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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第3章

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131 いろっぺ

 わたし、見ているようでなにも見てなかったのね。


 人間、興味がないと見ていても頭に入れてないのがよくわかったわ。村にいくまでの道に結構な梅の木が生えていた。


「去年、咲いていたかしら?」


 まったく思い出せない。本当に生ってた?


 まあ、意識できたならウォーキングの楽しみとなる。世界が広まったと思えば楽しいものよ。


 三十分歩いたら館に戻った。最近いろいろあったから今日はほどほどにしておきましょう。


 館に戻ったら朝食をいただき、お腹が落ち着いたら魔力籠め。わたし、アマリア、ミコノトで魔力壺に貯め込んだ。


「ミコノト。無理しなくていいからね」


 まだ服ができてないので獣化したままのミコノト。慣れているのか、それとも関係ないのか、魔力の扱いはスムーズであり、量が変わることもないようだ。アマリア以上の魔力が壺に貯まった。


「少し休憩しましょうか。アマリア。なにか羽織るものを用意して。ミコノトに羽織らせるから」


「畏まりました」


 朝食は獣化のまま食べていたけど、その状態で食べるのは慣れていないようだ。食べ辛そうにしていた。お茶くらい人に戻させてあげましょう。


 アマリアが持ってきてくれた羽織るものをミコノトにかけ、人に戻らせた。あら、いろっぺ。


 つい胸に目がいっちゃうのを堪えてお茶とお菓子をいただいた。


「……美味しい……」


 と、ミコノトが呟いた。


「遠慮なく食べていいのよ。これは魔力を籠めた報酬みたいなもの。アマリアのようにたくさん食べなさい」


 甘いもの大好きなアマリア。一生懸命お菓子を食べているわ。


「うん。いっぱい食べる」


 体は大人なのに精神が幼児化しているわね。まあ、わたしはおっぱいが素晴らしいなら気にしないわ。


 その放漫なボディーのどこに入るのやら。いや、胸か? どんどん食べなさい。そのおっぱいを育てるために。


「……もう食べられない……」


 でしょうね。アマリアより食べたしね。見てるこっちが胸焼けしてきたわ。


「遠慮することはないけど、ほどほどにしなさい。毎日食べさせてあげるから」


「こ、これが毎日食べられるの?」


「ええ。食べられるわよ。食べたいなら朝も昼も夜も出してあげる。ただ、食べたら魔力籠めをして動くこと。ぶくぶく太ったら禁止にするからね」


 ぽっちゃりなら許容できるけど、ぶくぶくは許さない。正しい体には正しいおっぱいがよく似合うのよ。


「うん。魔力籠めをがんばって太らないように動くわ」


「素直でよろしい。夜にはアイスを出してあげましょう」


 アイスは食べすぎるとお腹壊すから一日に作る量を決めている。お腹を崩してトイレに籠るとか情けなさすぎるわ。


「アイス?」


「それは夜のお楽しみよ」


 呼び鈴を鳴らすと、ラグラナがやってきた。


「ミコノトの服を作るわ。服飾メイドを呼んでちょうだい」


「畏まりました」


 服飾メイドがくるまでわたしも錬金の壺で指輪を創ることにする。

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