1036 同類やね 上
「お嬢様方。いつまでやっているのですか。朝食の時間ですよ」
皆様方でわいのわいのしていたらナルシア様に怒られてしまった。
「すみませ~ん!」
高位貴族のご令嬢でも教育係には逆らえない。わたしもローラやマレアに弱い。怒られたら従うしかないのだ。
皆様方がそそくさと散り、いそいそと服に着替えた。
ごめんなさいとナルシア様に謝りながら前を通って食卓に向かった。
ジーヌ家の女性陣が作ってくれた朝食をいただき、皆様方にはリリヤンの続きをお願いして騎乗服に着替えた。
「シューティングスター。乗せてもらうわよ」
「うむ。ラシャルは残るのか?」
すっかりロリっ娘に魅了されてんな。人間だったら二股だぞ。まあ、わたしは二股にもハーレムにも寛容だけどね。オスの本能には理解できますんで。
……ただ、泣かすようなことをしたら許さんけどね。愛したのなら全身全霊をかけて守る。それが愛した責任だわ……。
「連れて行くわ」
人見知りな子だからね。残して行ったら泣き出すでしょうよ。
「タリール様」
ちゃんと騎乗服に着替えさせたタリール様を乗せ、わたしは後ろに跨がった。
「チェレミー嬢、どこに?」
出かけようとするわたしに気づいてか、ラインフォード様がやって来た。
「少し、公爵様とお話しして来ます。ルティンラル騎士団は妃候補者たちをお守りください」
「なにかあるのか?」
「あるかもしれませんし、ないのかもしれません。まだなんとも言えません。ただ、なにかいるのは確か。それを公爵様と相談してきます」
わたしも勘の域でしかない。けど、わたしの巻き込まれ運が働いているならなにかあるんでしょうよ。まったく、嫌になるわ。
「二人、チェレミー嬢を護衛しろ」
「ありがとうございます」
いらないとも言えないので感謝しておく。
「シューティングスター、よろしく」
「任せろ!」
なんか本気を出しそうな勢いだったので、咄嗟に騎士様の馬に付与を施した。
シューティングスターが走ると五分もかからない。まあ、領都の中を走るので速度は抑えてもらっている。引き殺したら大変だからね。
伝令を出してないものの、なにかあればすぐに通達できるようにしてあったようですぐに公爵様の前に通された。
「……またなにかあったのだな……」
なんかもう諦めたような顔をする公爵様。お気の毒に。いや、わたしもだけどさ。
「まだなにかあったわけではありませんわ。ただ、なにかあるのかも、と言った段階ですね。今なら対抗策に時間を割けると言ったところです」
用意してから起こるならいくらでも起こってくれて構わない。やーめた、って言われるほうが困るわ。




