たまには休息も必要だ
今回からまたもや日常スタート!するかもしれないし、しないかもしれない
騒ぎにならない内にと限達が足早に去った場所に二人の男女が来ていた。
彼らは限達が戦い終わってから約五分ごろに現場に到着したのだ。
そして、目の前の光景に唖然していた…
「なによこれ!一体どんな化け物が暴れたのよ!」
短く切り揃えた黒髪に、紺と白のセーラ服に身を包んだ150くらいの少女が隣の男の首元を掴みブンブンと振り回していた。
「そんなこと僕に言われても困るよ~」
ボサボサの髪に動きやすさを重視した赤と黒のスポーツウェアを着ている長身の男が少女になすがままに振り回されていた。
だが、男はこんな扱いに慣れているのか特に怒った様子を見せていなかった。
「大体ね君がハンバーガー食べるのが遅いから出遅れたのよ!」
「えぇ…僕のせいなの!?だって雅ちゃんが食べたいから行こうって言ったじゃないか~」
「私はすぐ食べたでしょ!君がのそのそとゆっくり食べるから出遅れたのよ!」
「そうだけどさ…こんなに早く出るなんて予言では言って無かったよね~、最低でも一日、二日後に現れるって言ってたよね?」
この二人はある人の予言を頼りに来たのだが、彼らが少し寄り道をしたため目的を逃してしまったのだ…
彼らの目的であろうオーガは限が消し炭にしてしまったのだが、彼らがそんなことを知る由もない。
「はぁー…とりあえず一般人に見つかって騒ぎになる前に修復しましょうか」
「それがいいね~、僕は修復術使えないからいつも通り雅ちゃんよろしくね~!」
「君も修復術使えたら楽なのに…その代わり、君は戦闘は私より強いから仕方ないね」
ブツブツと文句を言いつつも、雅は戦いにより荒れ放題になってしまった道路の修復にかかる。
「誰か知らないけどよくも私にこんな雑用押し付けてくれたわね…もしこんなことをした張本人に会ったらぶん殴る!」
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冬にしては珍しく暖かな昼下がり、今日はアリアとの約束通り限達はカフェに来ていた。
店内は黒を基調とした木をふんだんに使った、落ち着きのあるモダンな雰囲気が漂っていた。
とりあえず、席に座ろうと思った限は店員を呼ぶと顔を青ざめながら女性店員が走って来たのだ…
「い、いらっしゃいませ~!お、お客様きょ、今日はどういった御用ですか!?」
「御用って、カフェでコーヒー飲む以外に他に何かあるの?」
「い、いえ…お客様が別の用事で来られたかと思いまして…」
「限さん、だからそのサングラスは止めた方が良かったんですよ…怖がられてますよ?」
「確かにその格好は一般人であれば恐怖を感じるであろう…まぁ、我は微塵も恐怖など感じないがな」
その後必死に説明をしたので現在は窓際の席に座らせてもらっている。
目つきを怖がれると思った限はサングラスで目を隠したのだが、高身長でサングラスをかけてるイカツイ男、と返って恐ろしい風貌に仕上がってしまったのだ…
一緒に来ていたアリアとペンタは余計に怖くなってるから止めた方がいいと言っていたが、散々な言われように悔しかったのか限はアリア達を見返すためにサングラスをかけてきたのだが、アリアに言われた通りの結果になったのだ。
「サングラス買った意味ないな…アリア、何でも好きな物頼んでいいぞ、さすがに沢山は無理だけどな」
限がサングラスを外しながらアリアに注文を好きにしていいよと言うと、アリアは目を輝かせてメニューを取り、口元をほころばせながら楽しそうにメニューを見ていた。
「うーん、どれにしましょうか…ブルーベリーパンケーキも美味しそうですし、ミックスベリーパンケーキも美味しそうですが…私は美味しいと評判のメープルシロップダブルパンケーキにします!」
悩みに悩んだ結果、アリアはメープルシロップダブルパンケーキと長ったらしい名前のパンケーキに決めたようだ。
何気なくメニューを開いた限は値段に驚愕しつつも、何とか払える値段だ…と胸を撫でおろしていた。
ちなみに、メープルシロップダブルパンケーキは税込み千五百円だった。
注文も決まったので店員を呼んだ。
「は、はい!ただいま行きますので少々お待ちください!」
女性店員が少し緊張した声色で慌てて走って来た…
「注文いいですか?」
「は、はい!どうぞお、お願いします!」
「えーっと…メープルシロップダブルパンケーキ一つと「我はハーブティーを頼む」っておい!何でお前が注文してるんだよ!」
限が注文してる途中に割って入ってきたペンタがハーブティーを注文に加えた。
本来ならば、コーヒーでも頼もうと限は思っていたのだがペンタがハーブティーを頼んだため、財布の金が無くなり限はお冷になってしまったのだ。
女性店員は特に気にした様子を見せず、厨房に戻って行ってしまった。
「お前飲み物飲めるのか?意識体とか言って無かったか?」
「確かに我は意識体ではあるが、飲み食いは問題なく出来るから安心しろ!」
ペンタ曰く、魔力で作った偽物の体に自分の意識を入れているため物を触ったり、飲み食いは可能であるらしい。
しかし、魔力で作った偽物の体は扱いずらく戦闘をするには不向きなので、戦闘する際は限の体を借りた方が強いらしい…
これなら剣のままの方が良かったのでは無いかと限は契約したことを少々後悔していた。
だが、限が助けられたことも事実なのであまり強く言うことが出来ないでいた…
「それにしても、昨日のこと騒ぎになってませんでしたね…この国の方達はああいったことに慣れているのでしょうか?」
「日本は平和ボケはしてるが、さすがにあんな風になってたらニュースにくらいは上がるはずなんだがな…まだ気づいてないは無いよな?」
「我が思うにこの国の者達には魔法と言う概念がないであろう?だから、信じられないでいるのではないか?」
それはさすがに楽観し過ぎだと限は考えていたが、騒ぎになっていないのならわざわざ気にする必要も無いだろうと考えていたのだ。
実際は、裏で暗躍している人物がいるのだがそんなことは三人とも詳しくないので気づいてはいない。
「大変お待たせ致しました!こちらメープルシロップダブルパンケーキとハーブティーになります。パンケーキは焼き立てとなっておりますのでお気を付けください」
シリアスな雰囲気を女性店員がパンケーキと言う甘い爆弾で打ち壊した。
女性店員がアリアの前にパンケーキを置くと、シロップ独特の甘ったるい香りがテーブルに広がった。
パンケーキはダブルの名に相応しく、二つの大きなパンケーキにひたひたになるくらいのシロップがぶちまけられていた…
対するペンタが頼んだハーブティーは透明なガラスの容器にペパーミントとローズマリーが浮かべられており、ペパーミントのスッとする香りとローズマリーの爽やかな香りがしていた。
「俺だけお冷なのは悲しいな…」
そう言って備え付けのお冷のポットから、すでに飲んでしまって空になったコップに水を注いでいた。
「限さん!も、もしよかったら私のパンケーキ食べませんか!」
「ありがとうアリア、でも俺は今日は腹減ってないからいいよ。全部食べていいよ」
「うー…限さん素直に食べてくれればいいのに」
アリアは恋人気分を味わいたかったのだが、限の気遣いによりスルーされてしまった。
「我のハーブティーはやらんぞ?」
限が何となくペンタの方を向くと、急いでハーブティーを飲み干していた…
さすがにそんな反応をされるとは思っていなかった限は多少ショックを受けていた。
「そうだ限さん、昨日何で私の居場所が分かったのですか?もしかして勘ですか?」
「あはは…さすがに勘では無いよ、アリアに携帯買ってあげただろ?それで位置情報お知らせサービスを使っただけだよ」
「位置情報お知らせサービス?何ですかそれは?」
「そのままの意味だよ。アリアがいる場所を探すことが出来る機能だよ、アリアが迷子になっても見つけられるように設定してたのが役に立ったよ」
「私は方向音痴ではありません!」
限が見つけれた理由を説明すると、アリアは納得したような表情になったが位置情報お知らせサービスを付けられていた理由に怒っていたが、助けてくれたのには変わらないので機嫌を直してパンケーキを食べ進めていた。
だが、事態はもっと酷い状況に向かっていった…
「限は女を焦らすのが好きなのか?しかもこのような年下の娘を」
ペンタが放った何気ない発言に店内の空気が一気に凍り付いた…
あるも者は手に持っていたコーヒーカップを落としてこぼし、またある者は飲んでいた紅茶を吹きだしむせていた。
先程接客していた女性店員は慌てた様子で厨房に走って行った…
「おい、ますます誤解されたじゃんか」
「事実ではないか、何を気にする必要があるのだ?」
「限さん、私は焦らされるのはあまり好きではないのですが…限さんがお好きなら私は付き合いますよ!」
「なぁ、お前らって俺を陥れようとしてないか?」
どうしてもこう言わざるをえなかった…
「美味しかったです限さん!ありがとうございました!」
「そうか、ならよかった…だけど今度からはあんな変なこと言うなよ?俺が無実の罪で捕まるかもしれない」
「実際にしてるではないか」
「はいそこ~!言うの止めましょうか!まだ、怪しがっている人が多いからやめようね」
あの後必死に説明して、ペンタが母親でアリアを娘とすることで何とか周りからの視線を回避することに成功していた。
だが、その代わりに「親子なのにお母さんの遺伝子強すぎじゃない?」や「どうしたらあの〇クザみたいな奴があんな美人な外国人と結婚できるんだ?」等々心無い言葉が飛び交っていた。
限は「実際親子じゃないからいいんだよ!」と半ばキレ気味に言い訳を作っていた。
もちろん、思っているだけで言っては無い。
「限さん!」
三人で仲良く歩道を歩いていると突然、アリアが限を呼び止めた。
何だろうとアリアの方を向くと…
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