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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん


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488/1010

488 ログライス伯爵領 下

「では、魔獣をできる限り退治してください」


「授けられた剣に誓い、勝利を勇敢なる乙女に捧げよう」


 出発する聖騎士たちが剣を抜いて胸の前で掲げた。


「勇敢なる聖騎士に世界樹の祝福あれ。聖浄聖衣せいじょうせいい


 聖騎士たちに浄化効果と防御力を高める付与を施した。


「出陣!」


 ライルス様自ら率いて魔獣退治に駆けていった。


「ルーグベル様。残りはわたしを守ってください。これから浄化をするための楔を打ちますので」


 本当にいただけるものはいただいててよかった。あのときの自分を褒めてやりたいわ。


 アイテムボックスワールドに収めていた世界樹の枝を出し、先を削って地面に刺した。


 そこに強化、浄化、反転、消滅の付与を施す。


「一割か」


 四つの付与を施すと一割の魔力が消費されてしまった。


 魔力は固定されている通説になっているけど、やはり魔力を増やすことは可能だ。二級のわたしが一級くらいにはなっているわ。ってまあ、体感なんだけどね。


 それでも安全のために六本が限界だ。でも、アマリアがいたら十五本はいけそうだわ。


 二百メートル毎に刺していき、予想どおり十五本を刺すことができた。


「アマリア。魔力はどう?」


「残り半分と言った感じです」


 毎日魔力を籠めているだけに魔力量を把握できるようにまでなっているようね。


「そう。魔力回復に専念しなさい」


 わたしも魔力回復に専念する。


「聖騎士様方も剣に霊力を注ぎつつ体力を温存してください。決戦に備えて」


「決戦になるのですか?」


「わかりません。ですけど、このまま簡単に終わらせてくれるとは思いません。なにかあると考えて動くとしましょう」


 料理を出してしっかり食べることにした。


 渦は自然現象のようで意思を持っている。なにか、悪意なものを感じるのよね。


 もし、悪意があるなら意思がある。敵を感知したら排除に動くでしょう。


「……お嬢様。本当に勝てるのでしょうか……?」


「そうね。勝てるかどうかはわからないけど、わたしは勝つ気でいるわ。どんな脅威でもあれもこれもできるわけではないからね」


 台風は脅威でも地震を起こせるわけではない。渦だって命を歪めたり大地を腐らせたりすることはできても水を腐らせることはできなかった。


 完璧な存在でないのなら対抗策や対処法は必ずあるということだ。


「渦は浄化できる。巫女の魔法、聖水、世界樹の葉、聖剣と、渦に対抗できる力はあるわ。それだけで渦は完璧で絶対的な存在ではないと証明しているのよ。なら、戦略を立て、戦術を施せば勝つことも可能だわ」


 レベル5とは言え、まだ一地域に存在しているだけの脅威。勝算はまだあるのよ。

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