965 水着回やで 上
なんだかヤルゴに恐れられてない? なにかしたかしら?
まあいい。カヤックは完成したのだからね。
「ラン。水着に着替えるわ」
「まずは実物を見せてください」
なんだかランがラグラナ──いや、マレアに似て来たわね。このままだと女傑になってしまいそうだわ。
テントに移り、仕方がないのでワンピース型水着を見せた。
「肌が露出しすぎです」
「わたしの体に欲情する男性なんていないわよ」
貧乳好きがいたら別だけど。わたし、おっぱいを愛する者なら見られても構わないわ。なんなら内緒で見せてあげてもいいわね。きっと貧乳を見る機会なんてないのでしょうから。元男としての情けだわ。
「いなくてもダメです。はしたない」
どこぞのアニメなら平気でビキニを出すのにね。この世界を考えたヤツは堅物か? もっとおっぱいポロンな世界にして欲しかったわ。
「なら、数を増やしましょうか」
ロリっ娘、ちょっといらっしゃ~い。
「なによ?」
「ラグラナ。これに着替えさせなさい」
タイミングよく現れたラグラナにロリっ娘に用意した水着を渡した。
「畏まりました」
目に見えない速さで水着を奪うと、ロリっ娘を連れて行った。よろしく~。
「これはランのね」
アイテムボックスワールドからラン用の水着を出した。
「わ、わたしも着るのですか!?」
「あなたでも恥ずかしいとかあるのね」
暗部育ちなら羞恥心とかないと思ったのだけれど、案外、そうでもなかった?
「いえ、ご命令とあれば……」
「別に嫌なら構わないわよ。わたしは着るけど。あ、ハリーヌ様も如何です? 水着には付与を施してあるので体型が引き締まりますよ」
おっぱいがちょっと垂れ気味だ。出産後、上手く元に戻らなかったのかしら?
「こ、こんな薄いものを着るのですか?」
「厚い布では水を吸って動き難くなります。それに、この水着は肉を燃やしてくれる付与を施し、体を引き締める効果があります。きっと旦那様も喜ぶことでしょう」
わたしは豊かなおっぱいを見れて万々歳。ヤッフゥ~!
「まあ、無理にとは言いませんわ。ラン、着替えるわよ」
「……畏まりました。ですが、人の目は減らさせてもらいます……」
テントから出て行ってしまった。
ワンピース型水着はぴっちりではないので簡単に着れる。パッパと脱いでサッサと着替えた。
姿見を出して確かめる。
「なんだろう? 似合いすぎてなんだか悲しいわね」
そこに色気はない。愛らしい女の子が写っている。ロリ好きには堪らない姿に思えるわ。
「胸部を堅めようかしら?」
布を丸めて胸に入れてみた。うん。やっぱり色気はないわね……。
「あ、チェレミー様。わたしも着たいですわ」
なんだか気を使ったように言ってくるハリーヌ様。あら、そうですの。では、服を脱ぎましょうか。




