1076 暗黒城 上
ま、まあ、わたしは百合に興味はなく、少女を愛でる趣味もない。
将来、巨乳になるなら愛でなくもないけど、どうもラーレシム様は貧乳なような気がする。
もちろん、わたしも貧乳はステータスだと思っている。貧乳には貧乳のよさがある。忌避はない。忌避はないと言いながらもラーレシム様の重要性を見落としてしまったのは大反省だ。次からはおっぱいを抜きにして考え……られるだろうか? いや、無理だと断言しよう! だっておっぱいが好きなんだもん! 大きいほうが好きなんだもん!
という嗜好は一旦抑えつけて、ラーレシム様を連れて桟橋の先に立った。
「とりあえず、あのお城に名前をつけておきましょうか」
なにがいい?
「うーん。面倒なので暗黒城と呼ぶことにしますか」
別に洒落た名前じゃなくてもいいでしょうしね。はい、決定。はい、通達。はい、周知お願いしま~す。
桟橋にテーブルと椅子を出し、ラーレシム様の教育を始める。
ちなみにロリっ娘は、シューティングスターと湖を氷らせてもらっています。湖を汚さないためや暗黒城を逃さないためです。
お茶を飲みながらもう一度指輪の使い方を教え、どんな状況でどの指輪を使うかを想定して教えた。
聖衣は温度調整もするので寒くはなく、トイレに行かなくてもいい構造になっている。あ、おしめとか言わないように。
指輪の扱い方を教えたら世界樹で作った杖型のグリムワールを教える。
これは巫女たちにも与えているもので、コノメノウ様一人分の魔力を籠め、これまで見た魔法、浄化を付与してある。けど、魔力が湧き出るものが近くにあるのでコノメノウ様十人分の魔力を籠められるまでバージョンアップさせた。
「あ、声が」
突然、声を上げると、暗黒城に目を向けた。
「なんと言っているかわかる?」
「誰かに向けて叫んでいるみたいです」
ってことは特定の誰かに向けて叫んでいるわけではないってことか。
なら、外の情報を得ることはできず、ただ声を上げるのが精一杯ってことだ。
あれだけの魔力を持ちながら外に漏らすことをさせない結界(仮)。なんかちぐはぐよね。魔力の持ち主が自らを閉じ込めるとは思えないし、乙女ゲームとして考えたらシナリオが破綻している。閉じ込められたと見たほうがいいでしょう。
「その声に耳をすませてください。その声はどんな音か、どんな感情が籠められているか。強弱はあるか。グリムワールがそれを増幅してくれますから」
「は、はい。やってみます」
ラーレシム様の手を重ね、うんと頷いてみせた。
やはりラーレシム様が要となるかもしれないわね……。




