566 さようなら 上
とうとう帰るときがやってきた。
思えば長いことおっぱいを見て──じゃなくて、長いことゴズメ王国にいたものだ。過ぎてみればいい国だったわね。
帰る日。いつものように起きていつものようにウォーキングとヨガをする。ルーセル様も巫女たちも同じように行っていた。
終われば皆で温泉にいって汗を流す。
巫女の三人とは今日でお別れ。このおっぱいも見納めかと思うと涙が出てくる。望めるなら巫女五人をコルディーに連れていきたいわ……。
朝食も皆でいただき、食休みをしたら一旦部屋に戻った。
部屋は片付けられ、机も壺もコルディーに運んである。ただ、商品を運ぶ必要があるので寝室はそのままにしてあるわ。こちらで休むときもあるからね。
「今までありがとう。またきたときはよろしくね」
ゴズメ王国側のメイドにお世話になったお礼を言う。
「こちらこそよくしていただきありがとうございました。またのご来訪をお待ちしております」
部屋を出たら外に。たくさんの人が見送りに集まってくれていた。
「寂しくなるわ」
「その分、穏やかな日々になるでしょう」
問題はいろいろ出てくるでしょうけど、わたしがいなくなるだけで心配事は確実に減るでしょうよ。
……いや、わたしがトラブルメーカーってわけじゃないからね……!
「貴女にはたくさん助けられたわ」
「それに見合うものをいただけました。これからもよき関係でいられることを切に願います」
「そうね。よき関係でいたいものだわ。ルーセル。お願いするわ」
「はい。お任せください」
ルーセル様も成長したものね。おっぱいばかり見ててなんで成長したか見てなかったわ。ごめんなさいね。
「マルティラ。ライミラ。ルーチェ。体に気をつけて。また会いましょう」
ゴズメ王国に残る巫女たちを一人一人抱き締め、おっぱいの感触を堪能した。背丈的にちょうど胸に顔がくるんですよ。ゲヘゲヘ。
「またお会いできることを切に願っております」
あーほんと。連れて帰りたいわ。このおっぱいと別れたくないよ~!
「アルカ。ミルレーン。元気でね」
「しっかり役目を果たすのよ」
「また会いましょう」
巫女たちで最後のお別れを交わした。
あぁ、あの中に入っておっぱいに押されたい……。
「ほら、いくぞ」
コノメノウ様にお尻を叩かれてしまった。だから手加減しろや! 痛いんだよ!
「はぁー。さあ、皆乗りなさい」
メイドたちや兵士たちを馬車に乗せた。バラバラより纏めたほうが転移しやすいってことよ。
「タルル様。お願いします」
「うむ」
あっけなく転移。館の前に現れた。
「情緒もなにもありませんね」
「そんなものすぐ忘れる。お、雪か。またかまくらで一杯やれるな」
まったく、この方は!




