1066 分相応 上
わたしはどこで間違ったのかしらね? こんな展開、望んでいなかったのに……。
「ただ平和に暮らしたかっただけなのに」
平和な世界でおっぱいを愛でる。そんな細やかな願いを叶えるためになぜか骸骨マンと戦わねばならない。なんの因果関係があるか五文字で説明して欲しいものだわ。
「分相応だな」
ヤダ。なんか論破された気分なんですけど!
「お前が王になったほうが早いのではないかと思えてくるよ」
「人生を捧げるような生き方などわたしはしたくありませんね」
わたしが負えるのは貴族の義務まで。王の義務など負いたくないわ。
「なんて愚痴を溢してても仕方がありませんね。騎士様方が命を懸けて戦ってくださっているのですから」
やる気が限界突破な両騎士団。変な方向に流れたら困る。前線に立って制御しなくちゃね。
「ついて来ますか?」
「もちろん。コノメノウからも頼まれているからな」
「すっかり仲良しですね」
最初は他人行儀だったのに。
「そうだな。話してみたら案外いいヤツだった」
好みが違うと同族嫌悪にはならないものなのね。
「コノメノウ様は動かない。いえ、動けない、ですか?」
コルディーのことにコノメノウ様が動けないとなると……見られているな、この状況。いや、見られないわけがないか。コルディーを揺るがすほどの出来事なんだから。
「わたし、排除されちゃいますかね?」
「そこに一瞬で辿り着いてしまうヤツと敵対か。わたしならしないな。返り討ちにされる未来しか見えんよ」
まあ、わたしでもしないか。対策は万全だしね。
「仮にそうなったのならゴズメ王国で面倒見てやる。全聖獣がお前を守ろう」
それはまた、とんでもないことをおっしゃる。答えたらわたしの立場が悪くなるじゃない。
「わたしは、コルディーの貴族。貴族たる誇りも義務もそう簡単に捨てたりはしませんよ」
「裏切られたら、別か?」
ほんと、答え難いことを訊いてくるんだから。
「それもまたコルディーの判断。わたしは黙って従うだけですわ」
「ふふ。そんな判断をしてくれるといいな」
どこかの誰かに語りかけるような口調だった。
「ついて来るのならご協力お願いしますよ」
「近くで見られるのだ、九割までは差し出そう」
つまり、百二十パーセントは協力してくださるってことですね。
「シューティングスターは上空で待機してて。窮地に迫れたら呼ぶから」
「窮地でなくても呼んでいいぞ」
「それだと簡単に終わっちゃうでしょう。騎士様方に譲ってちょうだい」
ロリっ娘が空にいることで監視者も牽制できる。聖獣には光でも守護聖獣には闇みたいなもの。いい存在だわ。
桟橋から下りてお城に向かった。




