1045 ノータッチ 下
「しばらく、ラーレシム様はわたしと一緒に行動してもらいます。よろしいでしょうか?」
カナリア扱いして申し訳ないけど、わたしが受けるわけにはいかないし、警戒されているかもしれない。ラーレシム様に受信してもらうしかないわ。
「ああ。構わない。そのように取り計らっておこう。他にはなにかやるべきことはあるか?」
「タリール様とナジェスとの婚約話を進めてください。父は王都にいますので」
確か、王都の屋敷には公爵様の三男だか四男だかがいると聞いた。男兄弟ばかりってのも凄いわよね。
「公爵様は、愛人の子はいらっしゃらないので? いたらカルディムに送り込んで欲しいのですけど」
「……そ、それは、返答に困るな……」
「わたしは愛人賛成派ですわ。婿となる者にも許可を与えていますから。むしろ、二人くらいは愛人を作って欲しいものです。うちは反対派ばかりで困りものですわ」
なんか愛人話って少ないのよね、コルディーって。陰でバレないようにやっているだけかしら? この世界、全年齢対象なのかしら?
「……え、円満な家庭でよいではないか。我が家も見習いたいものだ……」
どうやらここでの話はミシエリル様にも筒抜けのようだ。貴族なのに愛人の一人も大っぴらに作れないなんて大変ね。ロリっ娘には男の浮気は許容するようちゃんと教育しないといけないわ。
……わたしは女性が愛人を持つことも賛成よ。貴族なんて利益で結ばれた関係。貴族としての義務をこなしているなら好きな人を作ってもいいと思っているわ……。
「まあ、公爵様は公爵様のご家族をお守りください。わたしは手紙を認めたら戻りますので。明日にでもラーレシム様をお寄越しください」
ラーレシム様への説明や説得が必要ですからね。
「なにからなにまですまんな」
「ジーヌ家とカルディム家がよりよい関係となるためです。努力など惜しんでられませんわ」
わたしはおっぱいのためなら身を粉にすることも厭わない。将来のおっぱいのためにわたしはやるのよ!
公爵様に一礼して部屋を出て、借りている部屋へと向かった。
さらさらさら~と何枚もの手紙を認めたら一枚はロイスタン様へ。一枚はお父様へ。一枚は叔父様へ。商人たちに五枚。ローラやマクライと、手紙を書きすぎて手が痛い。おっぱいで揉んで欲しいわ。
ジーヌ家の侍女に渡し、高級チョコレートを置いた──瞬間に菓子カスがスライディングタックル。こいつに守られる国ってなんなのかしらね?
「この手紙を届けてください」
文句を言われる前にミルクストロベリーチョコレートが入った箱を放り投げた。
「任せろ!」
ハイ、お任せ致します。さあ、湖に戻りましょうっと。




