950 どったの? 下
服を強制的に着替えさせられ、ラグラナの前に差し出されてしまった。
カクカクシカジカと説明を受けたラグラナの顔が赤くなっていった。
この顔を見るの、久しぶりね、老女の顔だったのによく顔を赤くさせれたものだ。どんな仕組みだったのかしら? わたし気になります。
「お嬢様! 聞いていますか!」
「はい、聞いております」
いけないいけない。小言はちゃんと聞かないとさらに長くなるわ。なぜかこの小言から逃れられないのよね……。
「ここは館ではないのです。もっと身なりに気をつけてください。あと、胸に仕込むのは禁止です。他の方々の迷惑です」
わたしの胸部が膨らむことで、なぜ他の方々が迷惑になるのよ。あ、こいつパットしてんな~、って思ってくれて構わないのに。わたしは気にしないわ。
「……わかりました……」
承諾しないと解放してくれなさそうだし、ここは諦めるとしましょうか。ブラジャー、たくさん作ったのに。
「仕方がないから髪飾りにするわ」
これからはお団子ヘアーにするとしましょうか。
「そうしてください」
それでやっと解放してもらえた。
部屋に戻り、ドレッサーを出して魔力宝珠とガラスの珠を髪から外した。
「ついでだから髪を洗いますか。ラン、手伝って」
小言は終わったけど、監視が厳しくなってしまった。常にランが横にいるわ。ハァー。
「畏まりました」
小さなお湯玉を作り出し、髪を浸けてランに洗ってもらった。あーすっきり。
髪を乾かしたらお団子ヘアーを作って魔力宝珠とガラスの珠をお団子に仕込んだ。
「月に代わってお仕置きされそうな髪型ね」
てか、やけにツインテールが似合うな、わたし。もう十七歳よ。いや、もう少しで十八歳になる。ツインテールって歳でもないっしょ。
「とてもお似合いですよ」
「いえ、これはいろいろアウトだわ」
「あうと?」
「ダメってことよ」
月に代わってお仕置きヘアーは止めておきましょう。やはりチャイナ風お団子かしら? カバーもできるし隠すこともできる。しばらくやってみて感覚を見てみますか。
「しばらくこの髪型にするわ」
「はい。それがよろしいかと。ブラジャーは捨てておきますね」
「別に捨てる必要はないでしょう。同じ胸くらいの人にあげてちょうだい」
まあ、同じくらいの人がいたらだけど。
「服も誰かにか下賜して。それか孤児院にでも贈ってあげて」
わたしの服はそこまで貴族貴族していない。良家の子女が着る服と言ってもいいくらいのものだ。一張羅にするにはちょうどいいんじゃないかしらね?
「畏まりました」
ハァー。また胸部装甲が平らになっちゃったわ。
 




