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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん


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185 魔弾

「ここにしましょうか」


 川幅もちょうどいいし、向こう側は草が覆い繁っている。ウサギを狩るていどの魔弾なら土手を崩すこともないしね。


「ナジェス。グリムワールを貸してちょうだい」


「はい、姉様」


 グリムワールを受け取ったら魔弾を発射できるよう付与を施した。


「まずは言葉で撃てるようにしたわ。お手本を見せるわね」


 グリムワールを対岸に向ける。狙いは適当だ。


「魔弾!」


 グリムワールの先から指先くらいの魔力の塊が撃ち出された。


「おー!」


 魔力は無色透明だけど、出たか出ないかわからないのでは困るので、目立つように光るようにしたわ。まあ、モード1ってところね。


 威力的には小動物を狩れるていどにしたので効果がいまいちわかり難い。でもまあ、草は揺れたので練習には問題ないでしょうよ。


 もう一度撃ってナジェスに返した。


「いい。絶対、人に向けてはダメよ。これは人を殺せる武器でもあるんだからね。まあ、剣の稽古をしているなら心構えがあるでしょうけどね」


「はい。剣と同じ思いで使います」


 うん。いい先生に教わっているようでなによりだわ。


「さあ、やってみなさい」


「はい」


 グリムワールを対岸に向け、一呼吸して魔弾と発した。


 認識できるよう反動も付与してあるので、魔弾を撃ったことに感動しているようだわ。


「魔弾はナジェスの魔力だから撃ちすぎには注意よ」


 ナジェスも二級魔力保持者だ。魔弾だけなら百発撃てるでしょうけど、魔力を出すのは訓練がいる。十キロ歩ける体力があるからって筋肉は十キロ歩けるようにはなっていない。何事も訓練あってのことなのよ。


 十発も撃つと、ちょっと息が上がってきた。


「はい、そこまで。一旦休みましょうか」


 少し駆けたていどの消耗だろうけど、慣れないうちは無理しないほうがいいわ。


 今日の担当たるマーナから水筒をもらい、ナジェスに飲ませて落ち着かせた。


「意外と魔力を使うものなんですね」


「そうね。魔力を固体化するのはかなり使うから慣れないと魔力切れを起こしちゃうかもね。慣れてきたら余裕で五十発は撃てると思うわよ」


「五十発ですか。結構撃てるものなんですね」


「まあ、五十発も撃てる状況なんてそうはないからね。数を撃つより早撃ちと命中率を上げたほうがいいわ。一発必中。極めれば大魔法使いだって倒せるわよ」


 まあ、大魔法使いと戦う状況なんてないと断言できるけどね。


「落ち着いた?」


「はい。魔力を失ったあとの消失感も消えました」


 他の魔法も練習しているのね。魔力回復力も向上しているんでしょう。


「次は狙って撃ってみなさい。そうね。的があったほうがいいでしょう」


 グリムワールに土魔法を使える付与を施し、対岸に魔法を飛ばして人型の的を創った。


「あれを狙って撃ちなさい」


 わたしもやりたいのでその横に的を創って魔弾を撃ち出した。


 う~ん。杖型だといまいち撃ち難いわね。今度、銃型を作ってもらって試してみましょうっと。

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[一言] パッドをホルスターにしている未来が見える
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