534 OGR 上
おっぱいGサイズのロジィーの肉体に魂を定着する。略してOGR補完計画の最終段階となった。
アイテムボックスワールド内で行っているので誰の目にも止まらず、わたしはただ本を読んでいるにしか見えないでしょう。
「ラグラナ。空いている部屋はある?」
「はい。あります」
その空いている部屋へと案内してもらい、ラグラナたちには席を外してもらった。
「また悪さか?」
「こやつの場合は悪巧みだろう」
当たり前のように部屋に存在する守護聖獣様方。もはや壁の染みだと思うことに致しましょう。
「救済です」
「あー。あの男の思い人か」
「正確にはあの男の娘さんですね」
恋人かと思ったら娘だったパターンでした。
「エルフは成長すると年齢差がわからなくなりますからね。わたしも最初は恋人かと思っていました」
記憶を見て親子だってのがわかった。
娘を渦に取り込まれ、救おうとしたところをつけ込まれた。哀れとしか言いようがないけど、男はたくさんの人を巻き込んだ。一人の命では償えほどの命を奪った。
今の生が終わるまであの男が救われることもないし、救ってやる必要もない。死ぬそのときまで後悔で苦しむのがお似合いだわ。
「ロジィーさんはコルディーがもらいます」
拒否は受付ません。
「お前が復活させたヤツだ、好きにしろ」
話のわかる方でなによりだ。
アイテムボックスワールドからロジィーを出す。
ほんと、エルフとは思えないGよね。重力に勝てないおっぱいってステキだわ。
ちゃんと肉体が生成されたかを確認する。
「魂は入っているのか?」
「入ってますよ。定着に時間はかかっていますが」
わたしも初めての試み。本当に造った肉体に魂が定着するかわからない。やっていることは神の所業だからね。世が世なら倫理観を問われていたでしょうよ。
「たまにエルフとは思えない肉体を持つ人がいますよね。異界の血でしょうか? それとも他種族の血でしょうか? 突然変異?」
「昔から豊満な肉体を持った者はいたぞ。ただ、男からは好まれてはいなかったがな」
本当にエルフに生まれなくてよかった。明日への希望をなくしているところだわ。
「お前なら男どもを虜にするのも軽いだろうよ」
貧乳好きを虜にしてもなんもうれしくねー。本当にエルフに生まれなくてよかった。
「体に異常はありませんね。痛みにも反応しているし、瞳孔も反応している。魂は定着しているようです」
さらに魂が定着するよう付与、魂を強くする付与、生きたいと思わせる付与を施した。
「記憶は消したのか?」
「いえ、魂は複雑なので手は出してません。記憶はロジィーに残された唯一の救いですから」
記憶は苦しめるときもあるけど、力になるときもある。記憶を持って生まれたわたしがいい証拠よ。




