968 湖水浴 下
「ふふ。悔しかったらやり返してみなさい」
何度も水を撃ってやった。
ジーヌ家がなんの属性を宿しているかは知らないけど、攻撃できる魔法は持っているはず。せっかくだから見せてもらいましょう。
「怪我しても知らないわよ」
「では、怪我をさせてみてくださいな。ゴミみたいな魔法はわたしに届きませんよ」
「なら見せてあげるわよ!」
ロリっ娘の髪がふわりと浮かび上がった。
「なるほど。属性は風でしたか。加減ができないときは大変だったでしょうね」
魔力保持等級は特級だ。癇癪一つで部屋の中を嵐にしていたでしょうよ。
しかし、わたしのお団子ヘアーの中には魔力宝珠が隠されている。ガラスの珠は常に余裕を持たせてあり、周辺の魔力上昇に反応するよう付与を施してある。
「え?」
「タリール様の魔力はこれこのとおりいただきました。相手が魔封じの道具を持っていないか、しっかり確かめましょうね」
魔力のないロリっ娘などタダのロリっ娘。巨乳になってから出直しなさい。またコテンパにして勝者の権利でおっぱいモミモミしてあげるから。
「まだ子供なら遊びなさい。楽しいを知らない子供は将来つまらない大人になるわよ。今を楽しみなさい」
浮き輪をつかみ、足をバタバタさせて沖のほうに連れて行った。
「チェレミー様! そんなに行かないでください! 危険ですよ!」
「なら、騎士様たちにお願いして。泳げるはずよ」
そんな話を前に聞いたことがある。泳げる方は、ライフセーバーをやってくださいませ。
「タリール様。自力で岸まで戻ってください」
魂に刻まれた水泳技術は消えておらず、クロール泳ぎがすんなりできた。気持ちいい~。
問題なく岸まで泳げ、必死に手足をバタバタさせるロリっ娘を見守った。
「慌てない。浮き輪で沈まないのだから落ち着いて手で水をかき、足を動かしなさい」
助けを求めるのは恥と思っているのか、必死に手足を動かしている。
「上手上手。もうちょっとよ」
生意気だけど可愛いところもあるわね。必死なロリっ娘ってのもいいものね。光なゲンジくんみたいなことやってみたくなるわね。育てたらいい巨乳に育ちそうだわ。
やっとこさ岸に辿り着き、両手を砂浜に立ててぜーぜー言っている。
「お嬢様。いじめすぎですよ」
「いじめてはいないわよ。教育であり遊んであげているだけよ。タリール様は人との関わりを知らないようだからね」
強大な魔力を持った不運なロリっ娘。コミュニケーション能力を育て、健康的な体を作り、たわわなおっぱいを実らす。ちょっとゾクゾクするわ。




