表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

250/1027

250 郷土料理

 あらあら。うふふ。と笑みが零れてしまう。


 ほんと、メイベルって可愛いわよね。同性だから微笑ましく見られているけど、中年親父だったら悪即斬とばかりに殺されても文句は言えないわよね。


「チェレミー様。こちらも焼けました」


 おっと。恥ずかしがるメイベルを愛でるのはあとにして、できあがったピザを村の女性陣に試食してもらいましょうか。


 ピザをこの地の郷土料理にしてもらうためには村の女性陣に覚えてもらわないといけない。しっかり味を覚えてもらって窯の使い方をマスターしてもらわないとね。


「美味しい!」


「ただ具材を乗せて焼いただけなのにね!」


「でも、これならあたいらでも作れるよ」


 村の女性陣からの評価は上々のよね。あとは窯を作れるかどうかだわ。


 まあ、パンの窯はあるんだし、すべてをわたしがやると村の方々の自主性が損なわれる。美味しさを教え、麦酒を配って盛り上げるとしましょう。


「いい匂いがするな」


 匂いに釣られてルゼット様とロンゼ様がやってきた。


 と言うか、村の方々も集まってきちゃったわね。仕方がないんだから。


「伯爵様にお出しするものではないのですけれど、これからこの地の郷土料理となるのですから、食べていただきましょう」


「郷土料理?」


「守護聖獣様が余暇を過ごした地。なにか誇れる料理がないと寂しいでしょう?」


 あの地にはピザと言う料理があるんだぜ! ってくらいしないとマルビオ伯爵領の名が泣くわ。


「チェレミー嬢に領地を任せたいものだ」


「わたしがやったらとんでもないことになりますよ」


 公金でおっぱいリゾートを築いてしまうかもしれないわ。いや、わたしならやる。絶対やる! 


「……そ、そうだな。本当にとんでもない未来が見えてしまったよ……」


 さすが大領地の当主様。一瞬で未来を見通すんだから。と言うか、ルゼット様の中のわたし、なにしたん?


「まあ、食べてください。あ、熱いのでお気をつけてください」


 マルビオ家のメイドに視線を飛ばし、給仕をやってもらった。わたし、手が汚れているんでね。


「美味いな!」


「美味しい!」


 ルゼット様もロンゼ様も気に入ってくれたようだ。


「ビールもどうぞ」


 よく冷えたビール樽を収納の指輪から出してジョッキ(木製)に注いであげた。


「麦酒とは違うな」


「はい。麦酒にとある植物を混ぜたものです。爽快な苦味とスッキリとした余韻を与えてくれるんですよ」


 コズメ王国にあるツル科の球花をいくつか送ってもらい、ホップに似た植物で創ったビールだ。元の世界のビールとは違うものになっちゃったけど、コノメノウ様は気に入ったのでそのままにしたのよね。


「チェレミー嬢は知識が豊富なのだな」


「せっかく神からいただいた天能ギフテット。使わなければ宝の持ち腐れですからね」


 神様。わたしの人生が豊かになるために付与魔法を与えてくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ