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510 ミャマハル 上

「……もう、キングなコングじゃん……」


 なにかと思ったら巨大なゴリラ(をちょっとファンタジーにした感じ)だった。


 まあ、十数メートルなので怪獣大決戦とはならないでしょうけど、人がどうこうできるレベルじゃねーんだよ! ほんと、想定外なことばかり起こしてくれてんな!


「なんだ、キングなコングとは?」


「あれを表現した言葉です。気にしないでください」


 あまりのことに口にしてしまったわ。ほんと、突っ込みどころの多い世界なんだから……。


「しかし、よくあの巨体を拘束できてますね」


 あれがウワルカの根か。普通の木の根にしか見えないけど、とんでもなち木っぽいわね。


「どうするのだ?」


「不測の事態です。コノメノウ様の出番ですよ」


 よかった。コノメノウ様を連れてきて。


「わたしに放り投げるな。ミャマハルはどうにかできても渦はどうにもできんわ」


 ったく。役に立たない守護聖獣様なんだから。


「仕方がありませんね」


 グリムワールを出して聖水の霧を発生させた。


 わたしの見立てでは渦のレベルは5か6だ。レベル7ではないのなら通常浄化法で問題ないでしょう。なら、王都に強制転移させる必要もないわ。やはり渦は人の意思に反応するタイプみたいね。


 ミャマハルを包むように聖水の霧を発生させ、収納の指輪から世界樹の葉をばら撒いた。


「シューティングスター。渦を宿した者はミャマハルだけなの?」


 肝心なことを訊くの忘れていたよ。


「あれだけだ。他にはいない」


「……ミャマハルだけに渦が宿り、周囲には害を与えないか……」


 人と怪獣は違うのかしら? それともここに関係あることかしら?


「不規則なことばかりで法則性が見つけられないわね」


 世界樹の効果範囲から外れてはいるけど、あまりにも離れすぎている。あの妖精がここまできたってことなのかしら?


「だが、ミャマハルの仲間が我らと敵対したと思って攻めてきている。もちろん、蹴散らしてやっているがな」


 ここの馬は怖いわね。そりゃ、あんなに大集団になっているわけだ。このまま生き続けたら馬人間に進化……しないか。その前に滅ぶでしょうよ。人間もろとも、ね。


「ロンシャ。あれは効果が出ているのか?」


「効果は出ているわ。でも、すぐに効果を表すものではないわ。少しずつ浄化したほうがミャマハルへの負担が減るのよ」


「お前は、ミャマハルまで救うつもりか?」


「わたしは無闇な殺生はしないの」


 美味しいお肉があるなら殺すけどね。


「それに、ミャマハルを殺したらミャマハルの仲間たちと一角獣レイオンの全面衝突となるわ。禍根を残さずするには殺してはダメなのよ」


 ついでに人まで憎まれたら猿の惑星になっちゃうわ。

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