチラホラと雪が舞い降りてきており、寒さを倍増させていた。
「ぶえっくし!今日は特に寒いな…」
「何だ風邪か?移りそうならあんまり俺に近づくなよ?」
「風邪じゃなくても先輩になんて近づく物好きはいませんよ」
「そうだな…終わりだし片付けるか~…限片付けよろしくな!」
先輩は限の言葉を適当に聞き流しながら指示を出していた。
「ヘイヘイ、負けた俺が悪いんですよ~…」
文句を垂れ流しながらも、清掃に使った掃除用具を纏めて重ねて車に積み込んでいく。
今日も負けてしまった限は必然的に片づけをさせられているのだった…
「はぁー…今日も寒かったな限」
「そうですね~、そう思うなら積み込むの手伝ってもらっていいですか?指が震え始めてきたんですけど?」
「嫌だ。負けたのはお前の責任だ、敗者が片づけするのは当然だろ?」
車の椅子を倒したり上げたりしながら遊んでいる先輩が当然のことを当然のように言っていた。
「そうですけど手伝うのがよき上司ではないんですかね?…よし、積み終わりましたよ。さっさとこんな寒い場所から帰りましょう」
「やっと終わったのか…じゃあ摑まってろよ、飛ばすから」
「法定速度内でお願いしますね~」
「善処します」
政治家がいかにも使いそうなことを言いながらアクセルを思いっきり踏み込んで日が沈みかけている街を走り去ってしまった…
「ただいまー。やっと帰った来た…何であんたらがいるんだ?」
そんな言葉を呟かずにはいられない状況だった。
「限さんお帰りなさい!今日は人数が多いので鍋にしました~!」
「あ、お邪魔してます限さん。アリアちゃんが限さんが帰ってくるまで家にいてくださいと言われたのでお言葉に甘えてお邪魔してます」
「ほうかへったのかへん?おはえがおほいからほうさひにたべてるほ?」
「あ、やっと帰って来たわね…あんたに確認しないと私たち帰れないんだから」
いつの間にか自分の家に二人も住人が増えていたので驚いていたが、仕方ないと諦めた様子で玄関で靴を脱いで入って来た。
「母さんが帰ったと思ったらまた人が増えてきたな…」
「いいじゃないですか賑やかですし、男がそんなこと気にしたらハゲになるよ?」
「お前が言うな…アリアが言うならまだしも」
既に自分の家と同じように寛ぎながら鍋を頬張っている雅に限はげんなりと頭を下げていた。
「で、俺に用事ってなんだ?この前の謝罪が足りないならいくらでもするぞ?」
「そんなことで一々来ませんよ~、僕たちはあなたがこちら側の人間なのではないかと疑っているのです」
「こっち側の人間?先に言っておくが俺は元ヤ〇ザじゃないからな?普通の一般人だからな」
「あー、そっちじゃなくて…もしかしたら僕たちと同じ異能者なのかな~って思ったんですよ」
「異能者?あぁ…ある意味異能者なのか俺は?」
「え、マジかよおっさん!おっさん異能者なのか!?戦闘こなせる系か!?それとも予言系か!?」
「おっさん…確かに30近いけどさ、そこはお兄さんって呼んでよ」
自分でもおっさんと自覚はあったのだが、人に言われるとなると別である。
証拠に限は精神的にかなりダメージが入ったようで、「おっさん…マジかおっさんか」とブツブツ呟いていた。
「そんなことはどうでもいいから早く言え!早く!」
「そこにペンタがいるだろ?そいつと俺で魔法?みたいなの使って戦う力を得られるらしい」
「そんなことアリアちゃんから聞いて無いんだけど~」
「だって限さんは何も魔法使えませんから。私とペンタ様は使えますけど」
「「はい?マジで?」」
疑っていた限は全くの無能力で、代わりに同居人の二人が異能者と知ったので二人揃えて間抜けな声を出してしまっていた。
これが普通の反応である…探していた犯人が実は全く関係ない人で隣にいた人が犯人だった的な感じの気持ちだろう。
「魔法って…炎出したり氷飛ばしたりするのだよね!?アリアちゃんは魔法少女だったの!?」
「ペンタさんも魔法使えるのですね~」
アリアとペンタに熱い視線を向ける一方で、限には用は無いと感じたのか無視されていた。
「何だろうな、俺のこの圧倒的空気感は…」
「だから困ったときに我の方を向くのは止めろ」
すっかり、限から興味がそがれてアリアに質問攻めを開始していた。
皆からスルーされ始めてきた限は一人悲しく鍋から肉を取り、ハフハフとさせながら熱そうに食べていた。
「あぁ…鍋ってこんなにも悲しく一人で黙って食べるものだったんだな」
「うるさい!アリアちゃんの声が聞こえないでしょ!」
「あ、すいません…黙って食べます」
今日は二回目の更新です
もしかしたら来週更新できなかもしれないので更新しました
今回もいつも通り感想をお待ちしております
一言でも構いません、どうかお願いします




