表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現実と妄想ー現妄実想ー  作者: 秋元 あき
5/14

失恋~失った恋~

そのとき、オレは自分の目から何かが出てくるのがわかった。


 涙だ。


 

 「・・!・・・ぇ、と・・・どうした?」


 悠斗はひどくビックリしたような顔をした。

 それと同時に、オレへの対応の仕方に戸惑っているのか、おどおどとしていた。


  

 あぁ、オレのバカ・・・。

 何勝手に泣いてるんだよ。



 オレは涙を止めようとする。でも、止まらない。



 「・・め・・・・・・・お・・・っと・・・す・・・い・・・。」

 

 「・・・ん?ごめん、もう一回言って。」



 悠斗が耳を近づけてくる。


 ・・・だ、ダメだ。もう・・・限界!!



 オレは走り出した。

 もう、これ以上アイツのそばにいたら、声を上げて泣きそうだ。

 オレはいっきに階段を駆け下りた。

 そして、たくさんの生徒の笑い声がする廊下を走る。



 どこかへ、隠れたい!一人になりたい!!




 周りのヤツ等がオレを見てギョッとする。



 でも、そんなの気にしない。


 オレは走り、走り、走り・・・。

 ついに何かにぶつかった。



  ドダン



 ーーーーー壁だーーーーー

 

 どうやら、オレはダッシュで曲がることなく前進していたらしい。


   ・・・・・・


 オレの周りで一瞬沈黙が


 タブン、きっと周りのヤツ等はオレを驚きの目で見ているのだろう。



 オレは恥かしくなった。恥かしくて、恥かしくて・・・・・

 顔が熱くなる。


 オレの涙はまだ、止まらない



 「っちくしょう!!!!」


 オレは隣にある階段をいっきに駆け上がった。


 屋上へ行くのだ。



 大丈夫!もうすぐ授業が始まる時間だ。

 悠斗は絶対に教室に戻っている。

 遭遇することはない。



 そう思いつつ、オレは屋上のドアを開けた。



 「・・・ぅ、うぅ・・・」

 もうたえられない。声を出して泣きそうだ。



 屋上に飛び込もうとしたとき、誰かとぶつかった。



 オレはしりもちをつく。


 「・・・ふぇ・・・・」



 やばい!声をだして今にも泣きそう・・・。

 ってか、こんなときに誰だよ!?


 「・・・水都・・・・・・」


 相手がしゃべる。

 その声を聞いてオレはおどろいた。





 ・・・・・・ゆ、悠斗・・・・・?

 ・・・どうして、彼がここにいるんだ!!


 オレと悠斗は二人、同じくらい大きく目を見開いていた。

 ダルマさんの用に動かない二人。


 悠斗は、オレの泣き顔を意外そうに、珍しそうにガン見していた。

 


 まぁ、確かにオレは人の前で泣いたことはあまり無かったけどさぁ、

そんな顔でガン見することないんじゃないかな?

 とゆうか、どうしてヤツがここにいるんだ!? 

 教室に帰ったんじゃないのかよ!!

 


 どうやら困惑しているのはお互い様らしい。


 

 

 オレ等はしばらくの間、無言でいた。




 

 何分間、尻を床につけていただろうか?

 オレはやっとの思いで立ち上がった。


 「わりぃ、・・・・・・ど、どいて。」



 オレは悠斗を押しのけて屋上に入った。

 そして彼の背中を押して、屋上から追い出す。



 「ぅお、おい。水都!・・・そろそろ授業始まるぜ?教室にm――」


    バタンッ!!


 オレは悠斗がしゃべり終わらないうちに屋上のドアを閉めた。



 ・・・たのむ。今は一人にしてくれよ!

 何も言わずに教室に、かえってくれ!!ダルマの様に、もうなにもしゃべらないでくれ!!



 オレは祈るような気持ちで思った。


 彼がドアを開けてこないようにドアに背中をつけてよっかかりつつ開くのをおさえる体制になる。


 

 でも、ヤツはオレの心情などおかまい無しにドアをたたいてきた。



 「あ、あけろ!ってか、何でお前泣いてんの!? 何?もしかして、オレが悪いのか?オレ何かしたのか?」



 ちっ。鈍感なヤツめ!



 オレは怒りとも憎しみともいえない、何か苦しいものが腹の底からわきあがってくるのを感じた。




 「ゆ、悠斗のセイジャナイ。た、ただ、ぇと・・・昨日見た感動系の映画を思い出しちゃっただけだよ!」




 オレは声の振るえをおさえて叫ぶ。



 「な、なんだそれ!?お前って泣きやすいのか?・・・ぃや、そうじゃなくて!!だったら、何で逃げたんだ?さっき。」




 悠斗のドアをたたく音がなくなった。


 ・・・ってか、こんな言い訳信じるなんて。やっぱり悠斗はお人好しだな。プライド高いけど。



 オレは内心そう思いつつ、言い訳を考えた。



 ん~何で逃げたって言われてもな・・・。

 うん○したかったから・・・ってそれはちょっと下品か。

 じゃぁ、家のペットが学校を歩いてたの見えたから、とか?ン!何気にいいせん行ってるぞ!


 オレは、一番よく考えられたと思った一つの言い訳をした。




 「・・・と、友達と待ち合わせしてたの思い出したからだよ。逃げたんじゃなくて!」





 オレの言葉に悠斗は一瞬沈黙する。

 

 タブンいつもの3倍は目を見開いているだろう。

 さ、はたしてヤツはこの言い訳(?)を信じるかな・・・。



 オレは内心ドキドキしながら、彼の答えをまった。



 しばらくして、彼の笑い声が聞こえてきた。



 「ハハハハー!そうかそうか!!」


 「・・・何?どうかした?」


 怪訝そうな声を出すオレ。


 そんなオレに悠斗はわらいながら答えた。



 「ぃや、わりぃ、わりぃ!ってか、だったら、ちゃんと言ってから走り出せよな?オレはてっきり、自分のせいだって思ってたんだぜ?」



 まぁ、そうなんだけど。

 オレは内心あきれつつ、言った。


 「言わなくてごめん。ってかもうすぐ授業始まるよ?行けよ!教室に!!」


 ・・・よかった。ってか、さすが悠斗だ!信じてくれたよ~!!

 オレは少しだけ、嬉しくなった。


「お前は?行かねぇの?」


 不思議そうにたずねてくる悠斗。



 「・・・ぉ、オレは、涙がかわいてから行くよ。昨日見たやつが・・かん、感動しすぎて・・・さぁ」




 「そっか。分かった!じゃぁ、まぁ速めに来いよ!あ、あとそんなに面白い映画なら今度教えてくれよな!」



 悠斗はそう明るく言うとかけていった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ