417 聖浄祭 上
お祭りをやる。
それには各所の協力が必要であり、お金がかかるものである。
まあ、お金は問題ない。国王が一言発せればいいだけのこと。国庫がどうなっているかなどわたしには預かり知らぬことよ。払うもの払ってくださいだ。
式典局、神殿、聖騎士団の代表を集めてもらい、まずは関係各所に伝手がある式典局に仕切ってもらい、やがては神殿主催に切り替えてもらうようにする。
お祭りをやる場所は世界樹の下にある広場で、国王の挨拶や開樹祭とかの祭事にも使われる場所らしい。
そのため、観覧席や公衆トイレ、市場などが併設されており、約二万人は集められるそうだ。
「開始日は今から五日後。お昼過ぎから始めましょう。式典局は関係各位、各所に連絡を。商人たちにも連絡してください」
そのとき税をなくすってのも考えたけど、それを調整する時間はないし、わたしは関わりたくないので考えを却下しました。
「聖騎士団は他の騎士団、兵士たちを指揮してください。聖女召喚派が過激なことをしないとも限らないので」
聖女召喚で利を得る者がいる。国王陛下を排除しようとするくらいにね。
「そんな情報があるのか?」
「万が一に備えてです。渦や巫女は神殿に守らせます。聖騎士団は、民衆を守るために動いてください」
わたしも対策は考えているけど、あちらもこちらもは無理だ。守るべきはおっぱ──巫女だ。他は聖騎士団にやってもらいましょう。
「神殿は祭事など行っているでしょうけど、今回は初めてのこと。式典局と協力して進めてください。なにかあればわたしが間に入りますので」
筆記者を呼んでもらい、スケジュールを書かせて関係各位、各所に送ってもらった。
予定は未定。計画とおりにはいかないを地でいくので、眠る暇もない。巫女たちと親睦を深めるために一緒のお風呂には時間を割いたけど。広がるパラダイス。今死んでもわたしは一片の悔いもないわ。いや、ウソです。メイドたちも混ぜたいのでまだ死にましぇーん!(ヤベー。年代がバレる)
時間は溶けに溶け、完璧でないのにお祭りの日がやってきてしまった。
「巫女たち。これを」
ベールを出して主要の巫女三人につけさせた。
「民衆に神聖さを演出するために顔は見せないようにします。他の二人はわたしの横に。狐の面をかけなさい」
連れて帰ることを主張するためだ。やっぱやーめた! とか言わせないためにね。
「貴女たちの運命は過酷なものでした。でも、自らの運命を切り開くのは貴女たち自身です。幸せになるために生きなさい。そのために三人であることを知らしめるのですから」
派閥が生まれそうだけど、それも巫女たちの裁量だ。幸せを求めるなら努力しなさい、だ。
「では、いきましょうか」
舞台裏から表舞台へと出た。