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令嬢ではあるけれど、悪役でもなくヒロインでもない、モブなTSお嬢様のスローライフストーリー(建前)  作者: タカハシあん
第18章

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1073 不利ではあるけど絶望ではない 下

「なるべく被害を抑えていただけると助かります。たださえ少ない騎士を減らすなどコルディーのためになりませんから。防衛のためにも騎士は絶対に増やさなければならないのです」


 この広大な国土を守るのに兵団がないとかふざけすぎだろう。裏で暗殺でもしてんのか? 臭いものには蓋か? 国家ナメすぎだろう。今は上手く行っていても限界は必ずやって来るぞ!


「いずれ、コルディーは帝国と競う日がやって来るでしょう。そのとき、国家の格を決めるのは軍事力。強いということが国家を守ることに繋がります」


 外交上手がダース単位でいたら軍事力に頼ることもないのでしょうけど、今のコルディーに外交をできる者など皆無だ。そもそも外交って概念があるかも疑わしい。


「帝国にはいるのです。コルディーを脅威と思っている者が。何年も前から動いているのですよ。なにより脅威なのは帝国には海軍がある。海を越える軍事力を持っている。その脅威がやって来る前に、騎士は一万。兵団は二十。予備兵力は五万人。国内治安に十万の兵は欲しいのですよ」


「我々には守護聖獣様がいらっしゃますが」


「帝国にもいるのですよ。守護聖獣様に匹敵する存在が。同等の力を持つ者が戦えば双方、ただでは済みません。そうなった場合、次に頼るのは軍事力です。強者だけが生きることを許されるのです」


 この世界はファンタジーでも弱肉強食だ。強い者が支配し、弱い者が支配されている。変えようのない現実が支配しているのだ。


「わたしたちの敵は同じ人間です。超常な存在でも過去の悪霊でもありません。邪魔をするなら人の知恵で捩じ伏せるまでです」


 あんなのはイベントの一つだ。躓いていられないわ。さっさと片付けさせてもらいます。


「しかし、勝ち目はあるのか? やりようはあると言ってはいたが」


 ハーベルク様には勝ち筋が見えてない、か。戦略眼を持つ者も育てないとダメね……。


「お城の地下には超常なる存在がいた。普通ならまず勝ち目はない。でも、よくよく考えてみてください。あれだけの力がありながらやっていることは数で攻めて来ることだけ。一万でも二万でも骸骨兵を生み出せばよいだけのことです。でも、あちらはそれをしない。しないのではなくできないのなら、それは超常な力を使いこなせてないことを意味し、そこには限界があるということ。そして、あの超常な力を制御していることを意味するのですよ」


 骸骨マンの力からして守護聖獣クラス。とてもじゃないけど、あの力で超常なる者を抑えつけているなんて無理もいいところだ。なにか制御できるものがあるってことだ。


「まあ、それでも難しいことには違いがないのですけどね」


 まったく、頭が痛いところだわ。

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