151 千差万別
叔母の胸を揉む姪。なんて婬靡な響きかな。チェレミー心の句。
「柔らかいですね」
これはこれでいいけど、衰えはおっぱいに出ている。若いおっぱいの張りはないわ。ましてやこの世界の女性は巨乳ばかり。なにもしなければ垂れるのも早いのよ。
「そ、そう? 胸なんてこんなものよ」
「そうですね。年齢的にはこんなものでしょうけど、マッサージで張りを蘇らすのが今回の趣旨ですよ」
癒しの手袋は肌の老廃物を出して回復させる。さらに脂肪を燃焼させて筋肉に変える。
わたしの付与魔法は人体改造も成し得てしまうほどデタラメな天能だ。デタラメ故に強すぎると人体改造になっちゃうので抑える必要があるわ。
「叔母様は、もう少し運動が必要ですね。胸だけでなく他も柔らかいです。一度ついた肉はなかなか落ちません。体を動かすことで肉は消えていくんですよ」
まあ、叔母様の立場では運動に費やす時間を取るのは難しいか。一日の大半は公務に費やされるしね。
「とは言え、わたしの魔法ならそれを補えることができ、その効果をお見せするために叔母様たちにきてもらったのですよ」
今回の視察の目的は叔母様の立場をよくするためもあるけど、真の目的は高貴な方がきたときの予行演習と問題点の洗い出しね。さすがに失敗したらとんでもないことになるもの。
ハイそこ。人体実験とか言わないの。そこまでやらないわよ。
おっぱいを五分くらい揉んだら腰回りを揉んで終わりとする。
「……なんだか体が軽くなった気がするわ……」
「今日は体から悪いものを出すマッサージをしました。汗も出たので水を飲んでください」
「どうりで。喉が渇いて仕方がないわけね」
エステメイドが常温の水を持ってきてくれ、いっきに飲む叔母様。次はやる前に飲ませておきましょう。
「レイア様、見違えるようにすっきりしましたこと」
「ええ。心なしか肌の張りもいいような?」
「それは皆様が体感してください。さあ、次はロスミル婦人、ここに仰向けに寝てください」
エステメイドは三人いるので任せたらいいのだけれど、おっぱいを合法的に触れるチャンスを逃すなんてしたくない。わたしは千差万別百花繚乱なおっぱいを触りたいのよ!
「……な、なんだか恥ずかしいですね……」
「ふふ。そんなに恥ずかしがっていては綺麗になれませんよ。ロスミル婦人はまだまだ綺麗になるのですから」
婦人と言ってもまだ二十代前半。子供を一人産んだだけだ。ちょっと太ってはいるけど、ここにいる間に元の体型に戻してみせるわ。
仰向けに寝たらまずは腹回りを重点的にマッサージをしていった。




