132 下着
服は一日では作れない。
いや、簡単のなら作れはするわよ。ただ、いっぱしのものとなれば二日はかかる。服飾メイドが総がかりなら、だけど。
今回は三人でやるようなので、夜までにはできそうな感じね。
「お嬢様。尻尾は外に出したほうがよろしいでしょうか? スカートの中に収まるように作りますか?」
まだミコノトとどう接していいかわからないようで、わたしに尋ねてきた。
「そうね。尻尾は出してちょうだい。せっかく綺麗な尻尾なんですもの。隠したらもったいないわ」
できればおっぱいを強調できる服でお願いするわ。露骨に言えないので黙ってますけど。
「畏まりました」
デザインは服飾メイドに任せる。わたし、服装デザインに才能ないし、知識もないしね。まあ、できればおっぱいを強調できる服でお願いしたいけど、露骨に言えないので黙ってます。
「あ、まず下着を作ってちょうだい。付与を施したいから」
前も言ったけど、この世界にはブラジャーとおぱんティーがある。貴族のものとなればいい布を使い、シルクのようなものまである。上下で金貨一枚とか平気ですると聞いたことはあるわ。
さすがに普段穿くものにお金なんてかけられない。そもそもメイドが穿くものは紐パンみたいなもの(結構エロい)。防御力はわたしの力で施せばいいのだから簡単なので構わないわ。
下着専門のメイドがあっと言う間に一組を作ってしまった。
「ミコノト。これをつけてみて」
羽織ったものを脱ぎ、たわわなパイ×2がこんにちは。おっぱいは何度見ても、何時間見ても飽きないものよね。ハイルおっぱい!
ブラジャーとおぱんティーはいつも穿いていたようですぐに身につけた。
「ミコノト。その下着に汚れ弾きと防御力向上、耐水、耐火、自分以外外そうとしたら雷を放つよう施すわね」
おぱんティーに触り、たわわなパイ×2に両手で触る。ヤダ。いい張り。
「これで完成。洗う必要はないけど、気になるなら洗っても構わないわ。洗濯籠に入れて下女に洗ってもらいなさい」
羽織っていたものを拾ってミコノトに渡した。
「じゃあ、ミコノトの寸法を計ってちょうだい」
あとは服飾メイドに任せ、わたしは長椅子に座ってリリヤンを始めた。
集中してやっていたら昼となり、ミコノトの寸法も終わって服作りを開始していた。
編むのを止め、服飾メイドの仕事をしばらく眺めた。
「どうか致しましたか?」
「ううん。見事だな~って思っただけよ。もし、独立したいときは言いなさい。わたしが口利きしてあげるから」
三人とも店を開けるレベルだ。一人立ちして店を構えたほうが儲けられるんじゃないの?
「いえ。わたしたちはお嬢様の下で働きます」
「ここでなら自由に、自分の思う服を作らせてもらえますから」
「それに、ここ以上に食事がよいところはありません。可能な限り、ここで働かせてください」
三人とも手を止めてわたしに訴えかけてきた。
「そう。なら、あなたたちが望むまでいてちょうだい。わたしもあなたたちがいないと困るからね」
田舎に引っ込んでいるとは言え、いつ王都に呼ばれるかわからない。指輪のことで呼ばれそうな気がするしね。そのときの衣装を頼まなくちゃならない。そのときのために腕を上げてちょうだいな。
眺めるのを止め、また編むのを始めた。




