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511 ミャマハル 下

「まずはミャマハルに宿る渦を浄化します。コノメノウ様、ミャマハルを押さえてください。さすがにわたしでは押さえることはできないので」


「魔力はやれなくなるぞ」


「あのていどなら手持ちの魔力で充分です」


 魔力を籠めたイヤリングを追加した。レベル7なら二回は浄化できるわ。


「シューティングスター。わたしを守ってね」


「任せろ」


「ジェンは待機よ。万が一のときはあなたの判断に任せるわ。邪魔が入るようなら排除して構わないから」


 ミャマハルの仲間が介入してきたら排除して構わないわ。まずはこちらの命が最優先だからね。


「畏まりました」


「コノメノウ様、お願いします」


「終わったら酒を出せよ」


「わかりました。禁酒は撤回します」


 仕方がないわね。正しい労働には正しい報酬を、だからね。


「うむ。ではやるか──」


 いつもの幼女形態のまま飛び出し、山のような巨体を殴りつけた。案外、コノメノウ様は脳筋なのかしら?


 耳を裂くような鳴き声に思わず耳を押さえてしまった。


「ロンシャ、いくぞ!」


 振り落とされないよう脚に力を籠め、耳に音量調節の付与を施してから手綱を握った。


「聖気発動!」


 わたしに聖気はないので変換する付与を呪文で発動させた。


聖浄聖火せいじょうせいか!」


 魔力を変換させた聖なる火をわたしたちに纏わせる。


「シューティングスター! 聖なる火を纏わせた。防御力も上昇させた。力も上昇させた。恐れず突っ込め! その一撃は山をも貫く。シューティングとはそういう意味だ!」


 もちろん、後付けです。まあ、別の意味も含んじゃったかもしれないけどね。


「おう! 任せろ!」


 結構熱血タイプのようで、コノメノウ様が殴りつけて倒れたミャマハルに突っ込み、前方回転してミャマハルの腹に蹴りを入れた。


 ……どこぞの銀色の犬みたいな戦い方すんな……。


 わたしの付与で数倍の力になったとは言え、本当に思い切りがいい。もしかして異世界から聖女が召喚されてたら活躍していたかもしれないわね。


聖浄聖光弾せいじょうせいこうだん!」


 聖気の塊をミャマハルに放った。決してカメハメな波ではありません。


「シューティングスター、もう一発!」


 ミャマハルに宿った渦が薄くなっている。まだ意識のあるミャマハルを昇天させてあげなさい。


「任せろ!」


 腹を蹴って天高く昇り、凶悪な一撃を食らわしてやった。


「聖浄領域展開!」


 右のイヤリングの魔力を使ってミャマハルの周りを聖域化した。これで世界樹とリンクさせ、領域内を聖気で満たした。


「渦ごときに汚される世界だと思うな! この世界はこの世界で生きるわたしたちが守る!」


 なんて格好いいこと言ってみた。わたしの中二病が疼くぜ……。

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