エピローグ 奇跡と謎は企業秘密
「ラルムは何だったの?」
「鱗だと思うよ。他に、目の中に入りそうなものはないし」
夕菜の質問に真莢は答える。
「恐らく、三年前の交通事故のときに、どういう理由かは不明だが、ラルムが目に刺さったんじゃないかな」
「道に落ちていたんだろうな」
陽一の本気か冗談なのか分からない言葉に、夕菜は眉を寄せる。
「そこら辺に落ちているものなの?」
夕菜のもっともな意見に、真莢は世の中何があるか分からないから。と言って笑う。
「だって、僕らが存在しているんだぜ」
陽一の説得力のある言葉に、夕菜は納得してしまう。
「美由のお姉さんね。たぶん、今頃、意識が戻って大騒ぎしてるんじゃないかな」
「どういうこと?」
真莢の思いがけない言葉に、夕菜は驚いた。
※ ※ ※
月曜日、学校にいってみると。どういう手を使ったのか、理科室と教室は元通りになっていた。
「夕菜! 昨日はありがとう。それでね、聞いて。あのあと……お姉ちゃんの意識が戻ったら、目が見えるようになってたの! お医者さんも奇跡だって!」
美由のはしゃぎぶりに、夕菜もつられてはしゃぎたくなる。
「そうなの? よかったね!」
夕菜は知らないふりをする。
実は、美由の姉の目が見えるようになっていることは、真莢から聞かされて知っていた。
真莢は、ラルムの鱗が目に刺さっていたから、目が見えなくなっていたんだよ。そのラルムが無くなったのだから、たぶん目は見えるようになっているはずだ。と説明してくれた。
しかし、美由にそのことを知られて、追及されても困る。
「そうだ。美由、昨日の格好イイ人とはどういう関係? それに安岡君と保健の先生と、どうして一緒だったの?」
夕菜はきかれて困ることがもう一つあったのを思い出した。
「え…っと……ね――」
どうやって説明しよう。という言葉が、夕菜の頭の中をグルグルと忙しく駆け巡った。
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