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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん


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125 お持ち帰り

 闇色のローブを纏った者たちがやってきて燃えるシーツを足で消している。水の魔法とか使えんのかーい! だったら水を用意しておきなさいよ。


 一生懸命火を消しているところに爆弾の導火線に火を点けてポイ。爆発を起こした。


 おー。あの爆発に耐えられるか。凄い魔法陣じゃない。


「あらあら。瀕死じゃない。大丈夫?」


 やったお前が言うなとか突っ込んで欲しいわ。ゾクゾクしちゃう。


 あ、でも魔法陣を築いた者が死んでたら魔法陣は解かれなかったりする? いや、動力源がないのなら時間が過ぎたら消えちゃうかな?


 そのときはそのときと、もう一個爆発を魔法陣の外にポイ。ピクピクしていた者たちが動かなくなった。きっと気絶したのね。わたしの世界は優しいのでスプラッターはありませんわ。


 さて。次はどう出てくるかなと待っていたら、三十分過ぎても音沙汰ナッシング~。逃げたの?


 仕方がないのでベッドに上がり、そのまま眠ることにした。


 そのまま熟睡。清々しく目覚めると、闇色のローブを纏った者が倒れていた。


「ダメよ。女性の寝込みを襲うなんて。なにされたって文句は言えないんだから」


 操を守るために偽装工作しているんだから寝込みを襲われることくらい想定済み。眠っているわたしに触ると雷を放つようにしてあるのよ。ちなみにおっぱいで起こされるなら発動しないわ。


「……ん?」


 フードからなにか出ていたので捲ってみたらケモミミさんがこんにちは。え? 獣人? この世界、獣人なんていたの? そんな話、全然聞いたことないんだけど。


「……これは、狐耳かしら……?」


 犬と言うより狐の耳っぽい。触ってみたらしっかり頭から生えていた。横も調べたら人間の耳はない。ってことはお尻には……尻尾が二本生えていた。


「マジでコネメノヒメの関係者っぽいわね」


 と言うか、人化できてないのね。コノメノウ様は完璧に人化している。普通のロリなロリロリっ子にしか見えない。尻尾もなかったし。


「あらやだ。意外とあるじゃない」


 爆乳ではないけど、バインバインしがいのあるおっぱいだわ。お持ち帰りしようかしら?


 いやまあ、事情を聞くために持ち帰るんですけどね。スッポンポンにして中吊りにして拷問しちゃおうかしら? ヤダ、凌辱系は好みじゃないんだけど。


 と言いながら魔力を集める指輪を外して中指は無理か。あ、薬指にあった。ここでいっか。


 用心のために足と手を縛り、タオルで口を塞いだ。


「ん? このケモミミさんが入れたってことは魔法陣が解けたってこと?」


 ベッドの上に置いてあれ呼び鈴に魔力を籠めて鳴らした。


 しばらく待つと、呼び鈴が鳴った。


「あちらでもわたしが消えたことは知られているようね」


 コノメノウ様辺りが気づいてくれたかな? 


「反応からしてそう遠くはないみたいね」


 距離まではわからないけど、精々、十キロかそこら辺でしょう。ラグラナに渡しておいた風見鶏(わたしがいるほうを向くヤツね。誘拐されたとき用に創っておいたのよ)でやってこれるわね。


 それまでに洞窟を調べておきますか。なにか戦利品があれば今回のことも無駄じゃないでしょうしね。


 手を出しながら進み、なんなく魔法陣を出られた。


 洞窟は自然なもので、潜伏できるよう改造したみたいね。しっかりした感じからして一年や二年ではなく、結構な年月が経っているっぽいわね。


 さすがにそんな昔からわたしを見張っていたわけじゃないでしょうから、なにかの犯罪組織が使っていたところかもしれないわね。


「わたしがいたところは倉庫の一つっぽいわね」


 地面がしっかりと固められており、荷車の轍がある。なにか隠しておくところだったのかしら?


 轍を追っていくと、なにか箱が積み重ねられていた。


 バールのようなもので箱を開ける。


「……石……?」


 が入っていた。なんで?


「いや、これは銅だわ」


 近くの領地で銅鉱山があると聞いたことがある。そこから横流ししたものかしれないわね。


「カルディム領で犯罪とかやってくれること」


 まあ、帝国の影たちが排除してくれたんだし、カルディム領で没収させていただきます。


 収納の指輪の容量を越えているけど、錬金の壺と繋がっている。銅は残して残りはここに出せばいいわ。


 箱ごと収納の指輪に入れ、錬金の壺で銅を取り出した。


 結構な量だけど、ぐっすり眠って体力気力魔力はたっぷりとある。ラグラナたちがくるまでやれるだけやっちゃいましょうかね。


 えっちらほちらやっていると、なにやら騒がしい音がした。


「チェレミー様!」


 おや。ルーアの声。もうきたのね。


「こっちよ~!」


 あ、罠の確認しなかった! 


 急いで壁に手をつけ罠不発の付与を施した。あ、魔力が……。


 かなりの魔力を使ってしまって膝から崩れ落ちてしまった。わたし、考えナッシング~。


「チェレミー様!」


「お嬢様!」


 ルーアたちやラグラナ、ランやコノハとたくさんきてくれた。


「ありがとう。助かったわ」


「申し訳ありません。チェレミー様を危険にさらしてしまって……」


「いいのよ。不測の事態だもの。わたしだって予想できなかったしね。わたしは大丈夫だから他を調べてちょうだい」


「わかりました。二人一組で調べるわよ」


 あとはルーアたちに任せ、わたしはとりあえず外に出ることにした。

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