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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん


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512 世界のバランス 上

「ふー。なんとかなったわね」


 正確にはミャマハルを聖域に閉じ込められた。あとは、渦を浄化すればいいだけよ。


 渦を一気に浄化するには世界樹の下に運ぶのが手っ取り早い。まあ、人に宿っているなら強制転移もいいけど、変なのに宿っていたら下手に強制転移はできない。その場で浄化しなくてはならない。


 って思って聖浄領域を考えたのよね。それがまさか使う日がくるとは。考えていて本当によかったわ。わたし、グッジョブ!


「そなたの頭はどうなっているか覗いてみたいものだ」


「どうなっているかは乙女の秘密です」


 だっておっぱいで占められているんですもの。恥ずかしいわ。きゃっ♥


「……そなたが言うとなぜか鳥肌が立つな……」


 まあ、中身、おっぱい星人ですからね。獣の勘がそうさせるのでしょう。


「とりあえず渦が浄化されるまで休むとさしましょうか。シューティングスターは、果物食べられる?」


「好物だ」


 さすがにお酒を飲ませるわけにもいかないので、王立植物園でいただいた果物を出してあげた。


「美味い! 美味いな、これ!」


 馬に味覚とかあるのね。と言うか、動物と話せるとかメルヘンよね。


「果実酒もいいものだ」


 なんと言うか、獣は食に素直な生き物よね。まあ、物で御せるから楽でいいんだけど……。


 わたしも紅茶を出して一息つく。館から出て二時間も経ってないけど、丸一日戦った気分だわ。


 一息済ませたらミャマハルの様子を見る。


 ……本当にキングなコングよね。なにを食べて生きてんのかしら……?


 牙は生えているけど、完全な肉食って感じはしない。雑食か? ファンタジーな世界とは言え、これだけの体を維持できるものなの? 森は豊かな感じはするけどさ~?


「シューティングスター。ミャマハルはなにを食べているの?」


「マグリャヌだな」


 マグリャヌ? なんや?


「硬い皮に覆われたものだな。ミャマハルが食ってくれるお陰で森はマグリャヌに侵略されることもない」


 渦よりヤベーのがあるみたいだ。この世界、意外とバランスが悪かったりする? 


「ミャマハル以外、食べる者はいないの?」


「熟せば食べる者もいるだろうが、熟すまでに結構な時間がかかる。その前にミャマハルがすべて食べてしまうので、誰も食べたりはしないな」


 本当にここのバランスは悪いな。ミャマハルがいなくなったらどうすんのよ? ミャマハルの子でもいるのか?


「渦が消えてきたな」


 せめてお酒の瓶は置いて言ってください。威厳もなにもありゃしないでしょう。


 領域にメーターとかないので渦が消えたかどうかはわからない。とりあえずミャマハルが目覚めるまで待つとしましょうか。

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