403 利は我に 上
王都に帰ってきたら国王夫妻や各大臣の前で渦浄化の説明をさせられてしまった。
他国の伯爵令嬢になにさせんだか。とは今さらか。渦のことで国が分かれそうになっていたのだ、そんなことに構ってられないのだろう。
「以上のことで渦はそれほど脅威ではないとおわかりいただけたでしょうか?」
ちゃんと幻影を使っての説明と、報告書は各大臣に配布してある。これで理解できないのなら大臣職を辞したほうがいいと思うわ。
「……頭ではわかっているのだが、まだ心情の整理が追いついていない。しばらく時間をいただけないだろうか?」
そう口にしたのは神経質そうな顔をした男性だ。
「三日ていどでよろしいですか? 各方々で答えを出すにはそれで充分でしょう。それでも足りないと言う方は国王陛下と話し合ってください。他国の者がこれ以上、口を出すことは控えさせていただきます」
三日でどうにもならないならこれ以上、付き合ってられないわ。そっちでどうしかしてください、だ。
「今後のことは、国王陛下を中心に渦が出たとき素早く動ける体制を築いてください。それと、渦の研究も進めるべきです。わたしがしたことは応急措置にしかすぎません。今後、研究が進めば渦は雨が降ったようなものになるでしょう。皆様方の奮闘に期待します」
一礼してその場から立ち去った。
部屋から出ると、王妃様が待っていた。
「どうだったかしら?」
「それは国王陛下から説明を受けてください。わたしからは控えさせていただきます」
「そう、ね。ごめんなさい。なにからなにまで貴女を頼ってしまって」
「いえ、わたしにも考えがあってのこと。王妃様が謝ることではありませんわ」
酔狂でやっているわけではない。ちゃんとこちらにも得になるよう動いているわ。
「なにを考えているか聞いても?」
「それは秘密です。手のうちをさらすようでは貴族失格ですからね」
人差し指を口許に当ててお茶目に言ってみせた。いや、ベールをかけているから表情は見えませんけどね!
「ふふ。そうだったわね。今の言葉は忘れてちょうだい」
「はい。忘れました」
すぐに忘れることも貴族には大事なこと。できない者は精神を病んじゃうからお気をつけを。
「このお礼はなにを返せばいいのかしら?」
「ゴズメ王国滞在をお許しになっていただけるだけで充分です──と言ってもゴズメ王国としては納得できないでしょうし、要求を一つ。世界樹の巫女を二人ほど我が王国に招きたいと思います。許可をいただければ幸いです」
F級のおっぱいをいただけるのやら今回の苦労など安いものだわ。




