1048 友情 上
皆様方は驚いたものの、妃になるために教育されただけはある。コルディーのために動くことに異を唱えることはしなかった。
教育って怖いわよね。でも、それが王政であり貴族の義務だ。嫌なら自分の力で生きるしかないのよ。
「チェレミー様がやるというならわたしたちは従いますわ」
「ええ。チェレミー様が必要と言うならそうなのでしょうから」
「義務は果たしますわ」
八人が微笑んだ。
これは義務でも覚悟でもなく、わたしへの信頼か。ありがたいと同時に重く感じてしまうわね。重いのはおっぱいだけでいいのに。
とは言え、嫌われるより好かれるほうがいいと思うのが人間だ。つい笑ってしまった。
「皆様方はわたしが必ずお守りします」
ここにいる八人にメイベルと同じ感情が生まれてしまった。
わたしの前世は男だ。男の感覚がこびりついている。それでも友情が勝ってしまう人がいる。メイベルはその初めての人。親友と思えた人だ。
それがこの八人にも感じてしまうとは。おっぱいをガン見できなくなるじゃない。いや、するけど!
なんだか照れ臭くなり、言葉は少なくなったけど、お風呂の流れは止めない。親友たちとのお風呂。なにものにも代えられない至福のときだからね。
ロリっ娘も起きて来て、お風呂へと向かった。
なぜかわたしがロリっ娘の髪や体を洗ってあげ、なぜかわたしにベッタリだった。なんなの? こうなるイベントなんてあったか? つるぺたに懐かれても嬉しくないんだけど。
皆様方から生暖かい眼差しを向けられているから邪険にすることもできない。まあ、皆様方のおっぱいが見えるからいいのだけれどね……。
「しかし、これほど綺麗な湖にも悪霊みたいなものがいるのですね」
「悪霊は人の歪みです。自然に関係ありません」
「そうね。わたしたちの領地も自然豊かですけど、悪霊は発生します」
「人の歪み、ですか。そうならば王都のほうが多いと思うのですけど?」
「王都は守護聖獣様がいらっしゃいますから、そのお陰では?」
なるほど。守護聖獣がいたか。わたしの中では銅像と同じレベルだったから考えもしなかったわ。
「コンポルクは六興巡礼団が来てくださるのでまだよいほうでしょう。祭りで浄化していただけますから」
へ~。守護聖獣にも悪霊を浄化できる力はあるんだ。今度、コノメノウ様に見せてもらおうっと。
「それは羨ましいです。マルセアは豪族だったので」
辺境伯は元豪族と聞いたことがあったけど、本当のことだったのね。
「コルディーの弱点は広いこと。これを解決しなければコルディーは衰退するでしょうね」
国は広ければいいってものじゃない。纏められないなら足枷にしかならないわ。




