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現実と妄想ー現妄実想ー  作者: 秋元 あき
9/14

外のゲームセンター

 チュンチュン…チュンチュン――…


 オレは小鳥のさえずりを聞いて目をさました。

 

 時刻は6時59分だ、と、枕元の目覚まし時計が語っていた。



 「・・・・・・フゥー・・・」


 オレは小さくため息をつくと、ベットから起き上がった。


 


 あぁ、ヤバイ。かなり筋肉痛だ。

 ・・・ってか、コレを期に運動部にでも入ろうかな?

  そうすれば、きっとアイツよりも力がはやくつくだろうし・・。




 オレは筋肉痛でこわばっている足や手をもみつつ、立ち上がる。


 「学校・・・いつも遅く行ってるし、今日くらいは早く行くか・・・・・」





 オレは顔を洗い制服に着替え、リビングに入る。

 

 「水都、まだ朝ごはんできてないわよ。あんたいつも遅く起きるから~。」



 「・・・分かった。じゃぁ、母さん食パンちょうだい?」


 「そこの棚に入ってるでしょ。自分でとりなさい。」



 オレはリビングの棚から食パンを一枚、とりだすと口にくわえた。



 「ふぁあ、ふぃっふぇふふ((じゃぁ、行ってくる))」


 そう言うと玄関を飛び出した。



 




 ・・・オレだけだろうか? いや、タブンみんなそうだよな??

 学校に行く途中、完全登校時刻より時間があまりすぎれば・・・

             誰だって、寄り道したくなる・・よな??




 オレは学校から少し、5分歩いてつくところにある、駅前をぶらぶら歩いていた。

 たくさんの店や東京にくらべたら、小さいビルがたくさん立ち並んでいる。


 


 オレの下校する道は全く正反対の道だが、こちら側から家に帰る人はほとんど、帰りに寄り道でもしていることだろう。

 



 「学校に早く行っても、やることないもんな~。」


 オレはのんきに独り言。




 ・・・と言うが、ここに来ても対してやることはない。

    


 まぁ、学校で椅子に座ってるより、ここで歩いてる方が筋肉にも良いかな~。




 オレは駅前の町をぶらぶらと、行ったりきたり、歩いた。





 ・・・あ、・・そういえば、悠斗ってオレの家に向かえに来るのかな?

 オレはそう思い家の方角をみた。・・・でもすぐに前を向く。


  ・・・・まぁ、そんな訳ないか。

  アイツは、もう・・・ぁ、あれだからな!!


 オレは(無理やり)暗い気持ちを振り払い、笑った。


 

 オレは目の前からやってくる、ある集団に目をとめた。

 集団といっても青年が4人、いるだけなのだが・・。



 いや、それよりも、正確に言うと、ある集団の中の一人に目を止めた、の方があっているだろう。




 目の前からやってくる青年集団(4人)。

 その中の、一人が知り合い、だと気づいたのはソイツがオレをがんみしていたからだ。




 ――・・黒澤 洸・・・・――



 ヤツとその周りの青年たちの内2人は同じ学校の制服を着ていた。

 が、もう一人は普通のチャラい私服姿だった。



 オレは黒澤と目を合わせないようにしながら、通り過ぎようとした。

  昨日のこともあるし、とにかく、気まずかったのだ。





 ・・・・・・ が ・・・・・・



 「水都、昨日ぶりじゃん。」



 すれ違う寸前にヤツが、黒澤がオレの腕を掴んできた。



  …てか、水都って名前呼びになってるし!


 

 黒澤の声に周りの3人の青年も振り向く。



 オレは思わず、苦笑いをした。

 「・・・黒澤・・。」



 ・・・あぁ、こういう時ってなんていえばいいんだよ!!



 オレの混乱をよそに、黒澤はオレのことを回りの青年達に紹介し始めていた。



 「コイツ、俺のクラスのヤツ。青樹 水都。」




 青年達はしばらくオレのことを上から下、下から上へと見たあと、言った。


 「俺は千葉チバ アキラよろしく!」


 「自分は 井伊田イイダ 直祐ナオスケ!」



 同じ制服を着た二人がしゃべる。



 井伊田 直祐の方は同じ学年だから見たことはある。

 千葉 暁はタブンおそらく・・年上だろう。



 オレは二人が差し出してきた手を握った。



 

 ・・・ってか、黒澤って友達いたんだ・・。

         感動だ~~~~。


 オレな内心関心していた。




 「オレ~、池田イケダ 健吾ケンゴだ。大学1年。よろしくな。」


 私服のヤツの手も握るオレ。



 ・・・とゆうか、何でオレは黒澤の友達に よろしく といわれてるんだ?

   あぁ~・・・何か嫌な予感がしてきた。




 「あ、じゃあ、オレちょっと~・・――」


 「じゃあ、せっかくだし、ゲーセンに みんなで 行こうぜ!」


 千葉 暁がオレの言葉をさえぎった。




 ・・・あぁ、これはもう、抜けられないパターンだ。

 ってか、ここで抜けたら KY だよな・・。

  年上多いし。断れない・・。



 オレがしょんぼりしているとふいに黒澤がよってきた。



 「水都、行くよな?・・・昨日約束した。」


 「お前、ハメたのか!?学校どうするんだよ?オレ昨日も遅刻だったし!!」



 オレが吠えると黒澤は面白そうな目の色をした。


 「ちょっとくらい、遅れてもいいじゃん。」



 オレはヤツを睨もうと思ったがやめた。

  約束破ったら怒るから。

     昨日のヤツの言葉が頭に焼き付いているのだ。




 オレ達5人はすぐ横にあるゲームセンターへ向かった。

 

 すぐ横に、くっつくくらいの間をあけて歩く黒澤がいた。

 

 オレは内心ムカムカ、モヤモヤしつつ笑顔を必死で顔に貼り付けていた。


 

 ツッコムの面倒くさいな。。

 ・・・まぁ、後でじっくり復讐してやるよ!!その時に今の恨みを全て発散させてやる!



  ゲームセンターは平日だというのに混んでいた。

 たくさんの人間にぶつかりながら前に進んで最初に止まったところが、ユーフォーキャッチャーがたくさん並んでいるところだった。


 

 ここには彼氏彼女の2人組みが多かった。


 「水都君、何か欲しい人形があったら言って。オレ~取るから。」

 池田 健吾がオレに笑いかけてくる。


 

 「・・・いや、特にないです。それに、これから学校ですからぬいぐるみは持っていけないですよ。」


 オレが丁寧に敬語で話すと、池田 健吾は眉をひそめる。



 「水都君、敬語はやめれ~!オレ~苦手なんだよ。」


 オレが笑顔を作ってうなずくと横にいた黒澤がオレの腕を掴んで歩き出した。



 「っちょ、何?・・・どこ行くの?ってか、離せよ!」


 

 黒澤は無言だった。


 オレ達のあとをつけて3人が早歩きしてきた。



 「・・・水都、どこ行くの?」

 千葉 暁の問いにオレは首をかしげることしかできない。



 「めずらしいなぁ。洸が行く場所いわないって。」

 池田 健吾は珍しそうにうなずく。



 たどり着いた場所は、プリクラの機会が立ち並ぶコーナーだった。


 ・・・え?まさかプリクラとる気?

  えぇぇー嘘だろ!?黒澤、お前女かよ?

  

 黒澤は一つのプリクラの機会の中にどうどうと入っていった。






 9時23分、ゲームセンターからオレ達は出た。



 「オレ。トイレ行ってくる!」

 千葉 暁は大きい声で手をあげた。



 「お前、トイレ近いからなぁ~。オレ~も行く!」

 千葉に続き、池田 健吾も同意した。



 二人のやりとりを聞いて、オレは黒澤に問いかけた

 「・・・黒澤は行く?」


 「行かない。」


 「じゃぁ、オレも行く!」


  黒澤は睨んできた。


 「じゃぁって何?じゃあって・・。」


 オレはその言葉をスルーして、千葉 暁と池田 健吾、の3人で歩き出した。黒澤と一緒にいるのはもう限界だったのだ。



 トイレはゲームセンターの奥にあった。

 機会の裏側のところにあったため、目立たないし、特に人もいなかった。



 誰よりも先にトイレをすませたオレは手を洗って、お手洗いから出た。 もちろん、みんなを待つためにドアの前で待機していた。



 「お、ここにいたか。」

 健吾が2番目に出てきた。


 「はい。暁さんは?」

 オレのときに健吾は満面の笑みになる。


 「まだ、終わってなかったよ。」



 「・・・そうなんだ。」



 敬語を禁止されているとはいえ、タメ語ではどうにも話しずらい。


 気まずいなぁ~・・・。ってか、このまま先に学校にいってちゃダメだよな。。

 これは最終的に、黒澤たちと一緒に学校に行くパターンじゃん!

 黒澤と登校、だなんてありえないし!!!



 オレは不安と怒りが激しくまざりあい、笑顔なんて作れる状態じゃなかった。


 オレの心情を知らないであろう、健吾はオレの手に一枚の紙を握らせた。




     「いつでも連絡ちょうだい。」



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