958 お? 戦争か? 下
騎士たちが護衛につき、ウォーキングを続けた。
「湖まで行きたいわね」
「それは朝食のあと。馬か馬車で向かったほうがよろしいかと。歩くにしては距離がありますので」
騎士の忠告を素直に受け入れることにする。お風呂入りたいし。
一時間ほどウォーキングしたら屋敷に戻り、お風呂に入るとする。
さっぱりして部屋に戻って来たらロリっ娘が可愛く整えられていた。
「ラグラナの趣味?」
少なくともわたしの趣味ではないし、わたしの服にもなかったものだ。
「いつかコノメノウ様に着ていただこうと思って作っておきました」
コノメノウ様がその服を着たら全力で笑ってあげるわ。そして、写真にして壁に飾ってあげるわ。
……いやまあ、絶対に着ないでしょうけどね……。
「確かに背丈はコノメノウ様と同じね」
身長、百二十センチといったところかしら? まあ、この歳ではそう珍しくもない身長かしら? この娘もあと十年もしたらバインバインになるのかしらね。そうなったら愛でてあげるわ。今は可愛いとも思わないけど。
「はい。少し直すていどで済みました」
「そう。無駄にならなくてよかったわね」
本人はそれほど喜んではいないけど。
「お嬢様とお揃いにしたらきっと似合いますよ」
止めてよ。わたしの趣味どころか似合いそうで嫌だわ。わたしは可能ならズボンでいたいのに。
「湖に行くなら騎乗服でいいわね。用意しておいて」
夏用の騎乗服も作ってある。あれなら文句は言われないでしょうよ。
「失礼します。朝食の用意が整いました」
侍女が来たのでロリっ娘と食堂に向かった。
さすがに親類縁者が一同に、ってわけではなく、公爵様に近い方々が集まっている感じだわ。それでも十五人はいるけど。
「おはようございます」
「ああ、よく眠れたかな?」
「はい。ぐっすりでした」
席に着いて朝食を開始。ジーヌ家ではお祈りとかはないんだ。アルジオン様が食べたら皆も食べ始めたわ。
「朝も賑やかな食卓ですのね。王城より賑やかなのでは?」
一人、八種類はある。いや、飲み物も牛乳とワインも出ている。これは、薬水(ミント水的なものだ)まである。どんだけ賑やかなのかしら?
「そうなのか? 我が家ではいつものことだ」
「それは羨ましい限りです。いろいろ教わりたいものですわ」
たくさんは食べられないけど、食卓は豊かにしたい。たくさんあるって幸せだもの。
「いつでも厨房に行くといい。誰かは必ずいるからな」
「ありがとうございます。落ち着いたらお邪魔させていただきますわ」
冷製パスタとかまであるんだ。ジーヌ家だけ三百年先を行ってんじゃないの? まさか転生者とかいないわよね?
 




