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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん


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573 力、富み、おっぱい 下

 馬車組が到着したからか、叔父様たちが迎えてくれた。


 叔父様とは二月前に会っているから久しぶり感はないけど、ナジェスやレアナとは久しぶりだ。見ない間に成長しちゃって。おねえさん、ちょっとびっくりよ。


「お久しぶりです、叔母様。ナジェス、レアナも」


「本当よ。少しは会いに来なさい」


 叔母様に抱き締められてしまった。うん。相変わらずのいいおっぱい。このまま顔を埋めていたいわ。


「お姉様!」


 横からレアナが突進して来た。あら、姉様からお姉様になっちゃったわ。


 レアナはもう九歳。来年には十歳か。なんだかわたしと同じくらいの背になってない? 去年は頭のてっぺんが見えていたのに。成長期、どんだけよ?


「大きくなって。来年には追い越されちゃうかもね」


 わたし、百四十八あるかないか。レアナも同じくらいじゃないかしら?


「ナジェスも大きくなっちゃって。完全に追い抜かれちゃったわね」


 少年らしさが完全になくなってしまった。あんなに小さかったのに……。


 この世界、成長期が飛び抜けてないか? と言うか、わたしの成長期、どこに行った? ちょっと迷子なんですけど!


「姉様は変わらず可愛いですね」


 あらやだ。ナジェスったらそんなこと言えるようになったのね。将来、女ったらしになりそうね。わたしのためにおっぱいを連れて来てちょうだいな。


「ふふ。もう一緒には寝れないわね」


 わたしは構わないけど、ナジェスの性癖を歪ませそうだわ。ロリコンは身内でも死刑なんだからね。


「もうそんな歳ではありませんよ」


「わたしはお姉様と寝たいです」


「今日は一緒に寝ましょうね」


 わたしにその成長を見せてちょうだい。九歳なのに膨らんじゃって。叔母様の血かしら? けしからん!


「ルーセル様。こちらの気候には慣れましたか?」


 ストレスが溜まっているかと思ったらそうでもないみたいね。なんだか頬が膨らんでない? 


「はい。チェレミー様のお陰でエルフでも驚かれません。町にも気軽に出られます」


 ん? なぜわたしのお陰? どういう意味だ?


「お前の破天荒の前では他種族でも気にならんわ。どちらかと言えばお前の同類と思われて困るくらいだ」


 なんだ? わたしの悪口か? 叔父様でも許しませんよ?


「わたしは至って普通の女ですけど」


 なぜか沈黙が返って来た。なんです?


「さあ、寒かっただろう。中に入りなさい」


「お姉様、入りましょう」


 なにかなかったことにされ、レアナに引っ張られてお城の中に入らされた。なんだろう。ちょっと納得いかないんですけど! ぷんぷん!

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