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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第14章

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729 ディスられてる? 下

「あまりロッカルを怖がらせないでください。将来の旦那様なんですから」


「ふふ。旦那様か。生け贄にならぬようわたしが育てよう」


 ルゼット様自ら?


「マリアラの養子ではなくわたしの養子にして育てる」


 はぁ? ルゼット様の養子に?! だ、大丈夫なの!? 


「マルビオ家としてチェレミー嬢の婿とするならわたしが養子にしたほうがいいだろう。こちらの意を考えられなければ養子にする利がないからな」


 さらに利を求め、いや、違うわね。これはわたしへの借りかしら? だとしたら大きな借りになっちゃうわね。返せるかしら?


「ありがとうございます」


 ここは素直に感謝しておく。どんなものを返さなくちゃならないかわからないけど、利というならそう難しくはないでしょう。問題ないわ。


「……相変わらず思考が早いな。なにか見えたのかな?」


「利なら返せると思ったまでです。なんならロンゼ様を出世させますか? リゼッス様でも構いませんよ」


「よしてくれ。二人ともマルビオ家のために育ててきたのだ、今さら外に出されても困る」


「それは残念です。ゴズメ王国にもコルディーの大使館を置きたいと考えていたんですけどね」


 まあ、まだ時期尚早。もうしばらくマリアラ様に任せましょう。


「……あまりうちから人を割かないでくれ。そう人材が揃っているわけではないのだからな」


「お父様といい、ルゼット様といい、どうして愛人を持たないのですか? だからいざというとき人が足りなくなるのです。庶民ではないのです。養い、教育する資金と地位があるのですから愛人の五人くらい持って家のために使って欲しいものです」


 人権が欲しいなら王政など辞めてしまえばいい。貴族は男だろうと女だろうと歯車でしかない。家のため、国のためにいると思え。その範囲で人らしい幸せを求めるしかないのよ。


「ロッカル。あなたは最低でも三人は愛人を見つけなさい。愛人を幸せにしてあげるだけの資金は与えてあげるから」


「なんの無茶振りだ。わたしは家を大切にする。それはランゼアや息子たちを大切にするのと同義だ。姉上にも家庭を持って欲しかった」


「わたしは家族を守るために動いたまでよ」


 あー。お父様と親友になった理由はこれか。お父様も愛人を持つなどもってのほかだと思っていた。そりゃ、ルゼット様と気が合うわけだわ……。


「お父様もルゼット様も優しすぎますよ。人としては尊敬できますけど」


「チェレミー嬢は貴族としては尊敬するが、もっと人としての情を持つべきだ」


「わたしなりに家族を愛しておりますよ。不幸にしたりしません。ただ、貴族として生まれたからにはその義務は背負ってもらいます。でなければコルディアム・ライダルス王国が成り立ちませんからね。王国を瓦解させる行為は絶対に許しません」


 わたしの幸せのためにもコルディーがなければ困るからね。

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