第46話 試験内容は
ドラゴンゾンビを二人で討伐とか、リスク高すぎ。
どれだけジョビジョバ家の血筋を信じて……いや、待てよ。
本当にそうか?
リディックのせいで調子がくるってしまっていたが、冷静になって考えてみれば違和感しかない。
俺の力が上二人ほどでない事は、フォンハイム侯爵だって理解しているはずだ。
ドラゴンゾンビがドラゴンの中で弱い方だとは言え、家を追い出されたミソッカスの三男である俺に、果たして大事な息子の命を預けたりするだろうか?
リディックは次男だから、死んでも問題ない?
そんな訳はない。
侯爵は子供に超甘い事で有名だ。
リディックが侯爵の許可も取らずにドラゴンゾンビ討伐を画策している事からも、それが良く分かるだろう。
かなりの自分勝手が、許されてる訳だからな。
なので、息子が死んでもいいなんて絶対考えない筈である。
だからと言って、ジョビジョバ家の出というだけで、俺に絶大な信頼を置くとも思えない。
――なら、導き出される答えは一つ。
ドラゴンゾンビ退治はするな。
である。
因みに、さっき俺の視線に対して執事は会釈しいる訳だが……あれはリディックと一緒にドラゴンゾンビの討伐を頼むという意味ではなく、此方の事情を察し、貴方の判断で断って欲しい。
という意味だった訳だ。
元貴族なんだから、それ位の判断できるよね?
というのを、暗に求められた訳である。
危ない危ない。
危うく真逆の意味に受け取るところだったわ。
まあそもそも、息子に危険を冒させたくないなら自分の所できつく言えよって話ではあるが……子供に超甘い侯爵は、言えなかったんだろうな。
お前じゃ無理だって言うようなもんだし。
問題はギルドの意図だな……
「リディック。一つ聞いていいか?」
「む?質問か?何でも聞いてくれていいぞ」
「ギルドから、監督する人物がついて来るって話は聞いてるか?」
「ん?そんな話は聞いていないぞ」
「そうか」
監督官は無し。
つまり、監督する必要は無いって事だ。
ギルドも、フォンハイム侯爵の意図を組んでこの依頼を俺にまわしてる訳だな……
少数によるドラゴンゾンビ討伐に求められるのは、ぶっちゃけ強さだ。
だが、俺の強さは既に最初の試験で証明されている。
これ以上、それをテストで確認する意味はない。
だが、ギルドはこのひたすら強さを求められる依頼を、俺にテストとして寄越した。
何故か?
答えは簡単である。
試されるのはドラゴンゾンビを倒し切る強さではなく、無茶な依頼に対する対処能力だからだ。
直で会っていかに対応するか。
今回でいうなら、どうやって角を立てずに終わらせるか。
きっとそれが試験なのだろう。
冒険者には、状況次第でそういう能力も求められそうだしな。
後、よくよく考えたら、依頼内容も事前に教えてくれてなかったし。
まず間違いないだろう。
「ふむ……」
対処方法は2つある。
一つはゴールの変更だ。
今回の依頼でいうなら、二人でドラゴンゾンビを倒すという無茶な条件。
それを変える。
頼りになるメンツを増やして、安全性を高めるとか。
もしくは、目的を討伐ではなくその強さの調査や、部位を破壊して持ち帰るといった物へ変更させるとかだな。
「二人でドラゴンスレイヤーに挑むのは、少々リスクが高すぎる」
「リスクを恐れてどうする!そんな事では栄光をその手にする事は出来んぞ!」
俺はそんな物、一切求めてねぇよ。
「俺がジョビジョバ家の人間だったなら、リスクは無視して挑んだかもな。けど、今の俺はただの冒険者シビックだ。確実な状況以外での依頼は受けられない。だから人数を増やすなり、倒すのではなく強さの調査なら依頼を受ける。そうでなければ――」
そして2つ目は、ずばり依頼の破棄だ。
ぶっちゃけ、後者の方が手っ取り早いのだが、相手は貴族だ。
断れば碌な事にはならない。
だから、それを穏便に済ませる能力が求められる。
訳だが……
「悪いが依頼は受けられない」
リディックは俺に好意的かつ、後を引くような性格をしていない。
なのでばっさり断らせて貰う。
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