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たまには休息も必要だ④

今回まで日常です

好きな方は読んで行ってくださいね!

 

「どうかしらこれ?誰だか分かる?」


「このニコニコと楽しそうな笑顔、どことなく限さんに似ている気もする男の子…分かりました!限さんの弟です!」


「外れ~!正解をどうぞ限ちゃん!」


「何で俺が言わなきゃいけないんだよ…あー、分かったから泣きそうな目をするな。正解は俺だよ…十五年も前だがな」


「えぇ!?こ、これが限さんなんですか!?このニコニコと笑っている男の子が限さんなんですか?」


 涼子が携帯の画面に写っている男の子は、今の限とは全く似ていない楽しそうな笑顔をしていたのだ。

 アリアが驚くのも無理はない。限は今や、おっさんになりあまり笑わなくなったからだ。

 時おり見せる笑顔も、心の底から笑えてる笑顔では無いと本人は思っているのだ。


「俺がニコニコしてたら皆その反応するよな。俺は昔はそこまで自分の顔は気にしてなかったんだ…」


「い、今はカッコいいですよ!そ、それに限さんは優しいです!」


「我が子孫よ…今の限に何を言っても傷つけることになるから止めておけ」


「ハハハ!何を言ってるのかなペンタ君!これしきのことで俺が凹むわけない!アハハ!」


「限さんごめんなさい!今日は一緒に寝て慰めてあげますので許してください…」


「何を言ってるのかねアリア君!俺はそんなことで凹むわけないよ!アハハ!」


 既に酒が回ったのか同じような言葉を繰り返し言っていた。

 証拠に足取りもフラフラと頼りなくなっていた。

 遂に限界が来たのか、バタッ!と大きな音と衝撃を部屋中に響かせながら限は床に倒れた。


「げ、限さん大丈夫ですか!?」


「大丈夫よ、限ちゃんはお酒を飲み過ぎると酔っぱらって倒れることがたまにあるのよ」


「それは安心しても大丈夫なのでしょうか…」


「そんなに心配しなくても大丈夫だ我が子孫よ。限が大切で、愛してて仕方ないのだろうが落ち着け」


「とても大切で、大好きですけど!…面と言われると恥ずかしいので止めてください!」


「あらら、限ちゃんはこんな可愛い子に好かれて幸せ者ね~!夜道で刺されないか心配だわ~」


 涼子がシャレにならないようなことを言っていたので、アリアは「あはは…」愛想笑いを浮かべることしか出来なかった。


「さて、そろそろ私は帰ろうかしらね~、長いことお邪魔になってたから」


 時計を見ると一日が終わりへと近づいていた。


「そんなこと無いです!私は楽しかったです!もしよかったら泊ってください!」


「アリアちゃんが折角誘ってくれてるけど遠慮しとくわ。もし、限ちゃんが朝になって起きて私がいたら怒りそうだから」


「そうですか…では今度またいらっしゃったらぜひ泊って行ってくださいね!」


「そうさせてもらうわね!あんまり頼りないけど限ちゃんをよろしくね」


「分かりました!限さんが体調を崩さないように頑張ってお料理を作ります!」


「フフ…よろしくね。アリアちゃん、ペンタちゃん」


 最後にポツリとお願いをして玄関から出て行った。

 その背中は少し寂しげにも見えた…


「さて…限さんもペンタ様も寝てしまってますから部屋に運びましょう」


 先程からペンタが会話に参加して来なかったのは、単純に疲れや酒が重なり寝てしまったのだ。

 疲れて寝るのも仕方ないのであろう、昨日は慣れない限の体を使い戦ったのだから。


「ペンタ様は運べますけど限さんは運べるか怪しいですね…もうコタツで寝てもらった方がいいのでしょうか?」


 限は気持ちよさそうに…では無く何かを思い出したかのようにうなされていた。

 原因は色々あるが、大きな原因はアリアの意外な反応に傷ついていた。

 それを言わないあたりが限なりの優しさであった。


「おやすみなさい限さん、明日からお仕事頑張ってくださいね」


 アリアは静かに限の頬に口を近づけて、唇をそっと重ねた…

 その後、限がうなされることは無かった。












「ふぁー…何かいい夢を見た気がする。今日は何だか上手く行きそうだな…何でここで寝てるのか分かんないがな」


「起きたか限。ところで、お前はなんでこんな寒いところで寝ていたのか?」


「俺が聞きたいくらいだね」


 限は朝の寒さに身震いをさせていた。

 一応コタツに入っていたのだが、火事の危険性があるのでもちろんコタツの電源を切ってあるので温かくない。

 それではただの布団と…いや、まだ布団の方が分厚いため温かいであろう。


「仕事が今日からあるな~…めんどくさいな。こんな気持ち初めてだよ、今まで仕事が嫌なことは無かったんだがな…アリアとお前との生活を案外楽しんでいるのかもな」


「そうか、それは我が子孫が聞いたら喜びそうだな!」


「そうか?こんな男に言われて喜ぶのか?あ、それと子孫って呼ぶの止めてくれよ…母さんは気づいて無かったからよかったけどさ」


「そうだったな、お前が我とアリアを姉妹と言う設定にしたからな」


 ジトー…っと冷めた目で限を見ていた。

 その視線に耐えれなかったのか土下座の準備を開始していた。

 スッと足を自然な動作で曲げ、腕を床に付けて、頭を擦りつけるように床に降ろす…


「すいませんでした!本当にすいませんでした!だから許してください!」


「何も言っていないだろうが…我はそこまで短気ではないぞ?」


「そうか?ならいいんだけど」


 限は土下座を止めて、恐る恐る顔を上げて顔色を窺っていた…


「そんな顔をしなくてもいいぞ…何だか我が悪者みたいではないか」


「そんなに酷い顔してたのか?」


「あぁ…いつものイカツイ顔が歪んで、見る者に恐怖を通り越してトラウマを植え付けるレベルの顔だったぞ」


「そりゃヤバいな…」


「あぁ…我でなければ気絶であるな」


 ペンタの素直な物言いに「あはは…」と苦笑いを浮かべることしか限には出来なかった。


「そうだ…俺はもう仕事に出るからアリアと一緒に飯食ってやれ。俺はあっちで適当におにぎりでも買って食うよ」


「了解だ。お前は心配性だな…そんなにアリアのことが心配なのか?」


「心配だよ…アリアは元気にしてるけどさ、あれは周りを心配させないようにするために無理してるんだ。俺もそんな時期があったから分かるよ」


「ほう…お前は人の心が読めるのか。やはり、我と相性がいいだけのことはあるな」


「そんな大層なもんじゃないよ。ただ、アリアは俺よりも辛い経験をしてる。俺も少しだけどアリアと似たような経験したから気持ちは少しくらいは分かるんだよ」


「そうか、ところで仕事には行かなくて良いのか?」


「あ、やべっ…もう出ないと遅刻しちまう!とりあえず、アリアのことよろしくなペンタ!」


「うむ、分かったから早く行け。これ以上親ばかを聞かされたらたまらん」


「親ばかは酷いな…結婚していない俺への嫌味にしか聞こえない」


 そんなどうでもいい捨て台詞を吐きながら、玄関からのそのそとやる気なく出て行ってしまった。

 限のやる気の全く感じられない背中を見ながらペンタは「この男に本当に英雄の素質があるのだろうか…」と今更ながらに不安を感じていた。


「いずれは限やアリアにも話さないといけないだろうが…まだ早いな、パニックを起こされても困るしな」


「何を話さなくてはいけないのですか?」


「ナンデモナイゾ…アリアの聞き間違えだろ」


 いつの間にか起きていたアリアに驚いたのか、片言の日本語で誤魔化していた。


「ペンタ様が話す時まで私は待ちますよ。ペンタ様が今はまだ話すべきでは無いと判断したのであれば」


「そうか、物分かりが良くて助かる」


「ですが…家計に響くお買い物をするのであれば私か限さんにご相談ください!勝手に買われると家計が回らなくなってしまうので!」


「へ?我はそんな軽い話をしたつもりでは無いのだが」


 その言葉にアリアの目に火が灯った。


「ペンタ様は家計をなめています!少しの無駄遣いで貯金やボーナスを切り崩さなくてはいけなくなってしますのです!それに、普段から節約することでもしもの時に備えることが出来るのです!なので、何か必要な物があるのならば私か限さんにご相談ください!」


「分かったからそれ以上我にその手の話をするのは止めてくれ!さっき、限にもメンドクサイことを聞かされたのだから!」


 すっかり一国の王女であることを忘れて、専業主婦の考えに染まってしまったアリアの熱弁にペンタはたじろいでいた。

 気分は新婚を通り越して熟練の主婦になっていた…


「なぜアルトリア国の現役王女なのに家事がこんなにも出来るのだ…我は何もできないぞ?」


「私は限さんに出会う未来を予想して家事を勉強していたのです!と言うのは冗談ですけどね」


「じゃあ、なぜ王族が家事などしてるのだ?」


「私のお父様は「一般の方と結婚してもご迷惑にならないように家事をしておきなさい」と言っていたので私は家事を一応一通りは勉強しました!」


 アリアは自信たっぷりに胸を張って言っていたが、ペンタは何を言っているんだ?と言いたげな困惑した表情を浮かべていた。


「そう言えば限さんはどこですか?もうお仕事に行かれたのでしょうか?」


「今更か…アリアの言う通り限は仕事に行った。なので、飯を作ってくれ。我が作れる料理は丸焼きくらいだからな」


「丸焼きが作れるなら目玉焼きも作れますよ!私が教えますので一緒に作りませんか?」


「いいのか?我は不器用な上に下手くそだぞ?」


「最初は皆そんな感じですよ!私も最初は焦がしてばかりでお父様に迷惑かけてましたから」


「お前の父親は我慢強いのだな…我だったら焦げた物など出して来たら投げつけているであろう」


「私の過去のことは置いておいて…さっさと目玉焼き作っちゃいましょう!お腹も空きましたし!」


「そうだな、では指導頼む」


「分かりました!任されました~!」



 ピンポーン!


 来客を知らせる呼び鈴が響いてきた。

 その音にアリアとペンタはやる気を削がれる感覚に陥ってしまった。


「朝からどなたでしょうか…新聞の勧誘ならお断りしてるのですが」


 アリアがパタパタと可愛らしい足音を立てながら急いで玄関を開けると…



「朝早くすいません…こちらに限さんはいらっしゃいませんか?」



昨日、限とぶつかった少女、雅と昨日と全く同じスポーツウェアを着こんだ海がいたのだ。




久しぶりの更新になりました

今回で日常は一旦終わりですね

次からはファンタジー要素を入れていこうと思っております

お暇な時でいいので、感想などを出来たらお願いします!

一言でもいいので書いてください!

指摘やダメ出しでも構いません

では、最後になりますが読んでくださった方ありがとうございました!

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