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現実と妄想ー現妄実想ー  作者: 秋元 あき
8/14

放課後のこと

 キーンコーンカーンコーンキー・・・・


 帰りの会が終わり、生徒はそれぞれ帰る準備をしていた頃だ。

 アイツは突然オレのもとにやってきた。



 


 「3時限目、ざぼってたみたいだけど、何してたの?」


 この声は、くそ澤・・・間違えた。黒澤洸だな。


 

 黒澤の声にオレはおそるおそる振り向いた。

 


 

・・・いつもいる周りの男子達がいない。

 珍しいな。と思いつつオレは不機嫌そうに眉をしかめてみせた。

 



 「別に?関係ないじゃん。」



 ・・・よく考えれば、こいつオレより力ありそう・・だな。

 や、やばい!なんか怖くなってきた!!


 オレはびびりつつ、それを悟られないように胸をはった。




 「・・・関係ある。クラスの仲間じゃん。」


 黒澤洸は冗談とも真面目ともいえる笑みを浮かべた。

 オレは黒澤洸と話すのはいやなので話を切り上げようと思った。



 「っそ。・・・じゃぁ、オレ忙しいから。」


 かばんを手に くるり と黒澤に背を向ける。


 

 「どうしたの?なんか今回はアッサリした話し方だね。」



 ・・・黒澤君と話すのが嫌なだけだよ!

  「別に?そんな事ないし。」



 オレは、アッサリ冷たく言い放った。

 


 もうコイツと話したくないね!人の友達奪っといて!!

 

 オレはすたすたと教室の出口へ早足でむかった。


 

 「・・・・」



 黒澤からなんの返事も無いな~と思ったときだ。

 突然、後ろから首をつかまれた。


 「!?――な、なにすん」



 「俺に冷たく接するなんて、いい度胸。」



  言葉と同時に黒澤は首を掴んだ手に力をくわえた。


 「・・・・んっ・・は、なせ・・・」



 助けを求めようと、辺りを見渡すが、誰もいない。



 みんな帰るの早いなぁ!?

 オレもさっさと帰っちゃえばよかったよ!

 今さら後悔しても意味ないけど・・。


 

 「もう二度と、冷たくしない、って言え。」


 黒澤は飢えた獣のような目でオレをジィッと見ていた。




 って、この状態で声だせるわけ無いだろぉ!?首絞められてるんだぞ?

 首から空気が少ししか入ってこないんだぞ?バカか、お前はぁ!!!



 オレは必死で空気を吸った。



 ・・・ャ、ヤバイ・・意識が、もうろうと、・・して、き・・・た・・・。




 オレは悔しい思いをかみ締めた。


 


 こうなる前から力をつけておくんだった。

 ・・・そしたら、こんな一方的になんてならなかっただろうし・・。

 でも、このまま人生終わるなら、最後に反撃でもしたいな。



 オレは最後の力を振り絞って、黒澤の腹をめがけてキックした。




 ドダン!


 「・・・っ痛・・なにすんだよ!」


 オレが黒澤にしたキックは軽々と首を絞めていない方の手でつかまれた。

 それと同時に黒澤の首を閉めていた方の手がいきなり首からはなされ、オレはしりもちをついたのだ。


 


 「ゴホォッゲホゲホッ、ッ!ゴホゲ、ホッ!!」

 オレは空気を体いっぱいに取り込もうと必死に息をする。

 


 「やっぱり、青樹君は面白い。ねぇ、知ってる?」


 オレは立ち上がると同時に黒澤の顔をみた。



 ・・・こ、怖っ!超オレのことにらんできてるし!!

  もはやコイツは人間じゃない!!悪魔だ!!

 ってか、コイツ人の首を簡単に締めれて、謝罪も無いのかよ!?

  


 オレは一歩後ずさった。



 「・・し、しってるって、何を?」



 ・・声が震えてきた・・。


 とゆうか、今オレの目の前にいる男は人を簡単に殺すことができるのかもしれない・・・・・。ヤバイ、逃げなきゃ!

 



 黒澤はオレは一歩後ずさると一歩前へ前進してきた。

 口元にはうすい笑み。目には獣のように飢えたオーラを宿しながら。



 「・・・人の腹を蹴ってもいいやつは、自分も腹を蹴られる覚悟があるっヤツだけ。よくTVでこういう台詞あるよね?」


 

 オレは背筋が寒くなるのを感じた。




 ・・TVでよくあるのか?その台詞。一回も聞いたことないけど・・。

 ってか、コイツ、まさかオレの腹を蹴るつもりか!?

  冗談じゃねぇ!!!





 オレは教室の出口に向かってかけだした。

 



 しかし、出口に出る前に黒澤に腕をつかまれる。


 

 「・・!?・・・は、離せぇ!!!」




 前の休み時間にも似たような台詞を言った気がする、と思いつつオレは暴れた。

 腕を振り回しかばんを振り回し、足を振り回し。



 そんなオレを見て、ニヤリッと笑ったあと黒澤は、オレを自分の方へ思いっきり引っ張った。

 当然、オレはバランスをくずし、引っ張られたほうへ倒れる。



 「・・・青樹君って本当、かわいい。無部だっけ?力、全然無いんだね。」


 黒澤は倒れかけたオレを後ろから抱いて、耳元でしゃべる。



 「・・!!っ・・・はな、せぇ!!!」


 離れようと振り回すオレの腕を黒澤は力ずくで押さえつける。



 「・・大丈夫。腹を殴ったりなんかしない。」


 「大丈夫、じゃねぇ!何で抱く必要があるんだ!!離せ!」


 「離して欲しいなら、もう二度と俺に冷たくしないって言え。」


 「っはぁ!?冗談じゃないぞ、そんな事言えるかぁ!!!」


 「じゃぁ、一生離さない。」


 「・・・・・」



 ・・・一生って、そんな事できるわけないだろ?

 しかも、ここ学校だし!授業中とかどうする気だよ!?

 ん・・待てよ!このままここにいれば、誰かが通りかかって助けてくれるんじゃ・・・・。


 そこまで考えてオレは首を振った。



 誰かが通る・・っていつになるんだ?

 いや、それより、それまでずっとこの状態?嫌だ!!嫌だよ!!



 オレは意を決して口を開いた。


 「・・・冷たく接しないから、・・離せ。」


 オレはしぶしぶ言うと、黒澤は満足げにささやく。


 「よし、良い子だ。」



 ・・・・・・・



 しかし、いくら待っても黒澤がオレを離す気配はない。


 「おい!いい加減離せよ!?人に見られるだろ?」

  

 コイツ、足のかかとでスネ蹴ってやろうか?

 オレはムカムカと腹の底から怒りがわきあがってくるのを感じた。


 「・・・約束。破ったら怒るから。」


 黒澤はそう言うと、オレをさらに強く抱きしめたあと、ゆっくりと離した。



 その瞬間、オレは教室をダッシュでとっぱした。

 黒澤が追いかけてくる気配はなかった。



 ・・・・アイツはいったい何がしたいんだ?訳分からないやつだ!!

  もう二度と、アイツと話したくない!

  ・・でも、約束破ったら殺されそうだな。

  ・・!!そうだ!じゃぁ、反撃するのはオレが黒澤よりも力をつけてからにしよう!!



 オレは家に帰ると同時にジャージに着替え、外へ走りにいった。。

 

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