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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第2章

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98 二次創作

 コノメノウ様から聞いたコネメノヒメの恥ずかしい話を紙に写し出した。


 実はわたし、前世では小説を書いていた時期があるのよね。


 最初は自己満足でパソコンで。次には小説投稿サイトで。まあ、まったく人気にもならず、あー才能がないな~と二年で止めてしまったけどね。


 でも、コネメノヒメの恥ずかしい話を聞いて、ちょっと創作意欲が湧いてきた。わたし、オリジナルを創り出す才能はないけど、二次創作なら才能あるのかもしれないわね。


 コノメノウ様はぼやかしていたけど、話の流れからしてこの世界には妖狐の里があり、コノメノウ様たちはそこで育ったようだ。


 そこで起きた恥ずかしい話が大半だけど、物語の下地があればこちらのもの。そこからおもしろおかしく話を改竄できる。


 コネメノヒメを某女児アニメのキャラにたとえたら紫髪のナイスバディーなおねーさんタイプ。一見クールだけど腹黒だけどちょっとドジが入っている。


 ウフフ。そんなキャラとして物語を構築していく。なんか燃えてきたわ!


「……木から落ちただけで、よくそこまで悪意ある状況にできるな……」


 声がして振り返ったらコノメノウ様が覗いていた。


「まだ途中なんですから見ないでください」


 体を使って文章を隠した。書いてる途中で見るのはマナー違反ですよ。


「嬉々として書いていれば気にもなろうが。ただでさえそなたは悪辣なのだからな」


「失礼ですね。わたしは純真無垢ですよ」


「悪いほうにな」


 そうはっきり言われると、ちょっと否定はできないところがありますね……。


「とにかく。書いたら見せますので覗かないでください」


 シッシとコノメノウ様を追い払う。


「わかったよ。わしのことを変な風に書くでないぞ」


「大丈夫ですよ。コノメノウ様は絶世の美女で、コネメノヒメは嫉妬に狂ったことにしますから」


「それが変な風にと言っているのだ。そんなもの同胞に読まれたら一生の恥だわ」


「いいじゃないですか。コノメノウ様、わざと幼女の姿してますよね」


 わたしにはわかる。おっぱいセンサーが唸っている。この方の本当の姿は爆乳美女だってね。


「……わしはこの姿が気に入っておるのだ……」


「相手の方、そういう趣味の方だったんですか?」


 それはちょっとドン引きなんですけど。ロリ好きとかおっぱい好きには相容れないわ。


「だったらロリっ娘に変えますね」


「ろりっこがなんなのかわからぬが、大いに侮辱されたような気がするから止めろ。あと、そんな趣味ではなかったわ。普通だわ」


 それはよかった。初代国王がロリとか国民として泣けてくるもの。


「わたしも幼女趣味ではないので普通にしてもらえると助かります」


「そなたは年下好きかと思っておったわ」


 はぁ? わたし、そんな趣味はありませんけど? そんな行動も見せたこともないわ。おっぱい好きですら隠しているのに。


「従弟妹たちを可愛がっておっただろう」


「従弟妹ですからね。可愛がるのは当然ではないですか」


 それだけで年下好きになるの? 普通に可愛がっていただけなのに。


「それでしたらコノメノウ様を寝台に誘ってますよ」


 わたしの中でロリババアとかない。のじゃのじゃ言ってたら蹴飛ばしているところだわ。


「……なにか失礼なこと考えておぬか……?」


 勘のいいロリババアは嫌いです。


「年相応。それが一番と考えていただけです」


 個人差は認める。大きいも小さいも仕方がない。偽らず、自然なおっぱいをわたしは愛したい……。


「ふん。考えておこう──」


 そう言って忽然と消えるコノメノウ様。ちゃんとドアから出ていってくださいよ。


「お嬢様。紙の材料がなくなりました」


 錬金の壺で紙を創っていたアマリアから声をかけられた。


「あら、もうなくなったの?」


 木屑は結構な量が運ばれてくる。コピー用紙換算で千枚は創ったと思うのだけれど?


「はい。マクライ様やモリエ様、服飾部も欲しいと言われまして、朝からずっと創ってました」


 あーどこも紙を使用する頻度が高いところばかりね。千枚じゃまったく足りないわね。


「今のうちに植林をしておかないといけないわね」


 これから紙の使用頻度は高まるばかり。禿げ山になる前に植林をしていかないとカルディム領が滅んじゃうわ。 

 

「叔父様に手紙を出さないとね」


 まずは木屑の追加だ。これからわたしも紙を使うのだからね。


「アルドに連絡してちょうだい」


「畏まりました」


 アマリアが部屋から出ていくと、ラグラナが入ってきた。


「お嬢様。王宮から手紙です」


「ハァー。こんな忙しいときになんなのよ?」


「帝国のことでしょう。詳しい事情を教えろ、ではないですか?」


 手紙を読んだらそんな感じだった。


「わたしは一人しかいないのよ。あれもこれもできるわけないじゃない。ラグラナ。代わりに説明しておいて。凡その内容は知っているでしょう。あと、知りたいなら知る体制を調えろと伝えてちょうだい。理解できる人を育てなさい。予算を組める立場にいるんだからね」 


 情報は待っていても集まるものじゃない。自ら集めるものよ。


「とにかく。わたしは忙しいの。王宮へはラグラナが報告してちょうだい」


 今のわたしはコネメノヒメの二次創作で忙しいの。天から創作の神が降りてきたのよ。さあ、書いて書いて書きまくるわよ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] >あーどこも紙を使用する頻度が高いところばかりね。千枚じゃまったく足りないわね。 「今のうちに簡易的なオークションで随時適量を売りさばく体制をしておかないといけないわね。欲しい物はタダじ…
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