974 ラシャル 下
「はっやぁ~い!」
ロリっ娘歓喜。七歳でスピード狂か? 将来、不安になるわね……。
時速にしたら五十キロも出ていないでしょう。シューティングスターにしたら早歩きくらいだ。
騎士様たちもわたしがあげた馬具を使っているので、問題なくついてこれている。
馬車はわたしの付与により、魔力道──マジカルロードを走っているので揺れもなければ五十キロ出しても余裕でついて来れているわ。
先導は、ハリーヌ様の旦那様、ハルシェン様と愛馬が走っている。
騎士団の馬は選び抜かれただけに身体能力が高い。さらにわたしの付与馬具で並みの一角馬に達しているのではないかしら? まあ、シューティングスターには遠く及ばないんだけどね。
「チェレミー様! 左です!」
前方にY路地が見えて来た。
わたしたちは湖を時計回りで走っている。湖に向かうなら右だ。山に向かおうとしているのかしら?
馬で走るコースのようで、草は生えていない。ただ、馬車が走るのは厳しい道幅だ。
「ロエル! モードCへ!」
馬車の御者である兵士に叫んだ。
自然破壊にはなってしまうけど、道幅を広めるためにご了承いただきましょう。
風の刃を纏い、突き出した枝葉を切り刻み、土魔法で道を固めていった。
馬車内には高魔力保持者が三人も乗っている。あ、ロリっ娘も混ぜたら四人。三割もいただければ馬車の魔力もそう消費されないでしょう。
ジーヌ家のために道を造っている。文句は言われないでしょうよ。
山はそれほど高くないようで、一キロもしないで山頂に到着できた。
山頂は牧草地のようになっており、茶色毛の牛が何十匹といた。
「へー。こういうところで放牧されているんだ」
空気もいいし、草も豊富に生えている。きっと美味しいお肉となるでしょうね。
「チェレミー様。あそこから湖を一望できます」
ここからでも湖は見えているけど、展望台みたいなものがある。観光地になっているのかしら?
「ええ。ここには水があるのですか?」
「いえ、ありません。下りたら飲ませます」
まあ、そう高い山でもない。喉が乾くほどでもないか。
「タリール様。シューティングスターにリンゴを与えてください」
リンゴが入った桶を出した。
「リンゴか。久しぶりだな」
「わかったわ! シューティングスター、お食べなさい」
リンゴをつかんでシューティングスターに食べさせている。そんなにシューティングスターが気に入ったのかしら?
「ロエル。馬にもリンゴを与えてちょうだい」
「畏まりました」
とりあえずシューティングスターはロリっ娘に任せ、展望台へと向かってみた。




