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-後編-

   ◆ ◆ ◆




 芦屋家の縁側。

 暖かな陽ざしを浴びながら、小夜と春敬は並んで座っていた。


「入門書としてはこれをお勧めするかな」

「ありがとうございます」


 春敬が持ってきたのは年季の入った数冊の書物。

 小夜は一冊を手に取った。

 紙をめくる音が庭に響く。


「とても分かりやすいです」

「うんうん、それならよかった。いきなり実戦は難しいと思うから、まずは知識を頭に入れるといいよ」


 小鳥が二羽、どこからともなくやってきて地面の上で何かを探しはじめる。


「時々、医者の手に負えない病気や怪我について芦屋家に相談が来ることがある。怪異が原因だと判断された場合、旦那からおいらに仕事の依頼が来るって訳。もしくは、旦那が、怪異に襲われた人間を助けた場合の治療」


 ぴっ、と春敬が右人差し指を立てた。


「後者は、たとえばお嬢さんを助けたときなんかがそうだね」


 春敬が言っているのは、小夜が刺客として茂彬の目の前に現れたときの話だ。

 あのときの茂彬の判断としては、小夜が何者かに操られているというものだった。

 ……実際は、小夜は自らの意志で茂彬を暗殺しようとしていたのだが。


「珊瑚の髪飾りは呪具だったろう?」

「そういえば、あれは……」

「旦那が然るべき手順で解呪してたよ」


 そうでしたか、と小夜は呟いた。

 綾子は呪具製作においても天賦の才の持ち主だ。

 解呪されたならば伝わっているはずだし、さぞ悔しがっていることだろう。


「あとは、お嬢さん自身にかかっている呪いも解けたらいいんだろうけれどねぇ」

「……ご存じでしたか」

「そりゃそうさ。旦那から相談されたんだ」


 なお、茂彬は洋装で出かけてから屋敷へは戻ってきていない。

 みつによると外国からの客人の接待だという。

 芦屋茂彬の、若手実業家としての仕事である。


「まぁ、この屋敷自体が結界みたいなもんだから。もし体に不調をきたすようなら、早めに教えてくれよ。お嬢さんに何かあったら、おいらが殺されちまう」


 春敬が大きな動作で伸びをした。


(不調……)


 小夜は夢の話をすべきかどうか迷ったが、口を噤む。 

 目当てのものを見つけたようで小鳥たちは地面をつついていた。




   ◆ ◆ ◆




「小夜さん。無理しなくたっていいのですよ?」

「いいえ、これくらいは」


 小夜は、みつと共に屋敷の外へ出かけていた。


 茂彬が帰ってくるということで、彼の好物を作ろうという話になったのだ。

 いくつかの商店をまわり食材を調達。ふたりは大量の荷物を抱えて、家路を急ぐ。


 留守番ではなく買い物に同伴することを希望したのは小夜だった。


 小夜が外に出れば、綾子が何かを仕掛けてくる可能性は高い。

 だからこそ小夜はありったけの防御を用意した。

 綾子から虐げられるのは当然のことだと考えていた小夜にとって、考えられない行動でもあった。


「今日は小夜さんにも手伝ってもらいましょうかね」

「……いいのですか?」

「えぇ。旦那様が反対されていたのは、小夜さんに無理をさせたくない、ただそれだけのことですから」


 小夜は胸をなでおろす。


「旦那様の好みの味付けも教えますね」

「はい。よろしくお願いします」


 小夜とみつは顔を見合わせて笑った。


 刹那、小夜は背筋に殺気を感じ振り返る。


「……!」

「小夜さん?」

「みつさん。わたしから離れないでください」


 太陽はまだ高い位置にある。


(狙ってくるとしたら黄昏時以降だろうと思っていたのに)


 小夜は懐から式札を取り出した。

 周りの人々の様子は、何も変わらない。


 ただ、確実に空気は変わった。


 風に運ばれてくるにおいが違う。

 小夜は神経を研ぎ澄ませた。緊張が、皮膚を刺してくる。

 一瞬の油断が命取りになる。

 瞬きも、唾を飲み込むことも、してはならなかった。


(どこから来る……?)


 小夜はかつてないほどに緊張していた。

 今は茂彬がいない上、みつを守らないといけないのだ。


「……っ!」


 ちりり。

 小夜の目線上に、式神が現れる。その心臓部に組み込まれているのは五芒星。線が朱く光った。


『お姉様、ご無沙汰しておりますわ』


 歌うように語りかけてくるのは綾子だった。

 式神といえど油断はできない。相手は稀代の暗殺者なのだ。


『そろそろ、芦屋茂彬は油断してきた頃合いかしら?』


 綾子は、小夜が茂彬を巻き込んで目的を達成するのだと考えているのだ。

 従うふりをして、弱々しい牙を研いでいるのだと。

 小夜は息を呑んだ。


(言わなければ。今、ここで。みつさんの前で)


 言葉を発しようとすればするほど、口の中が渇いていくようだった。

 動悸で耳の奥がうるさい。


「わ、わたしは」


 背筋を伸ばして、小夜は宣言する。

 

「わたしには、あの方を殺すことはできません」


『何ですって?』

「小夜さん……!」


 小夜の後ろに立つみつの声は、何故だか涙混じりだった。


『まぁ、呆れたこと。言うに事欠いて、任務の放棄? だとしたらここで死んでも、何も言えないわね』


 綾子の声はどこまでもあっけらかんとしていた。

 彼女にとっては、人間は殺すか利用するかの二択しかない。血縁であろうとなかろうと、関係ないのだ。


 ぶわぁっ……!


 綾子の式神が、背後に大きな影を作る。まるで荒々しい獣のように。式神に描かれた五芒星を心臓としてうねりながら咆哮する。


 いつの間にか周囲の通行人たちは消えていた。

 つまり小夜たちが立っているのは、綾子の結界の内側ということだ。


(勝てる訳がないし、勝つ必要もない。ここから逃げて、《《帰れたら》》それでいい)


 小夜は自然と浮かんだ考えに驚く。


(……実家ですら、帰りたいと思ったことはなかったのに)


 そして、歯を食いしばった。


 しゅばっ!


 小夜は式札符を虚空へ放つ。意志を持ったかのように舞い踊り、獣の影へと向かう式神。

 腕を真っ直ぐ伸ばして、指先を己の式神へと向ける。


「〈青龍・白虎・朱雀・玄武・――ッ!」


 九字は途中で遮られ、小夜は尻もちをついた。

 獣の影が小夜を吹き飛ばしたのだ。

 ぱっくりと大きく口を開けて、小夜とみつを丸飲みにしようとしている。

 鋭利な牙が光る。処刑道具のような、獣の口。


(喰われる)


 圧倒的な力の差があることは承知の上で挑んだ。

 しかし、攻撃する機会も得られないままに呑まれようとしている。


(申し訳ありません、旦那様。みつさんを守れなかった……)


「小夜さんっ! 伏せてください!」


 叫んだのはみつだった。

 小夜が顔を上げるのと同時に、視界に入り込んだのは一羽の白鷺。


『小夜さんを死なせはしません』


 みつの声は、白鷺から発せられていた。

 神経を研ぎ澄ませていた小夜だったが、気を緩めてしまうほどの衝撃が走る。


「みつさん……あなた……」


(旦那様の式神だったなんて……!)


 通常、式神というのは人間の視覚で認知することはできない。

 しかしみつは街に出て買い物をしていた。


 思業式神(しぎょうしきがみ)

 しかも意志があり自立しているということは、かなり上位の式神である。


 白鷺は大きく羽ばたいた。そして、小夜と獣の影の間に浮く。


『へぇ。流石ね。この私でも式神だと気づけなかったなんて』


 それでも綾子の声は弾んでいた。


『それで、どうするつもりなのかしら?』

『逃げます』


 白鷺はきっぱりと言い切った。

 小夜も我に返って、新たな式札を懐から取り出す。


 みつの講じる策がどんなものかは分からないが、目指すものは同じ。

 まずは綾子の結界から出なければならない。


『逃げられるものですか。あなたを捕らえて、芦屋茂彬の戦力を削がせてもらうわ』

 獣の影の咆哮。音のない風が吹く。

 咆哮は結晶化して鱗のようになる。

 その闇を払うのは、白鷺の翼だ。


 綾子の結界中、散った無数の闇に光が反射して虹色に煌めく。

 小夜は腕で顔を覆いつつも視線を逸らさないよう努める。


(みつさん、強い……! わたしなんかよりも、ずっとずっと)


 それは綾子も感じているようだった。


『式神のくせになかなかやるわね。これならどうかしら?』


 闇の欠片は綾子の号令の下、ぴたりと止まった。

 そして一斉に白鷺へと向かう。


 ぴっ。

 そのうちいくつかは小夜の肌を掠めていき、血が滲む。


「みつさん!」


 小夜は式札を放った。

 

(わたしの式神がある程度綾子の攻撃を喰らえば、みつさんへ届く分が減るはず)


 その目論見は半分正解で、半分不正解だった。

 小夜の力ではほんの僅かしか叶わない。


 甲高い悲鳴。

 白鷺はあっという間に朱に染まり、落下する――




 そのとき、結界に易々と伸びてきたのは、二本の腕だった。




「〈青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳(こうちん)・帝台・文王・三台(さんたい)玉女(ぎょくにょ)〉」


 低く研ぎ澄まされた九字。

 腕はそのまま、血まみれの白鷺を受け止めた。


「ご苦労だった、みつ」


 さらさら……。


 白鷺が砂状になって消えると同時に現れたのは、まさしく芦屋茂彬だった。

 小夜が見送ったときと同じ洋装。


「だ、旦那様……」


 小夜は涙が出そうになるのを堪えて、唇を噛む。

 

 茂彬は小夜へ視線を向けない。

 その眼差しは凍りそうなほど鋭く、綾子の式神を見据えていた。


「藤田綾子か。会話するのは初めてだったか」

『さて、どうだったかしら』


 細かな闇の欠片は再び空中で止まる。

 綾子が攻撃の手を緩めたのではなくて、茂彬が止めているのだ。

 その証拠に、欠片は僅かに震えている。


『ところで、どうやって堅物のお姉様を籠絡したのかしら?』


 突然話を振られて、小夜は肩を震わせた。


『純潔でも奪ったのかしら? だとしたら、そちら方面の呪いを刻んでおけばよかったわ』

「あ、綾子さん、なんてことを……」

「妹君はだいぶ劣情的な人間のようだ」


 ふぅ、と茂彬が息を細く吐き出した。

 眉間に皺を寄せている。


「彼女はそのような対象ではない」


 小夜ははっと顔を上げた。

 同時に、ずきりと胸が痛むのを感じる。


(今、わたしはどうして……)


 浮かんだ感情を振り払う。


 いつでも動けるように、と小夜は気を引き締める。

 綾子とて、式神のみで茂彬を殺せるとは思っていないだろう。


(旦那様が現れた以上、ここでの戦いは長引かせないはず)


 発言主である茂彬は一枚の呪符を取り出した。

 縦四本と横五本からなる、格子。

 はしばみ色の瞳が黄金に烈しく輝く。


「〈呪符退魔、急急如律令〉」


 ごぉぅっ、と足元から巻き起こるのは、茂彬の圧倒的な力――

 小夜が瞬きをした次の瞬間、周囲に色と音が戻ってきていた。


「逃げたか」


 小夜の隣で茂彬が呟いた。その声に感情は見当たらない。

 手にしていたのは、みつが抱えていた食材だった。


「だ、旦那様……」


 どのように謝罪すべきか言葉を選ぶ小夜の顔色は悪い。


 茂彬はようやく小夜へと視線を向けた。

 そして、右手でそっと小夜の頬を拭った。


「……!」

「怪我をさせてしまったな。すまない」


 茂彬の瞳の色は元のはしばみ色に戻っている。


「みつを戻すには少し時間が要る。今日の食事は私が作ろう」

「い、いえ、旦那様にさせる訳には」


 うろたえる小夜。

 改めて認識する。みつは、茂彬の式神だということを。


「ならば、一緒に作るか」

「……え?」

「みつが戻ってきたときに、驚かせてやるといい」


 そう提案する茂彬の口元は、わずかに綻んでいた。




   ◆ ◆ ◆




 小夜にとって、生家は檻のような場所だった。

 綾子が生まれてからは特に、部屋は地下の一室へと移され、出来損ないと罵られる日々を送っていた。



 綾子が生まれる前。

 乳母に手を引かれて出かけた先は、麗らかな陽ざしの降り注ぐ神社の境内だった。


「小夜さん? どうかされましたか?」


 乳母の手をほどいて小夜は地面にしゃがみ込む。

 慣れない土のにおいに惹かれたからではない。

 野良猫が戯れているのが、普段見慣れているものだったからだ。


 式神符だ。猫の足元で、じたばたともがいている。


「めっ」


 小夜が野良猫を追い払おうとすると、野良猫は小夜を引っ搔いてきた。

 とすっ。

 しりもちをついた小夜を威嚇して、そのまま野良猫は立ち去った。


 地面に落ちたそれを見て、小夜は首を傾げる。

 縦四本と横五本からなる格子が描かれていたからだ。


「……五芒星じゃ、ない……?」

「芦屋家の式神符ですね。どうしてこんなところに」


 起き上がった人型の式札は、浮き上がると小夜の頬に触れた。

 ぺたりと。引っ掻かれた傷痕を、労わるように。

 そして、そのまま風に吹かれるようにして、どこかへ消えていった。


 小夜がこのとき幸運だったのは、この出来事を、乳母が小夜の両親へ報告しなかったことだ。


 不運だったのは、それ故に記憶の奥底に沈んでしまったということだろう。




   ◆ ◆ ◆




「まだ万全ではないのですから、座っていてください」

「いえいえ、そんな訳にはいきません」


 小夜が炊事場にいるところへ現れたのは、割烹着姿のみつだった。

 袖を捲って襷で縛り、準備は万端だ。


 綾子の式神との邂逅から数日が経っていた。

 みつは茂彬の手によって人間の形を取り戻し、以前と変わらぬように働いている。

 しかし、小夜はみつを気遣い、屋敷の中を走り回っていた。


「小夜さんは心配しすぎです。私が人間じゃないことはお判りでしょう?」

「それでも、です」


 賑やかな押し問答の末に食事は完成した。

 麦飯と漬物、煮魚の乗った箱膳を運び、茂彬と三人で昼食をとる。


 不意に茂彬が小夜へ尋ねてきた。


「今日、この後の予定はどうだ?」


 春敬と医術の勉強をするのか、という意味でもある。


「いえ、今日は約束をしておりません」

「ならば私に付き合ってもらいたいのだが」


「あら、お出かけされますか?」


 みつが明るい声をあげて、茂彬と小夜を交互に見た。

 茂彬がすまし顔で答える。


「珍しく予定がない。半日とはいえ、休むのはありだろう。……休めと言われたからな」


 あらあらまぁまぁ、とみつの声は弾んでいる。

 小夜は口をぽかんと開けた。


「何をそんなに驚いている」

「問題、ないのですか?」

「ないから休むと言っている」


 煮え切らない小夜に変わって、みつが尋ねた。


「ちなみに、どちらへ行かれるおつもりですか?」




   ◆ ◆ ◆




「い、いけません。そんな」


 小夜はうろたえ、瞳を潤ませた。


「これくらいいいだろう」

「……わたしには分不相応です」


 ふたりの視線の先にあるのは、立派なべっこうの簪だ。

 馬車の中で茂彬は、小夜が使える髪飾りを買いに行く、と告げた。


 珊瑚の簪は綾子の呪具。

 茂彬が処分してしまった。


 その代わりとなる物を贈りたい、と茂彬は言った。

 しかし、小夜としては受け取る訳にはいかない。


「わたしは芦屋家に預かりの身です。こんな高価なものを受け取る理由はありません」

「では理由を変えよう。みつが怪我をしてから家のことを進んでやってくれているが、給金を出す訳にはいかない。もし今後生活に困ることがあれば、質にでも入れるといい」


(どうしよう。旦那様の言っていることが、さっぱり分からない)


 なお、べっこう店の主は笑みを浮かべ、ふたりの押し問答を眺めている。


 やがて、勝敗は喫した。

 そもそも小夜が茂彬に敵うはずがなかった。押し切るようにして、茂彬は簪の代金を支払った。


 恐る恐る小夜はそれを受け取った。

 決して華美ではないが、気品を漂わせている一本の簪。


「……ありがとう、ございます」


 そして、心のなかで誓う。


(たとえ芦屋家から出る日が来たとしても、絶対に売ることはないと思うけれど)


 ただ、その日は確実に訪れる。

 小夜は藤田家に戻らなければならない。その後は想像に難くない。

 それならば、穏やかな日々の想い出として隠し持っておこう、と……。


 視線を感じて顔を上げると、茂彬ははしばみ色の瞳でじっと小夜を見つめていた。


「挿さないのか?」

「え、えぇと」


 小夜は髪を束ね、まとめるために簪を挿した。 

 恐る恐る茂彬を見遣る。


(……!)


 茂彬の口角がわずかに上がっている。

 表情も、どことなく柔らかい。

 小夜は気づいてしまったことを気づかれないように、俯いた。




   ◆ ◆ ◆




 買い物を終えたふたりは、帰路につく。

 陽はまだ高い。

 みつと共に、茶菓子でもいただこうかと話していたときだった。


「茂彬さま!」


 軽やかな、鈴の音のような女性の声だ。

 屋敷の前に立っていたのは、矢絣の小袖に海老茶色の袴の、女学生。


 茂彬の姿を視界に捉えると、彼女は茂彬目掛けて駆け寄ってきた。


淑子(よしこ)


 茂彬が口にしたのは彼女の名前なのだろう。

 ふわりと、明るい少女の表情が、更に明るくなる。


「学校はどうした」

「夢で茂彬さまにお会いしたら、いてもたってもいられなくなりました」

「つまり、脱走してきたということか」

「課題はきちんと提出してまいりました」


 茂彬がこめかみを押さえてわざとらしく溜め息を吐き出した。

 傍らで見ているだけの小夜だったが、その珍しさに目を丸くする。


(旦那さまが呆れている……?)


 確かに、突然現れた少女と茂彬の会話は、絶妙に成立していない。

 そして少女は小夜を認識していなかった。

 小夜が困惑していると、ちょうどみつが現れた。


「お帰りなさいませ、旦那様。あら?」

「みつさん、お久しぶりです」


 少女は、茂彬との距離を変えないまま、顔だけみつへと向ける。


「あらあらまぁまぁ」


 みつが口癖と共に小夜と少女を見比べた。


「旦那様、中へお入りになられてはどうですか? 小夜さんも、淑子さんも、おやつを出しますね」

「『小夜』?」


 ようやく、淑子は小夜に気づいた。

 きょとんと首を傾げながら、口をすぼめる。


「あなた、だぁれ?」


 悪意もなければ興味もほとんどない、問いかけだった。


 みつの説明によると、少女の名は芦屋淑子(よしこ)

 分家筆頭の長子。すなわち、一族によって決められた茂彬の婚約者。

 両親は薬草畑の管理を任されている。


 淑子は淑子で、小夜が芦屋家にいる経緯は知らなかったらしい。


「《《淑子》》と同い年ね」


 淑子は、小夜にではなく、茂彬へ向けて感想を述べた。

 そんな彼女は茂彬の隣から離れようとしない。


 向かい合って座る小夜は愛想笑いを顔に貼りつけたまま、ふたりのやり取りを眺めていた。

 煎茶と共に出されたのは南蛮菓子ことカステラ。

 濃い黄色の断面へデザートフォークを入れると、しっとりしながらも弾力が伝わってくる。

 芦屋家で初めて食べたもののひとつであるが、小夜は密かに気に入っていた。

 ところが、今はその甘さが舌に伝わってこない。


(婚約者……)


 耳にした単語がどうにも引っかかっているのだ。


(婚約者っていうことは、旦那様の、お嫁さんになる人……)

 小夜はこれまで同世代の女性に会ったことがなかった。

 目の前の淑子ははつらつとしていて、肌も髪も艶がある。


(女学校に通っているんだ……)


 学校というものが教養を学ぶ場所であることくらい、小夜にも分かる。


 陰陽道の系譜に連なっているというのに、この差は何なのか。

 小夜は自らの手に視線を落とした。

 芦屋家での生活によりだいぶ良くなったとはいえ、傷の絶えなかった手……。


「小夜さん?」


 みつの声で、小夜ははっと我に返る。

 茂彬がまっすぐに小夜を見ていた。


「気分がすぐれないのか?」

「そうかも、しれません。少し休んで、きま、す」


 小夜はよろよろと立ち上がった。

 頭を下げてその場から出る。

 どこまでも明るい淑子の笑い声が聞こえてきて、足早に当てがわれた部屋へと急いだ。


 そして、へなへなと畳の上に座り込む。


(わたしったら、何を)


 耳の奥、心臓の鼓動がうるさい。

 これは絶望を告げる律動だ。


「どうしよう……わたし……旦那様のことを……」




 ――好きになっていた。




 絶対に、思い慕ってはならない相手。厳しさと優しさを併せ持つ芦屋家の当主。

 自覚した瞬間に手折るべき、恋心だった。




   ◆ ◆ ◆




『ねぇねぇ、ねぇねぇ』


 小夜が目を覚ますと、枕元に小さな式神符が立っていた。

 声には聞き覚えがある。しかも、今日の昼間。


「……淑子、様?」

『よかった。やっと起きてくれた』


 小夜は起き上がり、式神の前に正座する。


『あなたに頼みがあるの。いいかしら?』

「頼み……?」


 おうむ返しに尋ねる小夜に、式神はひらひらと楽しそうな反応を見せる。


『女学校に入学してから、なかなか茂彬さまに会えなくて寂しかったの』


「はぁ」


 ちくり、と小夜は胸が痛むのを感じたが、曖昧にごまかす。

 続く提案は、小夜にとって青天の霹靂だった。


『やっぱり、大好きな人とはもっと一緒にいたいじゃない?』




   ◆ ◆ ◆




(無理、無理すぎる。隠し通せる気がしない)


 緊張で、冷や汗が噴き出す。

 袖を通した矢絣の小袖と海老茶色の袴の大きさはぴったりだった。

 髪は後ろで一本の三つ編みに。英吉利(イギリス)結びと呼ぶのだと淑子に教えてもらった。


 しかし、一番の問題点は何かというと。

 淑子によって、今、小夜の顔は淑子に見える術をかけられているということだ。

 実際に顔を変えられているのではない。

 あくまでも、幻覚。

 そして、小夜は人慣れしていない。


「淑子さん、ごきげんよう」


 話しかけられて、びくりと肩を震わせた。

 今、小夜がいるのは、女学校内の廊下なのだ。


「あっ、は、はい……。ごきげん、よう?」


 同級生は不審がることなく小夜を追い越していった。

 教科書を抱える腕に力を込め、小夜は、大きく溜め息を吐き出す。

 

 昼食の時間に呼び出された小夜。

 淑子と入れ替わり、女学生を装っている。その期限は、明日の昼まで。

 なんとか午後の授業を終える頃にはふらふらになっていた。


 ある意味、小夜にとっても好都合だった。

 茂彬への恋心を自覚してしまったばかりに、顔を合わせるのが気まずかった。

 そして、だからこそ、淑子のことを応援すべきだとも考えた。


(……旦那様は呆れながらも無碍(むげ)にはできないだろうから) 


 顔を合わせていなくても、胸は軋む。


(寄宿舎は個室だと聞いているから、あとは、体調がすぐれないと言って引きこもろう)


 こんな形でなければ、女学生体験も楽しめたかもしれない。

 いつ露見するか緊張で張りつめていると何が何だか分からず、残念でもあった。


「あれ? お嬢さん? えっ?」


 突然、知った声が響いた。

 小夜が振り返ると立っていたのは白衣に片眼鏡(モノクル)の、春敬だった。


「どうしてこんなところに?」

「は、春敬さんこそ……どうしてわたしだと《《分かる》》んですか」


 その言葉で、春敬はある程度の事情を察したらしい。

 彼にしては珍しく顔をしかめ、髪の毛をかきむしった。


「なるほど。淑子さんの仕業だね」


 小夜は肯定する代わりに俯いた。

 つまり、淑子の幻術は、一般人にしか効果がないということだ。


「おいらはここの非常勤講師なんでさぁ」

「……そうでしたか」


「いやぁ、それにしても、お嬢さんがいると思って帰ってきたら淑子さんがいたときの旦那の表情が怖くて想像できない。くわばらくわばら」

「え?」

「とりあえず、おいらが何とかするから芦屋家へ帰りましょう。お嬢さんがここにいる方が危ない」


 小夜はその視点が抜け落ちていたことに気づいて愕然とした。

 芦屋家の外に出れば小夜は綾子から狙われる。


(わたしったら、なんて《《過ち》》を……!)


 青ざめる小夜。

 そもそも通常であればこんなこと、引き受けたりしないはずなのだ。絶対に。


「も、申し訳ありません」

「まぁまぁ。過ぎたことはしょうがないし、淑子さんの押しの強さはおいらもよーく知ってるから」


 飄々としている春敬が苦笑いするというのは余程のことだろう。


「玄関で待ってておくれ。ちょっと手続きしてくるから」

「は、はい……」


 いたたまれなさで、小夜の頭はいっぱいになっていた。

 小走りで去っていく春敬の背中を見送り、何度目かの溜め息を吐き出す。


 ぞわ……。


「!?」


 不意に違和感を覚えて、小夜は辺りを見渡す。

 何者かが小夜を見ている。それも、人ならざる者の視線だ。

 ごぽごぽ、と足元が泡立った。

 廊下は水面のように波打ち、ゆっくりと、異形の頭が現れる。

 小夜は反射的に懐から式神を取り出す。


「〈呪符退魔、急急如律令〉!」


 ところが遅かった。

 それの腕が伸びてきて小夜の両足を掴む。


「い、いや……っ!」


 強い力で下へと引っ張られ、小夜は引きずられていく。

 残されたのは、制服と、教科書の束。




   ◆ ◆ ◆




「つまり、初心に返ることにしたのですわ」


 綾子は小夜の頬を踏みつけながら告げた。

 小夜が連れ去られた先は馴染みのある、できれば二度と戻りたくない場所だった。

 蝋燭の灯りのみの空間は、仕置き部屋と呼ばれている。

 任務を失敗した者が罰を受けるための部屋。


 壁際には誰のものとも判らないしゃれこうべが転がっている。

 裸にされた上に両手足を縛られ、床に寝転がされた小夜は、そのなかのひとつと目が合う。

 実際に目玉はないものの、小夜は息を呑んだ。


(ほんとうに……わたしは迂闊すぎた……)


 後悔しても、もう遅い。

 綾子の術中から逃れられるとは到底思えなかった。

 絶望で吐きそうになるのを、なんとか堪える。

 その様子をうれしそうに綾子は眺めていた。


「十二神将を出そうかとも思ったけれど、それじゃあ、わたくしが芦屋茂彬に屈したみたいでいやじゃない? それなら、やっぱりお姉様を使うのが最適と判断しましたの」


 くすくす、と綾子が笑みを零す。

 しゃがみこむと、小夜の前髪を持ち上げて、顔を上へと向けさせる。


「お姉様、立派な《《呪い》》になってくださいませ」




   ◆ ◆ ◆


 


 気づくと小夜は街中に放り出されていた。


(頭が痛い……割れそう……痛い……)


 視界に、黒い線のようなものが混じっている。

 よろめきながら歩く。たまにぶつかり、睨まれたり心配されたりしながら、小夜はふらふらと歩いている。

 しかし途中から、人々の声に恐怖や悲鳴が混じり出した。

 小夜を避け、逃げるようにして離れていく。


(なに……?)


 ようやく小夜は立ち止まり、足元へ視線を落とした。

 足が、ない。

 正確には、小夜の足ではなくなっていた。泥と煙を混ぜ合わせたような物質。足も、腕も、胴体も。

 ぼとり、と腕から肉片が落ちる。

 じゅうと異臭を放ち地面を焼く。


(いや……止まって、お願い、止まって……)


 この道を小夜は知っている。

 芦屋家へと向かう一本道だ。


(だめ……旦那様を殺すなんて、絶対に……)


 しかし、足は止まらない。

 綾子が小夜に打ち込んだ、一本の太い釘という呪い。それが腐食したように全身に広がっているのだ。

 流れる涙もまた、呪い。


 やがて。


 周囲に誰もいなくなった頃、視界の向こうに、颯爽と人影が現れた。


「惨たらしいことを」


 インバネスコートに羽織姿の、茂彬だった。 


「〈青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳(こうちん)・帝台・文王・三台(さんたい)玉女(ぎょくにょ)〉」


 呪符を取り出し印を結ぶ。一切の躊躇いはなかった。  

 はしばみ色の瞳が黄金に輝き、小夜を刺す。


 ごぅっ!


 小夜だったものの右足は吹き飛ばされ、体勢を崩す。


「まだ、自我は残っているか?」

「ぁぁ……ぅぅ……」

「君が人間へと戻りたいならば、力を貸そう」


 声が、出ない。

 空気が漏れるだけ。


「しかし、もはやただの呪いへと堕ちてしまったのならば、私には君を滅する義務がある。たとえそれが、己の本意でないとしても」


 めりめりと音を立てて、右足が胴体から伸びてくる。

 言いようのない不快感が込み上げてくるが、それを打ち消すように湧いてくるのは、小夜自身の意志だった。




(旦那様を守る為ならば、この身が滅んでもいい)




 点灯夫のように。

 小夜の心に炎を点したのは、小夜自身だった。

 そして、ようやく気づく。


 ――唯一小夜に残っているものの存在を。

 ――守っていた、ものを。


 呪いと転じたはずの右腕が人の形を取り戻し、掴んだのはべっこうの簪だった。


「ぅぅ……」


 そのまま迷うことなく、小夜は簪の先を己の皮膚へと、心臓へと突き立てる。

 ぶすりという鈍い音。

 刹那、周囲は眩いほどの光に包まれ――


「小夜!?」


 初めて小夜の名を呼んだ茂彬が、駆け寄ってくる。

 小夜の意識はそこでぷつりと途絶えた。




   ◆ ◆ ◆




 小夜は、いつかの藍色の世界に立っていた。


 紅い着物を着た女性が小夜の目の前にいる。

 やはり、風もないのに銀色の髪がゆらゆらと揺れていた。


『ありがとうございます。ようやく封印が解けました』


 ただ、前回と違うのは、女性には顔があるということ。


「釘が……」


 小夜の胸元に釘は刺さっていなかった。

 代わりに刺さっているのは、べっこうの簪。

 自死に用いた筈だった。

 しかし、驚くことに、呪いに対して中和の役割を果たしているようだった。


『貴女がここへ来るのをずっと待っていました。そして、契りを交わす日を』

「契り……。ということは、やっぱり、あなたはわたしの」


 女性は微笑み、小夜に近づいた。

 軽く触れ合うのはお互いの唇。


「えっ」


 驚きの声を上げる小夜。

 同時に流れ込んできたのは、女性の《《真名》》だった。


『さぁ、我が主。どうぞ名前を呼んでください。私は貴女のものです』




   ◆ ◆ ◆




「小夜」

「旦那様……?」


 小夜は慌てて身を起こす。

 一糸まとわぬ姿で、茂彬の膝に寝かされていたのだ。


「だっ、だ、」


 赤面した理由に思い至った茂彬は、眉一本動かさず、インバネスコートを小夜にかけた。


(……あ。旦那様の、においが、する……)


 不意に、緊張がゆるむ。

 しかし慌てて取り繕い、茂彬を見上げた。


「呪いは……」

「君がすべて浄化した。以降の情報操作については、芦屋家の仕事だ」

「申し訳ございません。その……」


「信じられませんわ!」

 空から降ってくる声。

 空中に浮かんでいるのは、綾子だった。


「どうやって呪いを解いたのかしら? それに、《《何》》を手に入れたというの」


 わずかに含まれる苛立ち。


 小夜はコートをしっかりと羽織って立ち上がった。

 怯むことなく、綾子を見上げる。


「紹介します、綾子さん。――『鈴鹿御前』」


 小夜の背後に顕現するのは、彼女だけの思業式神だ。

 輪郭に淡い光を帯びた鈴鹿御前は、口元を扇で隠している。

 同時に浮かぶいくつもの五芒星。


「わたしはこれから、人を殺すのではなく、人を守る道を求めます」

「お姉様の分際で!」


 綾子が式神を放つ。

 しかし、鈴鹿御前はいとも簡単にそれらを扇で滅してしまう。


「くっ……!」


「そうか、呪いを解いたことで、思業式神を使役することができたか」


 茂彬もまた、立ち上がる。

 そして小夜を抱き寄せた。


「ますます、藤田家へ返す訳にはいかなくなったな」

「えっ?」


 突然の茂彬の行動にうろたえる小夜だったが、綾子は怒り心頭で気にも留めない。


「二人とも、覚えておくがいいわ。この藤田綾子の名にかけて、必ずや滅ぼしてさしあげましょう……!」


 身を翻したときには、その姿は消え失せていた。


(十二神将を……出さなかった……? それでも、ここで決着をつけてこようとしなくてよかった)


 小夜は何もない空を見上げた。

 綾子が簡単に引き下がったのは不幸中の幸いとしか言いようがない。

 そして、またいつ襲ってくるかは分からない。


「屋敷へ帰るぞ」

「あっ、あの、旦那様?」


「いつまでもそんな姿でいてどうする」

「……」


 平時に戻り、己の一糸まとわぬ姿に、小夜は改めて赤面した。どこか隠れられそうな場所もなく、俯いたままコートをきつく羽織りなおす。


「それに、これからの対策も練らねばなるまい」


 性急な茂彬の様子に、小夜は戸惑う。


「あの、わたしは芦屋家へ戻ってよいのでしょうか。その、淑子さん、は……?」

「帰らせたに決まっている」


 茂彬の声には呆れと怒りが含まれていた。

 恐らく、淑子はひどく怒られたに違いない。そもそも計画自体穴だらけだったのだ。

 茂彬は大きく溜め息を吐き出した。


「あれはまだ幼い。恋と憧れを混同しているだけだ。それと、一族の意志に飲まれすぎだ」


(恋と、憧れ……)


 小夜にも身に覚えのある言葉だった。

 茂彬へ対する感情は憧れなのか、恋なのか。

 前者ならばいい。小夜は藤田家へ反旗を翻した。これからやらぬべきこもは決まっている。

 しかし。


(封をしなきゃ。わたしが今できることは、旦那様や、……この街を守ることなんだから)


 その蕾に、水や肥料をやらないように。

 咲かないように努めようと、小夜は誓うのだった。




 たとえ、もう咲いているのに、気づかないのだとしても……。




   ◆ ◆ ◆




「どうしてお前たちまでここにいるんだ」


 約束していた、茂彬の休日。

 小夜が列車に驚いていると、淑子と春敬が現れた。


「創立記念日でお休みだからです!」

「ははは。淑子さんだけを行かせる訳にはいきませんからねぇ」


「あ、あの、旦那様」


 小夜が茂彬と春敬の間に割って入る。


「大勢の方が楽しいですよ、きっと」

「くっ……」

「横浜ってのは文明開化の最先端だって噂でしょう。おいらもどんなところか一度見てみたかったんでさぁ」

「ふん」


 茂彬は何かを言いたげだったが、耐えるように口を噤んだ。


「小夜さん」

「は、はい!」


 《《あのとき》》以来の再会に、小夜は肩をこわばらせる。

 しかし淑子は勢いよく小夜の手を取った。


「私たち、きっといい友人になれる気がするの。よろしくね」

「こ、こちらこそ」

「それに、《《負けません》》からね」

「いえ、そんな……?」


 勝負の意味が分からず首を傾げる小夜。

 その髪の毛には、べっこうの簪が戻っている。


「さぁさぁ、行きますよ! とっとと行っちゃいましょう!」


 何故だか春敬が先導する。

 淑子も淑子で、茂彬ではなく小夜の手を引っ張って歩き出した。

 慌てて小夜は振り返る。


 茂彬は眉間に皺を寄せていた。

 しかし小夜と視線が合うと、柔らかく微笑むのだった。






   了

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