第十五章 創世紀 〜混沌の書〜
人が知る歴史など、人に都合のいい解釈の歴史しかない。
神が創った泥人形と、エデンから追放されて来たリリスの子達。二つの遺伝子の掛け合わせたものが、今の人間だ。
その人間も、延々と歴史を繋いで来たわけではない。
度重なる進化と絶滅の危機を乗り越え、新たな種へと変わるのだ。
人間は幾度となく滅びを辿った。同じ人間同士の争いで。
今より優れた文明を持った時代でも、やはり滅びを歩んだのだ。
ごく少数の生き残りは、また集落から始まり、長い時間をかけて数を肥大させる。それが繰り返されていく。
宇宙は生きているという。成長し続ける為に必要なエネルギーを、人々の争いから得ているのが真実らしい。
人々の小さな行動でさえ、あらかじめ決まっている。
赤ん坊は無垢だ。悪意もなければ、善意もない。だが、善悪を知っている。
ならば何故、人は悪意に染まるのか?やはり宇宙の意思だからだろうか?
それを極端に嫌う二人の男、魔帝ヴァルゼ・アークと千年前の終焉の源ダイダロス。
彼らの思想は嫌いじゃないが、不器用にしか思えない。
インフィニティ・ドライブは宇宙が捨てた罪の意識。
それを拾ったアダム。
そのアダムの直系……藤木蕾斗。
人間よりも大きな存在が、単体として存在している。
いや、もう一人。現在の終焉の源、目黒羽竜。
複雑に絡み合い、解く事など不可能な運命の糸が切れた時、最後に残るのは誰なのか?
それとも、誰も残らず宇宙はまた新しい時代を創造するのか?
興味は絶えない。
だが、答えは出るのだ。
人々の命など、問題にならない。未来は彼らが握っている。
答えが出るまで、尊い命などどこにもない。




