957 お? 戦争か? 上
夕食で食べすぎてしまい、その日はお風呂に入らず眠ってしまった。
この栄養が身長に使われたらいいのに。わたしはちゃんと成長するのかしら?
朝はいつものように起き、敷地内をウォーキングするとしましょうか。
ランにしっかりと厚手のワンピースに着替えさせられ、日傘も渡された。
……この時代、女性がもっとズボンを穿けるようになって欲しいものだわ……。
乗馬のときはさすがにズボンが穿けるけど、普段はまったく穿けない。ショートパンツなんてもってのほかだわ。
さすがに早いのでハリーヌ様はいない。まあ、なぜかロリっ娘がいたけど……。
「おはようございます」
にっこり笑って挨拶をした。
「勝負よ!」
問答無用でロリっ娘から魔力を吸い取ってあげた。半分だけね。
「はい、わたしの勝ちです。一昨日に来てください」
床に崩れたロリっ娘はラグラナに任せた。
「お風呂に入ってないみたいだから入れてあげて」
ロリ真理狂──ロリっ娘大好き紳士と戦争になりそうだけど、ロリだからっていい匂いをさせているわけではない。風呂に入らなきゃロリでも臭いのよ。いい匂いがするとか腐った鼻、捨てろや。
ちなみにおっぱいはいい匂いなのよ。反論は許さない。戦争してでもいい匂いだと認めさせてやるわ。
侍女たちは起きているようで、わたしの世話をしようとするけど、すべてを断って外に出た。
「いい空気だわ」
湖が近いから空気がちょっと違うわね。
公爵家の庭なだけにウォーキングするだけの広さはあり、そのままルティンラル騎士団のところへ向かってみた。
見張りを立てるまでもないと思うのに、律儀な巡回していた騎士たちがいた。
「おはようございます。巡回ですか?」
「はい。チェレミー様が逃げ出さないように」
あれ? わたし、騎士団に信頼されてない? てか、逃げると思われていたの!? なんかスッゲー心外なんですけど!
「いろんなところから言われました。チェレミー様はすぐ消えるからと」
やっだー! 本当に信頼されてねー! ちょー悲しいんですけど!
「自業自得です」
ランからも信頼されてないんですけど! わたし、そんなに逃げてますかぁ~?
「休暇に来たのだから逃げませんよ」
「油断できないのがチェレミー様です。コノメノウ様からも目を離すなと強くおっしゃられました」
あのカス、何様だ? カスに心配されるほどわたしは堕ちてはいないわよ。
「ハァー。好きにしなさいな」
別に逃げるつもりはないし、問題を起こすつもりもない。静かに休暇を楽しみたいだけよ。
あ、別にフラグではありませんからね!




