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524 キリッ 上

 あー平和だぁ~。


 なんてフラグを立てたのが悪かったのかしら? いや、そうではないわね。こうなることは必然だったのだからタイミングの問題よね。うん、そうよ。


「待たせた」


 あれから何日過ぎたか忘れたけど、待ったって感覚はないわね。忙しかったからね!


「お気になさらず。こちらもいろいろありましたから」


「そのようだな。一角獣レイオンと契約したようだな」


 どこぞの魔法少女みたいな契約じゃないのが救いだわ。


「指輪だ」


 魔力が満杯になった指輪を受け取った。


「……よく溜められましたね……」


 タルル様二十人分どころか五十人分は溜まってない? 青く結晶化しているじゃない。サファイアの指輪みたいにになっているわよ。と言うか、形が変わってんじゃん。どうなってんの?


「仲間に籠めさせた」


「妖精、まだ絶滅してなかったんですね」


「人の世に出てないだけで妖精はまだいるさ。まあ、説得するのに時間がかかったがな」


 どうやら閉じ籠っていれば問題が解決すると思っている脳内お花畑みたい。知らぬ存ぜぬで許される世界でもないにね。


「まあ、妖精界はタルル様に任せるとして、ラシャニカの場所はわかるのですか? かなり広範囲に移動できるみたいですけど」


 おそらくタルル様と同じ転移できる能力を持っているわ。見つけるのは大変じゃない?


「それも協力するよう約束させた」


 それはご苦労様です。さぞ大変だったでしょうよ。


「どうにかできるのだな?」


「どうにでもなります。これだけの魔力があるのなら。お望みはありますか? これだけあればそれなりに要望は聞けますよ」


「消してくれ。跡形もなく。この世から」


「……わかりました。跡形もなくこの世から消し去ります」


 タルル様の願いとあっては叶えるしかないわね。


「悪いことを考えてそうな口振りだな」


 ヤダ。コノメノウ様がいました~。


「悪いことを考えている顔に見えますか?」


 キリッ。


「そうとしか見えないな」


 キリッ。


 と返してきた。や、やるじゃない……。

 

「タルル様の願いは必ず果たすと約束します。わたし、ウソをついたことありますか?」


「あるだろう」


「あ、はい。ありましたね。申し訳ありません」


 うん。ウソを重ねた人生でした。ごめんなさい。

 

「ま、まあ、約束は破ったことないのでご安心ください」


 キリッ。


「その顔が信用ならんと言っているのだ」


 信用されてないとか傷つくわ~。


「一日待ってください。跡形もなくこの世から消し去るなら用意が必要なので」


「わかった。すべてお前に任せる」


 ハァー。まったく、要望なんて訊くんじゃなかったわ。

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