1026 じゃなくて 下
「……チェ、チェレミー様は、こ、怖くないのですか……?」
皆様方の顔には恐怖が出ていた。
「王宮が? 王城が? それとも守護聖獣が、ですか?」
「す、すべてです。あなたほどの方ならすべての存在がどれほどのものかわかるでしょうに」
公爵令嬢なだけにサーシャル様は裏の事情を教えられているわ。
「怖いか、と問われたらまったく怖くないとお答え致しますわ」
この世におっぱいがあるならわたしはなにも怖くはない。おっぱいがわたしを支えてくれるのだからね!
「ま、まったくって、一伯爵令嬢でしかないのですよ!」
サーシャル様ったら興奮して湯船から出ちゃって。正面からおっぱいが拝めました。ありがとうございます!
「王宮も王城も守護聖獣様も、わたしを害する理由がないからですわ」
あるとするならそれは私怨だ。いや、恐怖からかしらね? 見えない鬼に恐れているだけだわ。
「わたしは、コルディーの貴族であります。コルディーに忠誠を誓い、コルディーの利のために動いております。それを信じられないというならわたしの忠誠心が足りないのでしょう。それで排除されるのなら甘んじてお受けしますわ」
それは即ち、お互いのウィンウィンな関係が崩壊したってこと。なら、わたしは別の利を結べるところに向かうだけよ。わたしはおっぱいの守護者。おっぱいを守る手段なら他にもあるのだからね。
「王国は絶対ではありません。いろいろな力の上に築かれているのです。上に立つ者はそれをよく知っております。その支えを崩すことをもっとも恐れるものです。故に、王国は秩序を重んじる。秩序が乱れれば王国は崩壊するのですからね」
小石を弾くくらいならいい。そこそこ大きい石でも一つくらいなら問題ない。けど、屋台骨を支える土台を排除するには入念な準備が必要だ。
「まず、わたしにはゴズメ王国という大きな手札があります。中規模ていどの手札としてマルビオ伯爵家との繋がりがあります。紳士倶楽部も手札と言っていいでしょう。小さい札として商人との繋がりもありますね。さらにジーヌ公爵家とも繋がりもできようとしております」
そんなわたしを排除する。できるものならやってみればいいわ。動いた瞬間、その情報はわたしに入って来るでしょうよ。
「わたしの力は、将来のお妃様の力ともなります」
自動的に王城はこちらに落ちる。いや、落ちるしかないわ。マーレクラ様は王城を守るためにわたしを引き込まなくちゃならないのだからね。
「わたしたち女性は政治には参加できません。ですけど、王国は政治ばかりやっていればよいというわけでもありません。次世代の子を残すという、男性にはできないことがわたしたちにはできるのです。王宮の存在意義はそこにあります」
直接政治に介入できないのなら別のアプローチをすればよいだけのこと。王宮攻略が一番楽なのよね。
「わたしたちは、王宮と王城を御せる立場におります。言ってしまえばわたしたちがコルディーで一番の派閥と言ってよいでしょう」
コルディーでも上位に位置する家の者だ。お妃様との繋がりができるとなれば未来のお妃様につく。いや、つかざるを得ない。この王国で生きて行くのならば、ね。
「わたしは、この中の誰かに頭を下げます。忠誠を誓うでしょう。コルディーのために。家のために。自分のために。それが貴族の生き方であり、存在意義なのですから」
すべてはおっぱいのために。ジークおっぱい! ハイルおっぱい! おっぱいは永遠なり!




